前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- CLARITY法のクローチャー採決について、前回時点では非公式集計として「賛成46・反対43」と伝えられていたが、本日新たに最終集計が判明し、賛成50・反対49で、可決に必要な60票に届かず否決されたことが確定した。共和党からはスーザン・コリンズ氏(メイン州)、ジョシュ・ホーリー氏(ミズーリ州)、ジェリー・モラン氏(カンザス州)、トム・ティリス氏(ノースカロライナ州)の4人が造反して反対に回ったことが新たに判明した(新規・確定、The Hill、NPR)。
- サークルの新ブロックチェーン「Arc」が9月16日、公開メインネットの稼働を開始したことが確定した。ジェネシス(創世)ブロックで100億枚のARCトークンが発行されたことが新たに判明したが、トークンの一般向け公開時期は未定という。DeFiプロトコルのAave・Morpho・Uniswapが稼働初日から参加し、コンセンサス方式「Malachite」により0.5秒未満の取引確定を実現するとされる(新規、The Block、Circle)。
- アナリストの見方が新たに複数判明した。BTCマーケッツのレイチェル・ルーカス氏は、法案の成否は「決定的な制約ではなかった」と述べ、現在の相場サイクルは規制の物語よりも金利動向に依存していると指摘。今後の注目点として、FRBの利上げが長期的な引き締めの始まりになるか、ETFへの資金流入が再加速するか、上院60票を必要としない別の規制ルートが出てくるかの3点を挙げた。一方でレイ・サーモンド氏は、今回の否決を「後退ではあるが頓挫ではない」とし、立法から規則制定へと軸が移り、SECとCFTCが規制の空白を一定埋める可能性があるとの見方を示した(新規、The Block)。
昨日と同じこと(継続)
- ビットコインは前回に続き8万ドル台を明確に回復できない展開が継続しており、24時間で0.96%安のおよそ7万5986ドルで推移している(継続、Coinbase)。
- イーサリアムも軟調な推移が続き、2400ドル割れの水準で推移している(継続)。
- FOMCの結果(9/16、0.25%利上げ・年内追加利上げ示唆)を受けた警戒感は、前回の「結果待ち」から「結果を受けた警戒」へ移行しつつも、暗号資産市場への重荷という構図自体は継続している(詳細は
ratesカテゴリ参照)。
要因の連続性
- 継続要因: CLARITY法否決による規制不透明感、FOMCの利上げ観測(結果確定後も年内追加利上げ観測として継続)。
- 新規要因: (1) クローチャー採決の最終集計確定(50対49、造反した共和党議員の実名判明)、(2) サークルのArcメインネット本格稼働とARCトークン発行、(3) アナリストによる法案否決の位置づけ(「後退だが頓挫ではない」との見方)。
- 解消した要因: 特になし。CLARITY法の年内成立への期待は、最終集計の確定によりあらためて後退が確認された。
価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月17日早朝(米国時間9/16のCLARITY法否決後の値動きを反映)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 動向 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | およそ7万5,986ドル | 24時間で0.96%安、7万5,151〜7万6,233ドルで推移 |
| イーサリアム(ETH) | およそ2,398ドル | 前日から4.74%安、2,400ドル割れで軟調 |
| ソラナ(SOL) | およそ98.37ドル | 前回とほぼ同水準で推移 |
| リップル(XRP) | およそ1.30ドル | 前回(1.33ドル)からやや下落も一部で反発の動き |
出典: Coinbase: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today、CoinDesk: Solana price today、CoinDesk: XRP price today
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
