前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 米下院金融サービス委員会が9月16日、連邦政府保有のビットコインを国家準備資産として法定化する「米国準備金近代化法案(ARMA)」を28対21で可決したことが新たに判明した。制定から20年間は売却・交換・担保設定を禁止する内容で、今後は下院本会議、上院での審議、大統領による署名が必要となる(新規、JinaCoin)。
  • SECのポール・アトキンス委員長とCFTCのマイク・セリグ委員長が、クラリティ法否決を受けて「議会を待たず、両機関の法定権限の範囲内で決定的に行動する」方針を明言したことが新たに判明した。前回時点ではアナリストの見方(レイ・サーモンド氏)として位置づけられていた「規則制定への軸移行」が、当局トップ自身の発言として具体化した(新規・進展、The Block)。
  • フィンテック企業のColumnが、ステーブルコインとカード発行・グローバルバンキング・マルチ通貨口座を統合した本番稼働の金融インフラ4製品を発表したことが新たに判明した。教保生命保険とSBIグループも日韓間のステーブルコイン相互交換の実証実験完了を発表しており、社会実装ニュースとして新たに2件確認できた(新規、CoinSpectator、Cryptonomist)。
  • FRBが9月16日、3年ぶりとなる0.25パーセントの利上げを12対0の全会一致で決定したことが確定した。前回の「結果待ち」の警戒感は、結果確定後の実際の反応(ビットコイン現物ETFの資金流出継続とビットコイン価格の底堅さ)へ移行した(新規確定、JinaCoin)。

昨日と同じこと(継続)

  • ビットコインは前回に続き8万ドル台を明確に回復できない展開が継続しているが、7万5000ドル前後の支持は維持され、前回レポート時点からやや持ち直している(継続、usethebitcoin)。
  • クラリティ法否決を受けた規制不透明感は継続している。業界の一部からは、米国の競争力低下という長期的な悪影響を新たに指摘する声も上がった(継続かつ論点の深化、CoinDesk)。

要因の連続性

  • 継続要因: クラリティ法否決による規制不透明感、FOMC結果(利上げ)を受けたマクロ環境の重し、ビットコイン現物ETFの資金流出。
  • 新規要因: (1) 米ビットコイン準備金法案(ARMA)の下院委員会可決、(2) SEC・CFTC首脳による独自規則制定方針の明言、(3) 教保生命保険・SBIグループの日韓ステーブルコイン実証実験、(4) Columnの本番稼働ステーブルコイン決済インフラ。
  • 解消した要因: 「FOMC結果待ち」の警戒感は、利上げ決定の確定により後退した(次は追加利上げペースへの関心に移行)。

価格サマリー

取得時点: 日本時間2026年9月18日早朝(米国時間9/17の値動きを反映)。

銘柄 価格(ドル建て) 動向
ビットコイン(BTC) およそ7万6,000ドル台 FRB利上げ後も底堅く、24時間ベースで上昇
イーサリアム(ETH) およそ2,449ドル 24時間で1.90パーセント高、2,400ドル台後半を回復
ソラナ(SOL) およそ101ドル 24時間で2.80パーセント高
リップル(XRP) およそ1.30ドル 24時間でほぼ横ばい(0.30パーセント安)

出典: JinaCoin、usethebitcoin、CoinDesk: Ethereum price today、CoinDesk: Solana price today、CoinGecko: XRP price today

銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

ビットコインは、9月16日のFRBによる0.25パーセントの利上げ決定後も7万5000〜7万6000ドル台で踏みとどまり、9月17日には米下院金融サービス委員会がビットコイン準備金法案(ARMA)を可決したことを好感して7万6000ドル台まで持ち直した。ビットコイン現物ETFは9月15〜16日の2日間で合計およそ7億4600万ドルの純流出となっており、機関投資家の資金は流出超過が続いているものの、価格自体は下値を守っている(JinaCoin、usethebitcoin)。

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは2,449ドル前後まで反発し、24時間で1.90パーセントの上昇となった。ビットコインと同様にFOMC結果を消化した後の戻りが続いている一方、ETFからの資金流出は仮想通貨全体で続いており、地合いの本格改善には至っていない(CoinDesk: Ethereum price today、usethebitcoin)。

その他アルトコイン

  • ソラナ(SOL): およそ101ドルまで上昇し、24時間で2.80パーセント高となった。主要アルトコインの中では相対的に強い動きとなっている(CoinDesk: Solana price today)。
  • リップル(XRP): およそ1.30ドルで、24時間でほぼ横ばい(0.30パーセント安)。相対力指数(RSI)が過去13年で最も低い水準まで低下しているとの指摘もあり、売られすぎ感からの反発余地に注目が集まっている(CoinGecko)。

強気派 vs 弱気派

強気派

  • Bitwise最高投資責任者のマット・ホーガン氏(既報)に加え、CoinDeskの親会社Bullishのトム・ファーリーCEOは、規制機関は法律よりも迅速に動けると指摘し、SEC・CFTCの規則制定が短期的には法律よりも重要になるとの見方を示した(新規、CoinDesk)。
  • トレーダーのマイケルXBT氏は、ビットコインが逆風の中でも7万5000〜7万6000ドル台を維持したことを踏まえ強気な相場観を示した。アナリストのクリプトグース氏は「ビットコインは拡大局面に入りつつある」と分析し、アッシュクリプト氏も米国準備金近代化法案の下院委員会通過を、規制上の後退を相殺する重要な材料と位置づけた(新規、Benzinga)。

