前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- FOMC利上げ確率が69.4%からさらに上昇(新規): 前回時点のCME FedWatchでの利上げ確率69.4%から、centralbank.watchの集計で9/11時点85%まで一段と切り上がった。ビットコインは前回のおよそ7万6,500〜7万7,700ドルから、週末にかけて7万6,900〜7万7,700ドル付近とほぼ同水準での推移が続いている(centralbank.watch)。
- ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーション(新規): 前回はビットコイン現物ETFの直近3営業日流出4.49億ドルを伝えたが、本日新たに、9/12単独でも1,329万ドルの流出となり4営業日連続のアウトフロー(週間ではおよそ4.63億ドル)に拡大したことが判明した。対照的にイーサリアムETFは9/12に2億1,641万ドルの流入となり4週連続のネット流入を記録し、資金がビットコインからイーサリアムへ回転している構図が新たに確認できた(Bitcoin.com News)。
- インド・カナダで実運用のトークン化(RWA)が新たに始動(新規・社会実装): 前回はマスターカードのAIエージェント決済基盤とXRP台帳上のAI決済拡大を伝えたが、本日新たに、インドがSEBI・RBI主導で社債のトークン化基盤「Demat2.0」を稼働させREC等3社が合計およそ1億1,600万ドル相当の債券を実際に発行したこと、カナダの銀行監督当局OSFIがトークン化銀行預金を法的に通常預金と同一と認定したことが判明した(CoinDesk、CoinSpectator)。
- 日本でコインチェックが送金制限を導入、規制強化の一環(新規): 前回は日本の分離課税移行方針(新展開なし)のみを伝えたが、本日新たに、コインチェックが金融庁・警察庁からの要請を受け、新規登録アドレスへの送金を9/15から一時制限する措置を発表したことが判明した(あたらしい経済)。
- ジーキャッシュ(ZEC)、1,100ドル割れから小反発(変化): 前回の1,103ドルから、9/12にはおよそ1,133〜1,153ドルまで反発した(KuCoin)。
昨日と同じこと(継続)
- CLARITY法の9/15クローチャー採決に向けて民主党の支持獲得は依然難航しており、予測市場(カルシ22%、前回報告のPolymarket18%)の成立確率は低水準で推移している。
- PayPalのステーブルコイン発行基盤PYUSDx、Liquid Networkのハッキング事件(残る598.5BTC)について、本日時点で新たな進展は確認できなかった。
- 日本の暗号資産分離課税(20.315%)移行方針について、本日時点で新たな進展は確認できなかった。
- リップル(XRP)はおよそ1.35〜1.40ドルで方向感を欠く展開が続いている。
要因の連続性
- 継続要因: FOMC利上げ観測(むしろ強まる)、CLARITY法の成立に対する与野党の隔たり、ビットコインの8万〜8万2,000ドル圏での上値抵抗。
- 新規要因: ビットコインからイーサリアムへのETF資金ローテーション、インド・カナダにおけるトークン化資産(RWA)の実運用開始、日本の取引所における送金制限という新たなセキュリティ規制の動き。
- 解消した要因: 特になし。
価格サマリー
取得時点: 日本時間2026年9月13日朝(米国時間9/10〜9/12の分析データおよび週末の値動きに基づく。相場は24時間動いており、時点により数値差がある)。
| 銘柄 | 価格(ドル建て) | 動向 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | およそ7万6,900〜7万7,700ドル | 8月CPI後の軟化から下げ渋り、8万〜8万2,000ドル圏の上値抵抗が継続 |
| イーサリアム(ETH) | およそ2,460〜2,540ドル | 主要移動平均線を上回る水準を維持、ETFへの資金流入が支援 |
| ジーキャッシュ(ZEC) | およそ1,133〜1,153ドル | 前日比+3.3%程度、1,100ドル割れから小反発 |
| リップル(XRP) | およそ1.35〜1.37ドル | 方向感を欠くも機関保有拡大の動き継続 |
出典: usethebitcoin.com、usethebitcoin.com、KuCoin
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
