前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ISM Chicago/MNI Markets発表(8/28付)のシカゴ購買部協会景気指数(シカゴPMI、8月分)が47.1となり、7月の57.6から10.5ポイントの急低下、市場予想57.9も大きく下回った。50を割り込むのは4か月ぶりの景況感悪化で、年初来で最も弱い水準。前回レポートでは触れられていなかった新規の経済指標材料。 出典: CNBC、Investing.com
  • Fear & Greed Index(CNN)は54(中立)で、前回レポート記載の58(グリード圏)からやや後退した。株式市場の過熱感がわずかに和らいだことを示す新規の変化。 出典: CNN
  • CNBCの週間展望記事(8/30付)により、9/4(金)発表の8月雇用統計の市場予想が非農業部門雇用者数プラス5万8千人、失業率4.1%、平均時給前月比0.3%増と具体化した。前回レポートでは日程のみで予想数値は無かった新規情報。 出典: CNBC
  • 同記事により、今週はAI関連企業の決算週でもあることが判明した。9/1(火)にデル・テクノロジーズ(AIサーバー需要が焦点)、9/2(水)にブロードコム・スノーフレイク・ヒューレット・パッカード・エンタープライズが決算を発表する予定。前回レポートには無かった新規の決算材料。 出典: CNBC
  • 米長期金利について、2年債利回りがウォーシュ議長講演を受けて8bp上昇し4.31%前後(7月下旬以来の高水準)となったことが改めて確認された。前回レポートの4.30%前後からわずかに切り上がった形で、詳細な裏付けが取れた新規情報として記載する。 出典: Yahoo Finance

昨日と同じこと(継続)

  • 米国株式市場は8/31(月)朝の時点ではまだ取引再開前で、直近の取引終了は前回に続き8/28(金)のままである(S&P500 7,711.76・-0.25%、ナスダック100 29,448前後・-0.44%前後、NYダウ53,559.99・-0.02%)。取引再開は米国時間8/31、日本時間では8/31夜から9/1未明にかけて。 出典: Yahoo Finance
  • 9月FOMC(9/16)での利上げ確率は、CME FedWatchで56%前後と前回からほぼ横ばい。Kalshiは48%、Polymarketは49%とやや低めで、集計元による差は前回同様残っている。 出典: CNBC
  • ドル指数(DXY)は99.5前後、ドル円は159.4〜159.5円前後で、いずれも前回レポートからほぼ変化なし。VIXは14.43(8/28終値、前日の14.51からわずかに低下)で年初来の低ボラティリティ局面が続いている。 出典: Exchange Rates UK
  • G20テック関連会合(9/1〜2、ノースカロライナ州チャペルヒル)、半導体関税拡大観測、シェブロン・ハリバートンのベネズエラ投資交渉は、いずれも前回から続報が無く、来週の展開待ちの状態が続いている。 出典: Axios

要因の連続性

  • 継続要因: ドル高基調、9月FOMCでの利上げ観測(56%前後)、低ボラティリティ環境(VIX14台)、マイケル・バリー氏らのエヌビディア資金調達構造への警戒、G20テック会合・半導体関税拡大観測・ベネズエラ投資交渉といった来週待ちの材料は、いずれも前回に続き本日も背景要因として作用している。
  • 新規要因: (1) シカゴPMIが47.1へ急落したことで、製造業の景気減速懸念という新たな下押し要因が加わった、(2) 雇用統計の市場予想(プラス5万8千人・失業率4.1%)が具体化し、9/4の結果との比較材料が明確になった、(3) デル・ブロードコムなどAI関連企業の決算という新規の個別材料が今週の注目点に加わった。
  • 解消した要因: 特になし。半導体関税拡大やベネズエラ投資交渉といった前回からの懸案は、週末を挟んでも合意・決定には至っておらず未解消のまま継続している。

1. 市況サマリー

注記: 8/31(月)朝時点で米国市場はまだ取引再開前のため、以下は直近の取引終了である8/28(金)引け時点の数値(前回レポートと同一)である。

指数 終値 前日比 騰落率
S&P500 7,711.76 -19.23 -0.25%(情報源により-0.13%との報道もあり)
ナスダック100(NDX) 29,448.36前後 -129.39前後 -0.44%前後(情報源により-0.65%との報道もあり)
NYダウ 53,559.99 -9.45 -0.02%

(取得時点: 2026-08-28米国市場引け後、前回レポートからの再掲。出典: Yahoo Finance。ナスダック総合指数は26,402.42(-138.93、-0.52%)。週間ではS&P500が+0.5%、ナスダックが+0.9%、NYダウが+0.5%と3週間ぶりの週間プラスで終えている。)