弱気派

  • セキュリティ企業CertiKの政府関係責任者ステファン・ミュールバウアー氏は、クラリティ法否決の「真の敗者は米国民と国内テック産業」だと指摘し、法整備が無ければ企業の投資判断や製品導入に支障が出ると警告した(新規、CoinDesk)。
  • Hedera最高政策責任者のニルミニ・ルービン氏も、規制の明確化が得られなければ米国が暗号資産業界の中心から周辺へ追いやられかねないとの懸念を示した(新規、同上)。ビットコイン現物ETFの資金流出が9月15〜16日で合計およそ7億4600万ドルに達しており、FRBのケヴィン・ウォーシュ議長がインフレはなお2パーセントの目標を上回っていると強調し追加利上げの可能性を示唆したことも、市場の警戒感を支える材料となっている(新規、usethebitcoin)。

社会実装ニュース

フィンテック企業Columnが9月16〜17日、ステーブルコインとカード発行・グローバルバンキング・マルチ通貨口座を統合した4つの金融インフラ製品を発表し、本番稼働を開始した。銀行基盤上でUSDC・USDTと米ドルの24時間相互交換に対応し、ビザ・マスターカードとの決済にも対応する。共同創業者のウィリアム・ホッキー氏が発表したもので、実証実験ではなく商用インフラとして提供されている点が特徴である(CoinSpectator)。

教保生命保険(韓国)とSBIグループ(日本)は9月17日、日韓間のステーブルコイン相互交換に関する実証実験の完了を発表した。金融機関向けに設計されたブロックチェーン基盤「Canton Network」を用い、米ドルを介さず円建て・ウォン建てのステーブルコインを直接交換する技術的な実現性を検証したもので、実際の資金移動はなく、あくまでテスト環境での検証にとどまる。両社は今後、SBIデジタルプラクティスと韓国Nodeinfraが進める「Project Musubi」構想のもと、日韓決済網の構築を目指すとしている(Cryptonomist)。

法改正・規制ニュース

米国

米下院金融サービス委員会は9月16日、連邦政府保有のビットコインを国家準備資産として法定化する「米国準備金近代化法案(ARMA)」を28対21の党派に沿った票決で可決した。制定から20年間は売却・交換・競売・担保設定を一切禁止し、期間満了後も2年間で最大10パーセントまでの売却に制限する内容。今後は下院本会議での採決、上院での審議、大統領による署名が必要となる(JinaCoin)。

これとは別に、クラリティ法の上院否決を受け、SECのポール・アトキンス委員長は「立法の有無を問わず、SECの法定権限の範囲内で決定的に行動する」と表明し、CFTCのマイク・セリグ委員長も「新しい金融の領域のためのルール発行の準備ができている」と述べた。両機関は既存の法定権限を活用し、トークンの分類、DeFi(分散型金融)の開発者保護、実物資産のトークン化に関する例外措置などの規則制定を急ぐ見通しである。ただしJPモルガンは、行政ルールは将来の政権交代によって見直しや法的異議を受けるリスクがあると指摘しており、恒久的な解決とは言い切れない(The Block)。

日本

金融庁関連では、本日時点で新たな進捗は確認できなかった。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

ビットコインは9月8日から11日にかけて、50日移動平均線(およそ7万3,535ドル)が200日移動平均線(およそ7万3,077ドル)を上抜ける「ゴールデンクロス」を形成し、2025年11月から続いていた弱気シグナル(デッドクロス)が終了した。ただしゴールデンクロス形成前にすでに6万2,000ドルから8万2,000ドルまで上昇していたため、シグナル自体が新たな買いを呼び込む効果は限定的で、その後7万7,000ドル付近まで反落している。現在の支持帯は直近の7万5,000ドル、主要な支持ゾーンである7万1,500〜7万3,600ドル、さらに構造的な大台である7万ドルの3段階。上値は7万7,000〜7万8,000ドルが目先のレジスタンスで、これを回復できれば8万1,600ドル付近までの戻りが視野に入る。MACD(移動平均収束拡散)はヒストグラムがゼロを下回り短期的には売り手がやや優勢な形だが、RSI(相対力指数)は売られすぎとは言えないニュートラルに近い水準にあり、下値を試すにしても限定的とみられる(usethebitcoin)。

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは足元、2,400〜2,550ドルのレンジで推移しており、このレンジを上抜けられるかが次の焦点となっている。2,400ドル台を支持線として維持できるかが目先の分かれ目であり、FRBの政策動向と規制ニュースの両方に価格が左右されやすい状況が続いている(CoinDesk: Ethereum price today)。

業界トピック

  • 米ビットコイン準備金法案(ARMA)は下院委員会を通過したが、成立までなお時間を要する: 本会議、上院審議、大統領署名が必要で、当面は「議会が動いたという事実」自体が心理的な支えとなっている(JinaCoin)。
  • 規制の軸が立法から行政(規則制定)へ移る流れが一段と明確に: SEC・CFTCトップが独自の規則制定を急ぐ方針を明言した一方、JPモルガンは行政ルールが将来の政権交代で見直される可能性を指摘しており、恒久的な解決とは言い切れない(The Block)。
  • ビットコイン現物ETFは9月15〜16日の2日間で合計およそ7億4600万ドルの純流出: 機関投資家の一部は依然として慎重な姿勢を崩しておらず、価格の底堅さとは対照的な資金動向が続いている(usethebitcoin)。