前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 変化: 前回(9/9付、9/8の取引を報告)は円が152円台まで急伸し輸出関連株中心に日経平均が1,130.51円安(-1.70%)と急落したが、本日は続落ながら下げ幅が126.55円安(-0.19%)へ大幅に縮小し、65,142.78円で着地した(日本経済新聞)。
  • 新規: 為替は前回時点の152円台からいったん153円台後半〜154円台まで戻す場面もあり、急激な円高進行は一服した。日銀の早期利上げ観測は消えていないものの、円の一方向的な急伸という前回の株安材料そのものは後退した(外為どっとコム)。
  • 新規: 前回は半導体・AI関連株が指数全体の下落の中での相対的な底堅さにとどまっていたが、本日は米コーニングとベライゾンの光ファイバー長期契約、米クアルコムとアマゾンのAIデータセンター向け半導体供給提携という具体的な材料が加わり、電線株や半導体関連株への物色が改めて強まった(財経新聞)。
  • 新規: ライフコーポレーションがアルビスに1株3,780円(前日終値比51%プレミアム)でTOBを実施すると発表し、アルビス株がストップ高となる新規の個別材料が出現した(THE GOLD ONLINE)。

昨日と同じこと(継続)

  • 日経平均は2営業日連続の下落となり、地合いの弱さそのものは継続している(日本経済新聞)。
  • 東証グロース市場250指数は783.76ptで小幅続落し、金利敏感な新興株の上値の重さは前回から続いている(日本経済新聞)。
  • 9月17・18日の日銀金融政策決定会合待ちのムードは変わらず市場の中心的な関心事であり続けている。

要因の連続性

  • 継続要因: 日銀9月利上げ観測(依然として高水準)、米長期金利・中東情勢緊迫化による原油高警戒、金利敏感なグロース株への重荷。
  • 新規要因: (1) 米コーニング・ベライゾンの光ファイバー契約や米クアルコム・アマゾンのAIデータセンター向け半導体提携という具体的な好材料、(2) ライフコーポレーションによるアルビスTOB発表という個別材料、(3) 野村證券が指摘する「円高が定着すれば製造業の業績下方修正圧力になりうる」という新たな懸念材料。
  • 解消した要因: 前回の急激な円高進行(152円台への急伸)そのものは一服し、株式相場全体を売り一色にする力は後退した。日経平均の下落ペースも前日の-1.70%から-0.19%へ大きく鈍化した(外為どっとコム)。

1. 市況サマリー

指数 終値(9/9) 前日比 騰落率
日経平均株価 65,142.78円 -126.55円 -0.19%
TOPIX 4,046.64pt -3.69pt -0.09%
東証グロース市場250指数 783.76pt -3.30pt -0.42%

3指数そろって小幅続落となったが、いずれも前日(9/8)の急落と比べ値動きは大きく落ち着いた(日本経済新聞、日本経済新聞、日本経済新聞)。

2. 指数別動向

日経225

朝方は米国のAI・半導体株高を受けて買いが先行し、一時500円超上昇する場面もあった。しかし後場に入ると中東情勢の緊迫化を背景に原油先物が急騰し、インフレ再燃や日銀の利上げペース加速への警戒感が広がったことで相場は下げに転じ、終値は126.55円安の65,142.78円となった。東証プライムでは全体の約6割の銘柄が値下がりし、非鉄金属・石油石炭・鉱業など16業種が上昇した一方、証券商品先物・サービス・小売・保険など17業種が下落した(日本経済新聞、財経新聞)。

グロース市場250指数

783.76pt(前日比3.30pt安、-0.42%)と小幅ながら続落した。先物は前営業日比ほぼ変わらずの785pt(高値792pt、安値780pt)で方向感の乏しいもみ合いに終始し、新規の材料難の中で様子見ムードが優勢だった。日本の長期金利が高水準で推移していることが、金利敏感な新興株の重荷として引き続き意識されている(日本経済新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 株探ニュースのテクニカルアナリスト・伊藤智洋氏は、9月3日安値(63,772円)を維持できれば下値の堅い展開に移行するとのシナリオを示している(株探ニュース)。
  • 財経新聞は、米コーニングとベライゾンの光ファイバー長期契約、米クアルコムとアマゾンのAIデータセンター向け半導体供給提携が相場の支援材料になったと分析し、半導体・AI関連株への資金流入が続く構図を指摘した(財経新聞)。

弱気派

  • 伊藤智洋氏は同時に、前日高値(66,791円)が強い抵抗となり、目先6万2,000円以下まで一気に下押しする展開もありうると警告している(株探ニュース)。
  • 野村證券チーフ為替ストラテジストの後藤祐二朗氏は、円が一時152円台まで急伸したことで「相場が転換点を迎えた」との見方が強まりつつあるとし、日銀が9月会合で利上げしその後も3カ月に1回程度のペースで利上げするとの見方が広がれば、製造業を中心に業績予想の下方修正圧力が強まり、日本株にとって短期的な逆風になりうると指摘した(NOMURAウェルスタイル)。

