前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 金は9/17、FOMC後の急落から一転して反発し、1トロイオンス4,339.90ドル(前日比+1.79%)まで買われたことが新たに判明した。前回レポート時点(FOMC後に4,275ドル前後まで下落)から切り返した形である(新規、Trading Economics)。
  • 銀も9/17、65.22ドル(前日比+3.13%)まで上昇し、前回(65.59ドル、+1.26%)からさらに水準を切り上げたことが新たに判明した(新規、Trading Economics)。
  • 原油は続落し、WTIは101.09ドル(前日比-1.31%)、ブレントは104.08ドル(前日比-1.66%)となり、前回のWTI102.43ドル・ブレント105.83ドルからさらに水準を切り下げたことが新たに判明した。サウジアラビアがホルムズ海峡経由でアジア向け供給を積み増していると伝わったことが新たな下押し材料に加わった(新規、CNBC)。
  • 銅は6.54ドル(前日比+1.70%)まで上昇し、前回(6.61ドル、+0.03%)からFOMC通過後の金属セクター全体の買い戻しで3営業日続伸となったことが新たに判明した(新規、Trading Economics)。
  • 天然ガスは2.86ドル/MMBtu(前日比-0.92%)、小麦は725.75セント(前日比-0.68%)といずれも小幅安となり、前回からの横ばい圏推移が続いていることが新たに判明した(新規、Trading Economics、Trading Economics)。

昨日と同じこと(継続)

  • サウジアラビアの東西パイプラインは依然停止中で、本格復旧にはなお時間を要するとみられる状況は前回から変わっていない。
  • FRBが9/16に決定した利上げとドットプロットが示す年内追加利上げ観測は、金・銀の重しという構図として引き続き意識されている。
  • 黒海情勢を巡るロシア・ウクライナ間の不透明感、銅のAIデータセンター需要を根拠にした構造的な供給不足論はいずれも継続している。

要因の連続性

  • 継続要因: サウジパイプラインの供給不安後退(前回に続きさらに後退)、FOMCの年内追加利上げ観測、黒海情勢の不透明感。
  • 新規要因: (1) サウジがホルムズ海峡経由でアジア向け供給を積み増していると伝わったことによる原油のさらなる下押し、(2) 金・銀のFOMC後急落からの反発(テクニカルな戻り)、(3) 銅の金属セクター全体の買い戻し。
  • 解消した要因: 前回「FOMC後に上げを消して下落」していた金の下げ圧力は、本日の反発によりいったん後退した(完全な解消ではなく一進一退の範囲内)。

1. 価格サマリー(2026年9月17日(木)時点)

商品 価格(目安) 変化 限月・指標
金 4,339.90ドル 前日比+1.79% スポット目安
銀 65.22 USD/oz 前日比+3.13% 直近限月
WTI原油 101.09ドル 前日比-1.31% NYMEX期近
ブレント原油 104.08ドル 前日比-1.66% ICE期近
天然ガス 2.86 USD/MMBtu 前日比-0.92% Henry Hub期近
銅 6.54 USD/lb 前日比+1.70% COMEX高品位銅
小麦 725.75セント/ブッシェル 前日比-0.68% CBOT期近

金・銀はFOMCの結果公表直後の急落から一転して反発し、原油はサウジアラビアの供給積み増し観測を受けて2日連続で下落した(Trading Economics: Gold、CNBC)。

2. 商品別動向

金・銀

金は9/17、FOMC後の急落から一転して反発し、1トロイオンス4,339.90ドル(前日比+1.79%)まで買われた。FRBが9/16に政策金利を0.25%引き上げた直後には上げを消して4,275ドル前後まで下落していたが、利上げ自体は市場にほぼ織り込まれていたとの受け止めが強まり、買いが戻った(Trading Economics)。銀も同様に反発し、65.22ドル(前日比+3.13%)まで上昇した。FOMC直後には一時64ドルを割り込む場面もあったが、金以上に大きく切り返した(Trading Economics)。

原油

WTI原油は101.09ドル(前日比-1.31%)、ブレント原油は104.08ドル(前日比-1.66%)と、前日の3%超安に続き2日連続で下落した。サウジアラビアがホルムズ海峡経由でアジア向けに原油供給を積み増していると伝わったことが材料視され、東西パイプライン損傷による供給不安が一段と後退した。パイプライン自体は依然停止中で、本格復旧にはなお時間を要するとみられる状況に変わりはない(CNBC)。

天然ガス

天然ガスは2.86ドル/MMBtuまで下落し、前日比0.92%安となった。全米的に平年より高めの気温が続くとの予報がある一方、記録的な生産水準が需要増を吸収しており、上値は重い展開が続いている(Trading Economics)。

農産物

CBOT小麦は725.75セント/ブッシェル(前日比-0.68%)とやや値を下げた。黒海情勢を巡るロシア・ウクライナ間の不透明感と、北半球の潤沢な供給という構図は前回から変わっておらず、方向感に乏しい展開が続いている(Trading Economics)。トウモロコシ・大豆には本日、際立った値動きは見られなかった。