ビットコインはCLARITY法否決を受けた警戒感が続くなか、24時間で0.96%安のおよそ7万5,986ドルで推移している。24時間の値幅は7万5,151〜7万6,233ドルで、前回レポート時点(7万6,200ドル前後)からさらにやや軟化した形である。BTCマーケッツのレイチェル・ルーカス氏は、現在の相場サイクルは法案の成否よりも金利動向に依存していると指摘しており、9月16日のFRBによる利上げ決定とドットプロットの上方修正(年内追加利上げ観測)が、今後の値動きの主因になるとの見方を示した(Coinbase、The Block)。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは前日比4.74%安のおよそ2,398ドルまで下落し、2,400ドル台を割り込んだ。CLARITY法否決による規制不透明感の継続に加え、ビットコインと同様にFOMCの利上げ決定を受けたマクロ地合いの悪化も重荷となっている(CoinDesk: Ethereum price today)。
その他アルトコイン
- ソラナ(SOL): およそ98.37ドルで、前回レポート時点とほぼ同水準の推移が続いている(CoinDesk: Solana price today)。
- リップル(XRP): およそ1.30ドルで、前回(1.33ドル)からやや下落した。一部の時点では1.61%高の反発を示す場面もあり、CLARITY法否決による急落からの下げ止まりを探る展開とみられる(CoinDesk: XRP price today)。
強気派 vs 弱気派
強気派
- Bitwiseのマット・ホーガン氏の見方(既報)に加え、暗号資産関連のアナリストであるレイ・サーモンド氏は、CLARITY法の否決を「後退ではあるが頓挫ではない」と位置づけ、今後は立法ではなく規則制定に軸が移り、SECとCFTCが規制の空白を一定埋める可能性があるとの見方を示した(新規、The Block)。
弱気派
- BTCマーケッツのレイチェル・ルーカス氏は、法案の成否は「決定的な制約ではなかった」としつつ、現在の相場は規制動向よりも金利動向に強く依存しているとし、FRBの利上げが長期的な引き締めサイクルの始まりになるかどうかを最重要の注視点に挙げた(新規、同上)。
- Bernsteinが事前に示した下落シナリオ(ビットコインが10〜25%下落して5万5,000〜6万ドル圏を試す可能性、既報)については、本日時点の下落幅(0.96%安)はこの想定レンジの下限をなお下回っており、想定より軽微な反応にとどまっている。
社会実装ニュース
サークルの新ブロックチェーン「Arc」が9月16日、計画どおり公開メインネットの稼働を開始した。ジェネシスブロックで100億枚のARCトークンが発行されたことが新たに判明し、ブラックロック・DTCC・ビザ・マスターカード・ICE(インターコンチネンタル取引所)を含む11の機関投資家が検証者として参加している。DeFiプロトコルのAave・Morpho・Uniswapが稼働初日から参加していることも新たに判明した。ガス代はUSDCで支払う設計で、コンセンサス方式「Malachite」により0.5秒未満の取引確定を実現し、24時間稼働のステーブルコイン決済に向けたネイティブな外国為替エンジンも統合されている。実証実験ではなく本番稼働として主要金融機関・DeFiプロトコルが直接参加している点が、暗号資産インフラが伝統的金融・分散型金融の双方に組み込まれる動きの象徴的な事例といえる(The Block、Circle)。
法改正・規制ニュース
米国
米上院は9月15日(米東部時間)、CLARITY法(暗号資産市場構造法)のクローチャー採決を実施し、最終集計で賛成50・反対49となり、可決に必要な60票に届かず否決されたことが確定した。共和党からはスーザン・コリンズ氏(メイン州)、ジョシュ・ホーリー氏(ミズーリ州)、ジェリー・モラン氏(カンザス州)、トム・ティリス氏(ノースカロライナ州)の4人が造反して反対に回った。争点の核心は、大統領を含む公職者が暗号資産事業で利益を得ることを防ぐための倫理規定にあった。ラミス上院議員が8月の休会前に警告していたとおり、今会期での不成立により、次の機会は2030年までずれ込む可能性がある。上院は10月初旬に休会入りする予定で、中間選挙も7週間後に控えるため、法案再生への時間的余裕はほとんどない(The Hill、NPR)。
日本
金融庁による無登録業者Izakayaへの警告(既報)について、本日時点で新たな進捗は確認できなかった。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
前回伝えた7万7,165ドルの防衛ラインを割り込んだ状態が本日も続いており、強気の反転シナリオは後退したままである。7万5,000ドル台での下値模索が続くか、FOMC結果を受けたマクロ環境の落ち着きを受けて反発に向かうかが今後の焦点となる。
イーサリアム(ETH)
2,400ドル台を割り込み、9月に入ってからの支持帯を下抜けた状態にある。CLARITY法否決とFOMC結果の両方を受けた地合いの悪化が重荷となっており、下値模索が続く可能性がある。