9/10時点の分析では7万8,200ドル前後で8万〜8万2,000ドルの上値抵抗を試す展開だったが、9/11の8月CPI上振れ(コア指数前年比+2.4%)を受けてFOMC利上げ観測が強まり、週末にかけて7万6,900〜7万7,700ドル付近まで軟化して推移している。直近の下値支持は7万6,900〜7万7,300ドル、その下に7万7,600〜7万7,900ドルの節目があり、これを割り込むと8万〜8万2,000ドルへの再挑戦は遠のくとされる(usethebitcoin.com)。市場全体では、ビットコイン供給の71%超が含み益状態にあり過去平均(74.7%)に近づいているとの分析もあり、利益確定売りの圧力にも留意が必要とされる。
FOMC(9/15-16開催)での利上げ確率は、CPI発表後の週末にかけて一段と上昇し、centralbank.watchの集計で9/11時点85%まで達した。前回報告したCME FedWatchでの69.4%からさらに切り上がっている(centralbank.watch)。
ビットコイン現物ETFは9/12(金)も1,329万ドルの流出となり、4営業日連続のアウトフローとなった。週間の流出合計はおよそ4億6,273万ドルに拡大し、前回報告時点の3営業日・4億4,900万ドルからさらに膨らんだ(Bitcoin.com News)。
イーサリアム(ETH)
9/10時点の分析では2,476ドル前後で、日足20日指数移動平均線(およそ2,467ドル)を支持線に主要移動平均線をすべて上回る水準を保っていた。その後もおよそ2,460〜2,540ドルで推移し、支持帯2,403〜2,431ドル・抵抗帯2,544〜2,600ドルという構図は維持されている(usethebitcoin.com)。
ビットコインとは対照的に、イーサリアムETFには9/12単独で2億1,641万ドルの資金が流入し、4週連続のネット流入となった。運用資産は1日で10億ドル増え163.1億ドルに達しており、ビットコインからイーサリアムへ資金が回転している可能性がある(Bitcoin.com News)。イーサリアムのネットワークアップグレード「Glamsterdam」は、Sepoliaテストネットへの適用が10/6に暫定予定され、メインネットは12月を目指しているが、devnetでの不安定さも報告されている。
その他アルトコイン
- ジーキャッシュ(ZEC): 9/11に1,100ドルを割り込んだ後、9/12はおよそ1,133〜1,153ドルまで反発した(前日比+3.3%程度)。プライバシー通貨としての資金流入と、急落後の巻き返しが交錯している(KuCoin)。
- リップル(XRP): およそ1.35〜1.37ドルで、前回同様方向感を欠く展開が続く。テュークリアム社が申請したXRP関連ETFの開示書類でXRPの保有比率が4.36%と示され、上場計画が10月にずれ込むことが判明した(The Coin Republic)。
強気派 vs 弱気派
強気派
- コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、上院がCLARITY法の採決を9/15に設定したこと自体が指導部の自信の表れだとして、「(上院多数党院内総務の)ジョン・チューン氏はもし通過を確信していなければこの日程を設定しなかっただろう。60票を超えると楽観している」と述べ、与野党双方が要望のおよそ9割を反映できたとの見方を示した(Yahoo Finance)。
- usethebitcoin.comの9/10分析は、ビットコイン供給の71%超が含み益にあることや、8万〜8万2,000ドル圏の抵抗を試す動き自体を「慎重ながら強気」の兆候と位置づけた(usethebitcoin.com)。
弱気派
- 予測市場カルシは、CLARITY法が9/15の採決で60票を超える確率をわずか22%とみており、アームストロング氏の楽観とは対照的な見方を示している(Yahoo Finance)。
- 24/7 Wall St.が9/12にまとめた分析によると、ギャラクシー・リサーチは2026年第4四半期にビットコインが4万〜4万6,000ドルまで下落する可能性を、パニック的な最悪シナリオではおよそ2万8,000ドルまで下げる可能性を指摘した。シティはおよそ5万3,000ドル(現在のオンチェーン実現価格に近い水準)を、NYDIGは米国の景気後退とETF保有の全面解消が同時に起きた場合の尾部リスクシナリオとしておよそ3万8,000〜3万9,000ドルを挙げた(24/7 Wall St.)。
社会実装ニュース