2. 指数別動向

S&P500

8/28(金)終値7,711.76(-0.25%)から変化なく、休場明けの取引再開を待つ状態。JPモルガンのテクニカル分析では次のレジスタンス帯を7,909〜7,935と指摘しており、今週この水準を試せるかが焦点になる一方、シカゴPMIの急落が景気減速懸念として重荷になる可能性がある。 出典: Yahoo Finance、Yahoo Finance(JPモルガン分析)

ナスダック100

8/28(金)終値29,448ドル前後(-0.44%前後)から変化なし。今週はデル・ブロードコムなどAI関連企業の決算が相次ぐほか、G20テック会合や半導体関税拡大観測が重なり、ハイテク株にとって材料の多い週になる見通し。 出典: CNBC、Axios

NYダウ

8/28(金)終値53,559.99(-0.02%)から変化なし。構成銘柄シェブロンが絡むベネズエラ投資交渉は依然「協議中」の段階で、来週のカラカスでの契約署名や政府高官の現地訪問が改めて材料視される可能性がある。 出典: Yahoo Finance

3. 強気派 vs 弱気派

強気派(ブル)

  • ダン・アイブス氏(ウェドブッシュ・セキュリティーズ、アナリスト): 「米国はこの30年で初めて中国からテックの主導権を奪い返した」との評価を継続。エヌビディアなどAI関連企業の実際の業績拡大を根拠に中長期的な強気姿勢を維持している。(継続) 出典: 24/7 Wall St.
  • ベン・スナイダー氏(ゴールドマン・サックス、チーフ米国株ストラテジスト): ハイパースケーラーによる年間およそ6,500億ドル規模のAIインフラ投資が続くとして、AI関連の設備投資の恩恵を受ける企業群への強気姿勢を継続している。(継続) 出典: Yahoo Finance

弱気派(ベア)

  • ジェイソン・ハンター氏(JPモルガン、テクニカル・ストラテジスト): S&P500・半導体株・ソフトウェア株がそれぞれのレジスタンス帯で足踏みしているとし、季節的にも8〜10月は市場が最も弱い時期にあたるとして、9月序盤に向けて長期ポジションの段階的な圧縮を提言している。(継続) 出典: Yahoo Finance
  • マイケル・バリー氏(著名空売り投資家): エヌビディアの循環的な資金調達構造への警鐘は継続。新たな発言・報道は確認できないが、構造的懸念自体は解消していない。シカゴPMIの急落という新たな景気減速シグナルも弱気材料として加わった形。(継続) 出典: The Motley Fool

4. 経済ニュース

経済指標

  • シカゴ購買部協会景気指数(シカゴPMI、8月分)は47.1と、7月の57.6から10.5ポイント急低下し、市場予想57.9も大きく下回った。50を割り込む契約局面入りは4か月ぶりで、年初来最弱の水準。仕入価格の上昇も同時に進んでおり、スタグフレーション的な組み合わせを指摘する分析も出ている。 出典: CNBC、Investing.com
  • 今週は9/1(火)ISM製造業景況指数・JOLTS、9/2(水)ADP雇用統計・ベージュブック、9/3(木)ISM非製造業(サービス)景況指数、9/4(金)8月雇用統計と経済指標が集中する。雇用統計は非農業部門雇用者数プラス5万8千人、失業率4.1%、平均時給前月比0.3%増が市場予想とされている。 出典: CNBC

政策

  • 半導体関税拡大の検討は継続中。対象をノートパソコン・ゲーム機・データセンターサーバーまで広げる案が段階的な導入(staggered rollout)で検討されているとされ、1月に導入済みの半導体チップ向け25%関税に続く「第2弾」と位置づけられている。政策決定自体はまだ確定していない。 出典: CNBC
  • シェブロン・ハリバートンによるベネズエラ油田・油田サービスへの投資交渉は、週末を挟んでも正式な契約署名の確認はできておらず「協議中」の段階が続く。来週はカラカスで複数の石油・ガス企業幹部が生産契約に署名する見通しで、クリス・ライト・エネルギー長官も現地を訪問する予定。 出典: Yahoo Finance
  • G20傘下のテック関連閣僚級会合(イノベーション閣僚会合)が9/1〜2、ノースカロライナ州チャペルヒルのキャロライナ・イン(Carolina Inn)で開催される。9/1はイーロン・マスク氏、デビッド・サックス氏、メタのディナ・パウエル・マコーミック氏がオンラインで、9/2はエヌビディアのジェンスン・フアンCEOとオープンエーアイのサム・アルトマンCEOが対面で登壇し、規制当局の新設を避け業界主導の差異化規制を志向する「カロライナ原則」を協議する。 出典: Axios