4. 経済ニュース

経済指標・政策

  • 前日発表された4-6月期GDP改定値・7月の実質賃金統計は既に材料として消化されており、本日はこれに続く新たな経済指標の結果発表はなかった。
  • 日本銀行は本日8時50分に8月の企業物価指数(国内企業物価指数)を公表予定で、7月速報は前年比7.2%増となっており、伸びの加速・鈍化の有無が注目される(日本銀行)。
  • 米国では本日、8月の生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、来週にかけて米消費者物価指数(CPI)も控えることから、日米の金利差を通じてドル円相場に影響しうるとみられている(みんかぶFX/為替)。

注目された個別銘柄

  • アルビス: ストップ高(前日比20.00%高の3,000円)。ライフコーポレーションが1株3,780円(前日終値比51%プレミアム)でTOBを実施すると発表し、成立後は非公開化・東証プライム上場廃止を目指す(THE GOLD ONLINE)。
  • 古河電気工業: 前日比12.63%高(4,129円、値上がり率2位)。米コーニング・ベライゾンの光ファイバー長期契約を受けた関連銘柄への物色が波及した(財経新聞)。
  • 住友ベークライト: 前日比11.01%高(7,660円、値上がり率3位)(THE GOLD ONLINE)。
  • アドバンテスト: 軟調な値動きとなった。前日までの急激な円高進行の影響が引き続き重荷となったとみられる(日本経済新聞)。
  • ソフトバンクグループなど半導体株・AI関連株: 米半導体株高を受けた見直し買いが続き、下落した市場全体の中で相対的な底堅さを保った(財経新聞)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

9月17・18日の金融政策決定会合が引き続き最大の焦点。日本銀行の公表予定によれば、9月10日中に政策委員会メンバーによる公式行事が行われ、その内容に関する記者会見が9月11日に予定されている。会合を前に、要人発言の一つひとつが利上げ観測を左右する材料として注視されやすい状況が続いている(日本銀行)。

金利

新発10年国債利回りは高水準での推移が続いているとみられ、日銀の早期利上げ観測が長期金利の下支え要因になっている(前回からの大幅な変化は確認できず)。

為替

ドル円は前日(9/8)に一時152円88銭と約半年ぶりの水準まで急伸した後、原油高を手がかりにした米金利上昇でドルが買い戻され、本日は153円台後半を中心に推移している。野村證券の後藤祐二朗氏は、2026年末の見通しを154円に据え置きつつも、日銀の利上げ観測の高まりや米利上げ期待の後退を背景に下振れリスクへの警戒が必要だと指摘した。急激な一方向の円高進行は一服したものの、152円台への急伸自体が「相場の転換点」を示した可能性があるとの見方が広がっている(NOMURAウェルスタイル)。

6. テクニカル分析

日経225

終値ベースで続落し、取引時間中に戻りを試す場面があったものの、下向きで推移する10日移動平均線(65,543円)に上値を抑えられ、マイナス圏に押し戻される展開となった。50日移動平均線(66,346円)、75日移動平均線(66,823円)、一目均衡表の雲の上限(66,640円)はいずれもまだ上抜けできておらず、上値の重い状態が続いている。RSI(9日)は41.6%で前日から横ばいとなり、売られ過ぎ・買われ過ぎのいずれでもない中立圏にとどまっている。8月14日高値(69,608円)を起点とする上値抵抗線と、8月19日安値(65,133円)を起点とする下値支持線が収れんする三角保ち合いのパターンを形成しつつあり、方向感が出るまでは日柄調整が続くとみられる。上値のメドは68,000円・69,000円・71,000円、下値のメドは65,000円・64,000円・9月3日安値(63,772円)・62,000円台とされている(外為どっとコム)。

グロース市場250指数

783.76ptと小幅続落し、先物も785pt近辺でのもみ合いにとどまった。200日移動平均線を割り込んで手仕舞い売りを誘われる銘柄も引き続きみられ、上値の重さが意識されている。新興株は金利敏感な銘柄が多く、日本の長期金利が高水準で推移する限り、上値の重さが残りやすい状況に変化はない(日本経済新聞)。

7. 本日の注目点

  • 8時50分に8月の企業物価指数(国内企業物価指数)が発表される。7月は前年比7.2%増となっており、伸びの動向が日銀の利上げ観測に影響しうる(日本銀行)。
  • 米国では8月の生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、来週の米消費者物価指数(CPI)と合わせて日米の金利差・ドル円相場を通じて東京市場のセンチメントに影響しうる(みんかぶFX/為替)。
  • 日経平均は10日移動平均線(65,543円)に上値を抑えられており、これを上回れるかが目先の焦点となる(外為どっとコム)。
  • 9月17・18日の日銀金融政策決定会合を控え、政策委員会メンバーの公式行事・発言内容が次の相場材料として引き続き注目される(日本銀行)。
  • 中東情勢の緊迫化と原油価格の動向が、米長期金利・ドル円を通じて東京市場のセンチメントに引き続き影響しうる(財経新聞)。