3. 急変動の特集(続報): 原油

特集は前回に続き「原油」。サウジアラビアのホルムズ海峡迂回による供給積み増し観測を受けて、供給不安がさらに後退した。

何が起きたか: WTI原油は前日比1.31%安の101.09ドル、ブレントも1.66%安の104.08ドルとなり、9/16の3%超安に続き2営業日連続の下落となった(Trading Economics)。

なぜ動いたか: 東西パイプラインの損傷そのものは解消していないが、サウジアラビアがホルムズ海峡経由でアジア向け供給を積み増しているとの報道により、代替輸送ルートの確保が進んでいるとの受け止めが広がった。パイプラインの本格復旧にはなお時間を要するとみられ、地政学リスクが完全に払拭されたわけではない(CNBC)。

生活・産業への波及: 原油価格の一段の下落は、ガソリン・輸送コストの上昇圧力を和らげ、インフレ観測の一部後退につながる可能性がある。一方、パイプライン復旧の遅延や中東情勢の再燃があれば、供給不安が再び強まるリスクは残る。

4. 強気派 vs 弱気派

原油

  • 強気: FXEmpireのシニアアナリスト、Muhammad Umair氏は、東西パイプラインが日量400万バレルの容量を持ちホルムズ海峡迂回に使われていること、テクニカル面で50日移動平均線が200日移動平均線を上回っていることを根拠に、WTIが110ドル、ブレントが120ドルを目指す可能性があるとの見方を示した(FXEmpire)。
  • 弱気: パイプラインの迅速な復旧観測やホルムズ海峡経由での供給積み増しを根拠に、供給不安の後退を見込む弱気派の見方が優勢となっており、実際に9/16・9/17と2日連続の下落につながった(CNBC、FXEmpire)。

金・銀

  • 強気: バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど大手金融機関は、FOMC通過後もこれまでの2026年の金価格見通しを引き下げていない。中央銀行の金購入という構造的な支援材料は変わっていないとの見方が背景にある(GoldSilver.com)。
  • 弱気: CFTCの建玉明細によれば、投機筋は9月1日までの週に金のネット・ロングポジションを15,210枚削減しており、FOMCを控えた持ち高調整の動きが確認されている(GoldSilver.com)。銀は本日3%超の上昇で金以上に切り返しており、弱気派の根拠は本日時点でやや後退した。

銅

  • 強気: AIデータセンター向け需要の拡大を根拠にした構造的な供給不足論は変わっておらず(既報)、本日はFOMC通過を受けた金属セクター全体の買い戻しも加わり、6.54ドル(前日比+1.70%)まで上昇した(Trading Economics)。
  • 弱気: 関税方針を巡る不透明感は残っており、上値では戻り売りが出やすいとの指摘が引き続きある(既報)。

5. 地政学・物価関連ニュース

サウジアラビアの東西パイプラインは依然停止中だが、同国がホルムズ海峡経由でアジア向けの原油供給を積み増しているとの報道により、供給不安が一段と後退した(CNBC)。パイプラインの本格復旧には引き続き相応の時間がかかるとみられ、中東情勢への警戒は完全には解けていない。黒海情勢についても、ロシア・ウクライナ間の停戦交渉を巡る不透明感は前回から変わっていない。物価面では、原油の続落がインフレ観測の一部後退につながる一方、FRBの年内追加利上げ観測(9/16決定分。詳細はratesカテゴリ参照)は金融環境の引き締まりを通じて需要面から物価を下押しする可能性がある。

6. テクニカル分析

金: 4,339.90ドルまで戻し、50日移動平均線が位置するとされる4,282ドル近辺を上回って推移している。RSIは過熱感が一巡し、次の節目として4,400ドル・4,510ドルが意識される一方、200日移動平均線は4,638ドル付近にあり、なお下に位置する水準にとどまる(既報の分析を踏襲)。

銀: 65.22ドルまで上昇し、64.81〜65.24ドルとされる抵抗帯を試す位置にある。この水準を上放れれば66ドル方向、さらに67〜68ドル方向への戻りが視野に入るとの分析がある一方、62.50〜63.50ドル付近が下値のめどとされる(既報の分析を踏襲)。

WTI原油: 101.09ドルまで下落し、102.65〜103.40ドルとされていた戻りのめどを下回った。目先の支持帯は95ドル近辺、その下は100日移動平均線(91ドル付近)、200日移動平均線(86ドル付近)が控えるとの分析がある。一方、50日移動平均線は200日移動平均線を上回った状態が続いており、中期的な上昇基調自体は崩れていないとの見方もある(既報の分析を踏襲)。

天然ガス: 2.86ドル前後で推移し、上昇一服の状態が続いている。全米的な高め傾向の気温予報がある一方、記録的な生産水準が需要増を吸収しており、方向感に乏しい展開である。

銅: 6.54ドルまで3営業日続伸し、FOMC通過後の金属セクター全体の買い戻しが続いている。関税を巡る不透明感が晴れるまでは上値の重さが残るとの指摘がある(既報の分析を踏襲)。

小麦: 725.75セント前後でやや軟化した。黒海情勢を巡る不透明感と北半球の潤沢な供給という構図は前回から変わっておらず、方向感に乏しい展開が続いている(既報の分析を踏襲)。