前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 東京市場が本日午前9時に取引を再開する。前回レポート(8/30)時点では「休場中で31日に再開予定」という予告段階だったが、実際に本日から新規の値動きが観測される局面に入った。
  • G20財務相・中央銀行総裁会議(米ノースカロライナ州)が本日8月31日〜9月1日の日程で開幕する。前回時点では日程判明のみだったが、本日実際に開催日を迎え、片山財務相とベッセント米財務長官による為替協議が焦点になる(ダイヤモンドZAi)。
  • 8月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)が前年同月比1.8%上昇となり、市場予想と一致した。生鮮食品・エネルギーを除くコアはやや鈍化した一方、サービス価格は2%超で高止まりしており、前回レポートでは触れていなかった新規の指標が9月の日銀利上げ観測を補強する形になった(日本経済新聞)。
  • 本日午前8時50分に7月の鉱工業生産・商業動態統計(速報)が経済産業省から発表される。前回レポートでは言及のなかった新規の国内経済指標イベント(経済産業省)。
  • 大証の日経平均先物(9月限)夜間取引は、前回時点の軟化(65,830円前後)からさらに戻りが鈍く、テクニカル面では一目均衡表の転換線が週明けに大きく低下する点への注意が新たに指摘された。10日移動平均線66,442円、転換線66,851円、雲上限66,903円が上値を抑える形になっている(外為どっとコム)。

昨日と同じこと(継続)

  • ドル円は160円接近の水準で高止まりが継続。
  • 日米長期金利の上昇基調は継続(日本の10年国債利回りは前回時点の2.925%を参照)。
  • 日銀9月利上げ観測の高水準は継続し、今回のコアCPI・サービス価格の底堅さでむしろ補強された。
  • 東証グロース市場250指数のRSI(14日)高止まり(前回80.22)による過熱感への警戒は継続。
  • AI・半導体からSaaS・ソフトウェア、さらにバリュー株への物色シフトという構図は継続。

要因の連続性

  • 継続要因: 円安・ドル高基調、日米長期金利の上昇基調、AI・半導体からソフトウェア/バリュー株への資金シフトの構図、日銀9月利上げ観測の高止まり。
  • 新規要因: 東京都区部コアCPIのサービス価格の底堅さが日銀利上げ観測を補強する材料として新たに加わった、本日のG20財務相会議の開幕そのもの、本日8時50分発表予定の7月鉱工業生産・商業動態統計、一目均衡表の転換線が週明けに大きく低下するという新たなテクニカル警戒。
  • 解消した要因: 「市場休場のため新規材料なし」という前回までの状態は解消され、本日の取引再開に伴い実際の値動き・新規発表が観測される局面に移行した。前回最大の注目材料だった「ウォーシュ議長講演後の反応待ち」は一段落し、本日のG20・国内経済指標・週内の日銀高田審議委員発言待ちに置き換わった。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 66,405.56円 +273.58円 +0.41%
TOPIX 4,146.71pt +29.49pt +0.72%
東証グロース市場250指数 823.16pt +25.20pt +3.16%

(いずれも前営業日8月28日(金)終値。本レポート作成時点(本日午前・寄り付き前)では8月31日の新規取引はまだ発生していない。出典: 財経新聞)

2. 指数別動向

日経225

前営業日(8/28)終値は66,405.56円(+0.41%)。寄り付き前時点で参照できる大証の日経平均先物(9月限)夜間取引は、ウォーシュFRB議長講演後の米長期金利上昇を引き継いだ形で65,830円前後(前日清算値比おおむね▲620円)まで軟化しており、本日の現物市場もこの水準を引き継いだ上値の重い始まりが意識される。テクニカル面では10日移動平均線66,442円や一目均衡表の転換線66,851円、雲上限66,903円が上値の抵抗として意識される一方、週明けは転換線が大きく低下するため下振れにも注意が必要と指摘されている(外為どっとコム、nikkei225jp.com)。

グロース市場250指数

前営業日終値823.16(+3.16%)。RSI(14日)は前営業日時点で80.22と「買われすぎ」水準が続いており、本日の取引再開後に過熱感の解消(調整)が意識されるか、あるいはSaaS関連への資金流入が続くかが焦点になる(投資の森)。

補足: TOPIX

前営業日終値4,146.71(+0.72%)。9月中間期末の権利取りを見据えたバリュー株シフト論が続いており、本日以降もグロース株との資金の綱引きが注目される(財経新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 前回に続き、野村證券ストラテジストの日経平均見通し(2026年末7万円・2027年末7万3,000円・2028年末7万6,000円)は、AI投資拡大・半導体需要の長期増加基調を根拠に有効な強気見通しとして報道が継続している(野村ウェルスタイル)。
  • 外為どっとコムは9月第1週について「底堅い展開を予想」とし、TOPIXやグロース市場250指数など物色対象の広がりを根拠に、下値が拾われやすいとの見方を前回に続き示している(前回既報)。

弱気派

  • 財経新聞(国内株式市場見通し): ウォーシュFRB議長講演を受けた米9月利上げ確率の急上昇と、米国株の「9月が最もパフォーマンスの悪化しやすい月」というアノマリーを根拠に、ハイテク株を中心に先行き慎重な姿勢が必要としている(前回に続く弱気論)(財経新聞)。
  • 外為どっとコム(日経平均テクニカル分析): 10日移動平均線に上値を抑えられる展開が続いており、週明けは一目均衡表の転換線が大きく低下するため下振れに注意が必要と指摘。中段保ち合いからの一段安への警戒も残るとしている(外為どっとコム)。
  • 前回に続き、みんかぶの個人投資家による日経平均株価予想は【売り】判定が続いており、目先の調整を警戒する心理が根強い(みんかぶ)。

