前日からの変化

前回レポートなし(比較対象なし)

今週の概観

高市内閣は今週(8/19〜8/25)、外交面でトルコ・英国の首脳と相次いで電話会談を行い、中東情勢や防衛・先端技術分野での協力を確認した。一方、米国によるICC(国際刑事裁判所)への制裁措置には抑制的な表現で遺憾の意を示し、対米関係への配慮をにじませた。国内では、7月末の熊本地震と8月中旬の千葉豪雨への対応が引き続き最重要課題であり、21日の対策本部会議での指示を経て、25日の閣議で被災中小企業向けの金融支援特別措置を決定した。同日の閣議では人事院勧告(国家公務員給与引き上げ)の報告も受けている。また、9月中下旬に内閣改造・自民党役員人事を行う方向との報道もあったが、8月25日時点で政府としての正式決定は確認できなかった。

閣議決定・閣議了解

熊本地震の被災中小企業向け金融支援特別措置(8月25日)

政府は25日の閣議で、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づき、熊本地震で被害を受けた熊本県八代市・宇城市・御船町・嘉島町・氷川町の中小企業者等向けに、(1)中小企業信用保険の特例(一般保証・セーフティネット保証とは別枠で、借入債務額の100%を保証)、(2)日本政策金融公庫・沖縄振興開発金融公庫による災害復旧貸付の金利を基準金利から0.9パーセント引き下げる措置、を決定した。優遇の貸付上限は1事業者あたり1000万円(中小企業団体は3000万円)、対象は2027年2月27日までに行われる融資で、適用期間は貸付後3年間。地震発生(7月28日)から1か月近くが経過し、資金繰りに窮する被災事業者を下支えする狙い。(出典: 経済産業省 - 令和8年熊本地震による災害が激甚災害として指定されたことに伴い、追加の被災中小企業・小規模事業者対策を講じます)(出典: 首相官邸 - 令和8年8月25日定例閣議案件)

政令改正(8月25日)

同日の閣議では、熊本地震の激甚災害指定に関する政令改正のほか、出入国管理及び難民認定法の施行期日を定める政令・同施行令の一部改正、自衛隊法施行令の一部改正、デジタル庁組織令の一部改正、地方自治法施行令・公職選挙法施行令の一部改正、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律施行令の一部改正、が決定された。いずれも既存法令の運用に関わる技術的な改正で、各改正の具体的な内容(何が変わるか)までは一次情報の項目一覧からは確認できなかった。(出典: 首相官邸 - 令和8年8月25日定例閣議案件)

恩赦(8月25日)

同日の閣議で「恩赦について」の決定が行われたことが官邸の閣議案件一覧に記載されている。対象人数や事由など詳細は公表情報からは確認できなかった。(出典: 首相官邸 - 令和8年8月25日定例閣議案件)

人事(8月25日)

ウクライナ大使の信任状認証および前任大使の解任状認証、特命全権大使遠藤和也氏の免職、各府省幹部職員の任免などが決定された。(出典: 首相官邸 - 令和8年8月25日定例閣議案件)

人事院勧告の報告(8月25日)

国家公務員の月例給を平均1万5056円(3.51パーセント)、ボーナス(期末・勤勉手当)を年間4.70か月分に引き上げるとする人事院勧告(8月7日発表、5年連続の引き上げ)が、25日の閣議に報告された。民間の賃上げ動向を反映したもので、初任給は一律9500円の引き上げとなる。政府がこれをどう取り扱うか(給与法改正など)は今後の判断となる。(出典: 時事通信 - 国家公務員の月給・ボーナス増額へ 5年連続、民間の賃上げ反映)

外交の動き

日トルコ首脳電話会談(8月19日)