注目された個別銘柄・決算

  • デル・テクノロジーズ: 9/1(火)に決算発表予定。AIサーバー需要の動向が焦点。 出典: CNBC
  • ブロードコム/スノーフレイク/ヒューレット・パッカード・エンタープライズ: 9/2(水)に決算発表予定で、AI関連需要の広がりを確認する材料になる。 出典: CNBC
  • アップル: 9/1(米国時間)にジョン・ターナス氏が新CEOに正式就任予定(前回既報)。 出典: Axios

5. FOMC・FRB・金利・為替

FRB/FOMC

  • 9月16日FOMCでの利上げ確率は、CME FedWatchで56%前後と前回からほぼ横ばい。Kalshiでは48%、Polymarketでは49%と、集計元によって5〜8ポイントの差がある状態が続いている。 出典: CNBC

金利

  • 2年債利回りはウォーシュ議長講演を受けて8bp上昇し4.31%前後(7月下旬以来の高水準)。10年債利回りは4.72%前後、30年債利回りは5.17%前後で、いずれも8/28(金)引け時点の水準からほぼ変化していない。国債市場も株式市場と同様、月曜の取引再開を待つ状態。 出典: Yahoo Finance

為替

  • ドル指数(DXY)は99.5前後で、8/21に付けた3か月ぶり安値98.8からの反発基調を維持している。ドル円は159.4〜159.5円前後で推移し、直近1週間は158.53円(8/21)〜159.48円(8/27)のレンジ。9月の日銀利上げ観測が強まる中でも、円は約1か月前の日米協調介入後の水準を大きく超えられずにいる。 出典: Exchange Rates UK

6. テクニカル分析

注記: 8/31(月)朝時点で米国市場はまだ取引再開前のため、以下は8/28(金)時点の水準(前回レポートと同一)。情報源によって指数の終値・移動平均線・RSIの取得時点にばらつきがあるため、断定的な売買判断には利用しないこと。

S&P500

現在値(7,711ドル台)は50日移動平均(7,686〜7,705ドル前後)・200日移動平均(7,632〜7,648ドル前後)をいずれも上回る水準で、中長期的には「買い」を示すゾーンが続いている。RSI(14日)は51.5前後と中立圏。JPモルガンのジェイソン・ハンター氏は「次の本格的なレジスタンス帯は7,909〜7,935ドル」とし、そこを上回れるかが中期トレンドの分岐点になるとの見方を示している。 出典: Investing.com、Yahoo Finance(JPモルガン分析)

ナスダック100

RSI(14日)は51.1前後と中立圏。50日移動平均(29,293〜29,415ドル前後)・200日移動平均(29,128〜29,341ドル前後)をいずれも上回る水準にあり、中長期的な上昇トレンド自体は崩れていない。JPモルガンは半導体株について「12,362〜13,047のレジスタンス帯で足踏みしており、値動きの乏しい反発(デッドキャットバウンス)の域を出ない可能性」を指摘している。 出典: Investing.com、Yahoo Finance(JPモルガン分析)

NYダウ

RSI(14日)は51.0前後と中立圏。50日移動平均(53,425〜53,514ドル前後)・200日移動平均(53,304〜53,364ドル前後)をいずれも上回り、3指数の中では引き続き最もテクニカル的に底堅いとの評価が続いている。 出典: Investing.com

センチメント指標(補助)

  • VIX(恐怖指数): 14.43(8/28終値、前日の14.51から低下)。2026年に入って最低水準圏の推移が続いている。 出典: CNBC
  • Fear & Greed Index: 54(中立圏)。前回レポート記載の58(グリード圏)からやや後退し、過熱感が幾分和らいだ。 出典: CNN

7. 今夜の注目イベント

  • 今夜(日本時間8/31夜〜9/1未明)、米国株式市場は週末・休場を挟んで取引を再開する。シカゴPMIの急落を受けた景気減速懸念と、9月FOMCの利上げ観測(56%前後)を材料に売買材料を探る展開が見込まれる。単独の大型経済指標の発表は確認されていない。
  • 続く9/1(火、米国時間。日本時間では9/1夜〜9/2未明)には、ISM製造業景況指数(8月)・JOLTS(職業紹介・労働移動調査)・7月建設支出が発表されるほか、G20テック関連会合の初日(イーロン・マスク氏、デビッド・サックス氏、ディナ・パウエル・マコーミック氏がオンライン登壇)が予定されている。
  • 9/2(水)はADP全国雇用統計・ベージュブックに加え、G20テック会合2日目(エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、オープンエーアイのサム・アルトマンCEOが対面登壇)、デル・テクノロジーズの決算発表が重なる。
  • 9/4(金)の8月分雇用統計(市場予想: 非農業部門雇用者数プラス5万8千人、失業率4.1%、平均時給前月比0.3%増)が、9月FOMCの利上げ観測を左右する今週最大のイベントになる見通し。 出典: CNBC、Axios