4. 経済ニュース

経済指標・政策

  • 総務省が発表した8月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比1.8%上昇となり、市場予想と一致した。生鮮食品・エネルギーを除くコア指数は前月の2.0%から1.9%へやや鈍化したものの、電気・ガス料金補助金の再開が押し下げ要因となった一方、サービス価格は2%を明確に上回る水準で定着しつつあり、日銀の9月利上げ観測を支える内容と受け止められている(日本経済新聞)。
  • 本日午前8時50分に、経済産業省から7月分の鉱工業生産指数・商業動態統計(いずれも速報)が発表される予定。前月まで生産は2カ月連続でプラスとなっており、結果が市場予想と一致するかが東京市場の寄り付き後の材料になり得る(経済産業省)。
  • G20財務相・中央銀行総裁会議が本日8月31日〜9月1日(米東部時間、ノースカロライナ州)の日程で開幕する。片山さつき財務相とベッセント米財務長官が会談し、7月30日の日米協調介入の効果や世界的な長期金利上昇について意見交換する見通し(ダイヤモンドZAi)。

注目された個別銘柄

本日はまだ新規の値動きが発生していないため、前営業日(8/28)時点の構図を引き継ぐ形になる見通し。SaaS・ソフトウェア関連(インフォマート、サイボウズ、Sansanなど)が値上がり上位、メモリー関連のキオクシアHDが値下がり上位という構図が、本日の物色動向にも引き継がれるかが焦点(前回既報)(財経新聞)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

前回既報のとおり、日銀の高田創審議委員が9月2日(水)に札幌で講演、翌3日(木)に記者会見を行う予定で、9月17〜18日の金融政策決定会合を控えたタカ派/ハト派の発言内容が注目材料となる。本日発表の東京都区部コアCPIでサービス価格の底堅さが確認されたことで、9月利上げ観測は引き続き高水準で推移しているとみられる(日本経済新聞)。

金利

日本の長期金利(新発10年国債利回り)は前営業日時点で2.925%と、1996年以来の水準での推移が続いている。米側ではウォーシュFRB議長講演を受けた米長期金利の上昇観測が強く、本日以降の米経済指標(9月1日ISM製造業、9月4日雇用統計)次第で日米金利差を通じた波及が意識される(財経新聞)。

為替

ドル円は週末にかけて160円台に接近・到達した水準を引き継ぎ、本日午前時点でも159円台後半〜160円近辺での高止まりが続いているとみられる。今週の予想レンジは157円台後半〜161円台前半とされ、9月4日の米雇用統計と本日開幕のG20財務相会議での日米協議が次の材料として注目されている。日本側では東京都区部コアCPIのサービス価格の底堅さが日銀の追加利上げ観測を支え、ドル円の上値を抑える材料になるとの指摘もある(外為どっとコム、ダイヤモンドZAi)。

6. テクニカル分析

日経225

  • 移動平均線: 前営業日(8/28)時点で10日移動平均線66,442円、25日移動平均線65,632円、100日移動平均線64,537円、200日移動平均線65,603円前後(前営業日終値66,405.56円は10日線をやや下回る水準)。75日移動平均線は本日時点で確認できる出典が見つからなかったため割愛する(外為どっとコム)。
  • RSI: RSI(14日)は前営業日時点で53.91と中立圏。過熱・売られすぎのいずれの水準でもないとされる(投資の森)。
  • サポート・レジスタンス: 上値は一目均衡表の転換線66,851円・雲上限66,903円、心理的節目の68,000〜69,000円が目安とされる。下値は25日移動平均線65,632円、心理的節目63,000〜62,000円が目安とされる。夜間先物が65,830円前後まで軟化しており、本日はまず25日移動平均線近辺が最初の攻防ラインになるとみられる(断定的な予測ではなく参考情報)(外為どっとコム)。

グロース市場250指数

  • RSI(14日): 前営業日時点で80.22の「買われすぎ」水準が続いている。過熱感の解消(調整)が本日以降の取引再開でいつ起きるかが引き続き焦点(投資の森)。

7. 本日の注目点

  • 本日午前9時に東京市場の取引が再開される。
  • 午前8時50分に経済産業省から7月分の鉱工業生産指数・商業動態統計(速報)が発表される(経済産業省)。
  • 本日8月31日〜9月1日(米東部時間)にG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、片山財務相・ベッセント財務長官の会談で為替・金利動向が議題になる見通し(ダイヤモンドZAi)。
  • 9月2日(水)に日銀・高田創審議委員が札幌で講演、翌3日(木)に記者会見。9月会合を占う発言として注目(前回既報)。
  • 米国では9月1日にISM製造業景況指数・JOLTS求人件数、9月2日にADP雇用統計、9月4日に8月雇用統計が予定されている(外為どっとコム)。
  • 今週(8/31〜9/4)の日経平均は既報の6万4,000〜6万9,000円のレンジ予想を軸に、67,000円台の回復可否とグロース株の過熱感調整の有無が焦点となる(前回既報)。
  • 本レポート作成時点(寄り付き前)で、本日8月31日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。