インドの証券取引委員会(SEBI)とインド準備銀行(RBI)は9/10、ムンバイでのGlobal Fintech Festで社債のトークン化基盤「Demat2.0」を稼働させた。ブロックチェーン上で社債をデジタルトークン化し、RBIの「ホールセール型デジタルルピー」による決済を「統一市場インターフェース」経由で連動させることで、証券と資金の受け渡しを同時に行い決済リスクを縮小する仕組みである。稼働直後の9/7〜9/9、国営電力金融機関REC(5億ルピー)、大手エンジニアリング企業ラーセン&トゥブロ(5億ルピー)、ノンバンクのIIFLファイナンス(2,500万ルピー)の3社が合計10億2,500万ルピー(およそ1億1,600万ドル)相当の債券を実際に発行した。金利・償還日・投資家の権利といった条件面は従来型の債券と変わらない。今後は二次流通市場での取引や個人投資家のアクセスも視野に入れている段階で、6,200億ドル規模とされるインドの社債市場を対象にしたRWA(実物資産のトークン化)実運用フェーズの始動といえる(CoinDesk)。
カナダの銀行監督当局OSFI(金融機関監督庁)は9/10、トークン化された銀行預金は技術的な実現手段が異なるだけで法的には従来の銀行預金と同一であるとの見解を示した。プロダクトの法的性質は使用する技術で決まらないとする「技術中立」の立場を明確にしたことで、連邦規制下のカナダの銀行は新たな規制区分や特別な法的枠組みを必要とせず、ブロックチェーン上でトークン化された預金を発行・管理できるようになった。同日、OSFIは暗号資産エクスポージャーに関する資本・流動性の取り扱いを定めた最終ガイドライン(2027年適用)も公表した(CoinSpectator)。
いずれも実証実験ではなく、実際の債券発行・規制認定という具体的な一歩であり、伝統的金融機関がブロックチェーン基盤を本番運用に組み込む動きが北米・アジアの両地域で同時に進んだ点が特徴的である。
法改正・規制ニュース
米国
米上院は9/15午後2時15分(米東部時間)、CLARITY法(暗号資産市場構造法)のクローチャー(討論終結)採決を予定している。共和党の53議席に加え、可決には民主党・無所属から最低7票の造反が必要となる。9/10に公表された改定版(630ページ)は民主党側の要望100件超を反映したとされるが、造反が見込まれる民主党上院議員は、現行案が倫理規定・消費者保護・不正資金対策の観点で「なお不十分」だとしている。コインベースのアームストロングCEOは可決に楽観的な見方を示す一方、予測市場カルシでは60票超えの確率はおよそ22%、前回報告したPolymarketでの成立確率もおよそ18%と、楽観論と市場の織り込みには大きな隔たりがある(crypto.news、Yahoo Finance)。
日本
暗号資産交換業者のコインチェックは9/10、新規に登録した送金先アドレスへの送金を一定期間制限する新機能を9/15から導入すると発表した。フィッシング詐欺や不正アクセスによる不正送金被害の増加を受け、金融庁・警察庁からの詐欺被害防止対策強化の要請に対応する規制強化の一環で、既に登録済みのアドレスへの送金には影響しない。制限期間はセキュリティ上の理由で非公開とされ、短縮や早期解除には対応しないという(あたらしい経済)。暗号資産の分離課税(20.315%)移行方針については、本日時点で新たな進展は確認できなかった(継続)。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
9/10時点の分析では、直近の下値支持は7万6,900〜7万7,300ドル、その下に7万7,600〜7万7,900ドルの節目があり、この水準を割り込むと8万〜8万2,000ドルへの再挑戦シナリオは後退するとされていた。その後、8月CPIを受けた軟化でビットコインは実際にこの支持帯まで下げており、週末にかけて7万6,900〜7万7,700ドル付近で下げ渋る展開となっている。上値ではおよそ8万2,700ドルが次の目標として意識されている(usethebitcoin.com)。
イーサリアム(ETH)
週足のフィボナッチ0.618戻し水準である2,438ドル付近の支持線を維持できるかが、前回に続き焦点となっている。日足では20日指数移動平均線(およそ2,467ドル)が直近の支持として機能し、2,403〜2,431ドルが主要な支持帯、2,544〜2,600ドルが抵抗帯とされる。この抵抗帯を上抜けると2,626ドル、さらに2,786〜3,050ドル圏が視野に入るとの分析がある(usethebitcoin.com)。
業界トピック
- ビットコインETFからの流出とイーサリアムETFへの流入が対照的な構図に: 9/12単独でビットコインETFは1,329万ドルの流出(4営業日連続)、イーサリアムETFは2億1,641万ドルの流入(4週連続のネット流入)を記録した(Bitcoin.com News)。
- 国内取引所での「出庫制限」導入が先行例に: コインチェックの新規送金先への送金制限(9/15導入)は、日本国内の暗号資産交換業者においてフィッシング被害対策としての制限強化の先行例となる可能性がある(あたらしい経済)。