高市首相はトルコのエルドアン大統領と電話会談を行った。イラン情勢を巡り、ホルムズ海峡(ペルシャ湾と外洋を結ぶ、原油輸送の要衝となる海峡)の自由で安全な航行の確保が重要との認識で一致。高市首相は仲介役を担ってきたトルコの役割を高く評価し、日本としても国際社会と連携して外交努力を続ける考えを伝えた。教育・安全保障・経済など幅広い分野で日トルコの戦略的パートナーシップを強化していくことでも一致した。(出典: 首相官邸 - 日・トルコ首脳電話会談)(出典: テレビ朝日系(ANN)/Yahoo!ニュース - 高市総理 トルコ大統領と電話会談 ホルムズ海峡の自由で安全な航行確保が重要)

日英首脳電話会談(8月20日)

高市首相は、7月に就任した英国のバーナム首相と初めて電話会談を行った(16時から約30分間)。日本・英国・イタリアの3か国で進める次期戦闘機開発計画「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」を含む、安全保障・先端技術・経済安全保障分野の協力を引き続き推進することで一致。高市首相はバーナム首相の就任に祝意を伝えるとともに、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分だとの認識を共有した。(出典: 首相官邸 - 日英首脳電話会談)(出典: 産経新聞/Yahoo!ニュース - 高市首相、英国のバーナム首相と初の電話会談 次期戦闘機開発、経済安保協力の推進で一致)

米国のICC制裁への対応(8月19日)

米トランプ政権が8月18日、ICC(国際刑事裁判所。戦争犯罪など重大犯罪を裁く常設の国際法廷)の赤根智子所長らを制裁対象に指定したと発表した。これを受け外務省は「ICCを一貫して支持してきた立場から、大変残念」との報道官談話を発表。高市首相も19日、記者団に「大変残念に思っている。米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応していく」と述べた。所長が日本人である中での米国の制裁措置に対し、日本政府は対米関係にも配慮しつつ抑制的な表現で対応した。(出典: 外務省 - 国際刑事裁判所(ICC)に対する米国の制裁(外務報道官談話))(出典: 時事通信 - ICC所長制裁「大変残念」 高市首相)(出典: 日本経済新聞 - 高市早苗首相、ICC赤根智子所長への制裁「大変残念」 米国と意思疎通を継続)

首相の決断・判断

熊本地震・千葉豪雨への対応指示(8月21日)

高市首相は21日、官邸で第12回令和8年熊本地震非常災害対策本部会議・第2回令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議に出席した。熊本地震(7月28日発生)は発災から3週間以上が経過し、夏の暑さと長引く避難生活で被災者の精神的・体力的負担が増していることに触れ、各閣僚に対し被災者の声を的確に把握し先手・先手で対応するよう指示した。具体的には、個人所有の井戸の復旧を災害救助費などにより新たに支援できるようにすること、JR九州や肥薩おれんじ鉄道の全線復旧を推進すること、農林水産分野の被害への対応などを指示している。(出典: 首相官邸 - 令和8年熊本地震非常災害対策本部会議・令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議)(出典: 政府広報オンライン - 令和8年熊本地震非常災害対策本部会議・令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議-令和8年8月21日)

その他の政府の動き

内閣改造・自民党役員人事の観測(報道ベース、未決定)

NHKや時事通信などの報道によると、高市首相は内閣改造・自民党役員人事を9月中下旬に実施する方向で調整しているとされ、木原官房長官の続投が有力、日本維新の会からの入閣も検討されていると報じられている。9月22日開幕の国連総会に合わせた首相訪米日程との兼ね合いも指摘されている。木原官房長官は24日の記者会見で、実施時期や人事の内容について「首相が決める」と述べるにとどめ、具体的な言及を避けた。これは報道機関による観測であり、8月25日時点で政府として正式に決定した事実ではない点に注意が必要。(出典: NHKニュース - 木原官房長官 内閣改造・自民党役員人事「高市首相が決める」)(出典: 時事通信 - 内閣改造、9月中下旬で調整 木原官房長官の続投有力)

参考リンク