前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 東京市場が本日9時に取引を再開し、日経平均株価は前週末比93.63円安(-0.14%)の66,311.93円で引けた。朝方は1,500円超下げる場面もあったが、下値の堅さを意識した買いが入り、この日の高値圏まで下げ幅を縮小した。前回レポート時点の「取引再開予告」段階から、実際の値動きが観測される新しい局面に入った(財経新聞)。
  • 下落の主因は、ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演を受けた米早期利上げ観測の急上昇で、米SOX指数が3.5%安、エヌビディアが4.5%安となったことの波及。国内ではアドバンテスト・TDKの2銘柄で日経平均を約398円押し下げた(取引時間中には一時アドバンテスト・東京エレクトロンの2銘柄で約721円押し下げる場面もあった)。前回レポートで触れていなかった新規の下落要因。 出典: 財経新聞(半導体株安)、財経新聞(寄与度)
  • 一方でTOPIXは前日比9.58ポイント高(+0.23%)の4,156.29と8営業日続伸し、業種別では電力・ガス株が首位となった。日経平均が半導体株安で下げる一方、TOPIXは内需・バリュー株中心に底堅さを見せる「ねじれ」が新たに生じた(世界一やさしい投資の学校)。
  • 東証グロース市場250指数は812.04(-11.12)と6営業日ぶりに反落した。前回レポートで指摘したRSI80超の「買われすぎ」水準からの過熱感解消(利益確定売り)と、投資家心理の悪化が重なった(財経新聞)。
  • 経済産業省が発表した7月の鉱工業生産指数(速報)は前月比+0.1%と、市場予想(ブルームバーグ調査で-0.7%)に反して4カ月連続のプラスとなった。生産用機械工業、無機・有機化学工業などの増産が押し上げ要因で、経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。前回レポートでは発表前の予告のみだったが、本日結果が判明した(大和総研)。
  • ドル円は日米協調介入後初めて160円台を回復し、160.20円まで上昇後160.09円で引けた(米国市場)。前回レポート時点の「159円台後半〜160円近辺で高止まり」からさらに一段切り上がり、為替介入への警戒感が強まっている。財務省は7月30日〜8月26日の介入総額が15兆3,993億円と月次ベースで過去最大だったと発表した。新規の具体的な金額情報。 出典: 外為どっとコム、Investing.com
  • G20財務相・中央銀行総裁会議が米東部時間8月31日〜9月1日の日程で開幕し、片山財務相とベッセント財務長官の会談が行われる見通しとなった。前回時点の「開催予定」から、実際の会談実施段階に進んだ。ベッセント長官は「円相場は無秩序な動きではなく、かなり抑制されている」との認識を示しつつ、日銀の「適切な対応」に期待を表明した。 出典: 日本経済新聞

昨日と同じこと(継続)

  • 日銀9月利上げ観測(9月17〜18日会合)の高水準は継続。高田創審議委員が9月2日に札幌で講演、翌3日に記者会見を行う予定に変更はない。
  • AI・半導体からバリュー株・内需株への物色シフトという構図は、本日のTOPIX(電力・ガス首位)と日経平均(半導体株安)の明暗という形でむしろ具体化して継続している。
  • 日本の長期金利(10年国債利回り)は2.92〜2.95%前後(1996年以来の水準)で高止まりが続いている。

要因の連続性

  • 継続要因: 円安・ドル高基調、日米長期金利の上昇基調、日銀9月利上げ観測、AI・半導体からバリュー株への資金シフトの構図。
  • 新規要因: (1) ウォーシュFRB議長講演を受けた米早期利上げ観測がSOX指数急落という形で国内半導体株に直接波及した、(2) ドル円の160円台回復という新たな節目到達、(3) G20財務相会議での日米為替協議の実施、(4) 7月鉱工業生産の予想上振れという新規の景気指標。
  • 解消した要因: 「市場休場のため新規材料なし」という前回までの状態は解消され、本日の取引再開に伴い実際の値動き・決算材料が観測される局面に移行した。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 66,311.93円 -93.63円 -0.14%
TOPIX 4,156.29pt +9.58pt +0.23%(8営業日続伸)
東証グロース市場250指数 812.04pt -11.12pt 6営業日ぶり反落

出典: 財経新聞、世界一やさしい投資の学校、財経新聞(グロース)

2. 指数別動向

日経225

前週末比93.63円安の66,311.93円で反落した。朝方は米ハイテク株安を嫌気して1,500円超下げる場面があったが、下値の堅さを意識した買いが入り、大引けにかけて下げ幅を縮小してこの日の高値圏で終えた。アドバンテスト・TDKの2銘柄だけで日経平均を約398円押し下げており、ウォーシュ議長講演を受けた米SOX指数急落(-3.5%)・エヌビディア急落(-4.5%)の直接的な波及が明確に確認できた一日だった。 出典: 財経新聞、財経新聞(半導体株安)

グロース市場250指数

812.04(-11.12)で6営業日ぶりに反落した。前回レポートで指摘したRSI80超の「買われすぎ」水準からの過熱感解消と、月末に伴う投資家心理の悪化・機関投資家のリバランス売りが重なった。 出典: 財経新聞

補足: TOPIX

4,156.29(+9.58、+0.23%)で8営業日続伸した。業種別では電力・ガス株が首位となり、日経平均が半導体株安で下げる中でも内需・バリュー株中心の資金流入が続いていることを裏付けた。 出典: 世界一やさしい投資の学校

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 前回に続き、野村證券ストラテジストの日経平均見通し(2026年末7万円・2027年末7万3,000円・2028年末7万6,000円)は、AI投資拡大・半導体需要の長期増加基調を根拠に有効な強気見通しとして報道が継続している(前回既報)。
  • 本日の値動きでは、朝方の大幅安から大引けにかけて下げ幅を縮小した点について、下値の堅さを評価する見方が複数の市場解説で示されている(財経新聞)。

弱気派

  • 半導体株については、米国の早期利上げ観測とSOX指数急落の波及が直接的な下押し要因として作用しており、アドバンテスト・TDK・東京エレクトロンなどAI関連の主力銘柄が軟調な地合いを続けている(財経新聞)。
  • 前回に続き、みんかぶの個人投資家による日経平均株価予想は【売り】判定が続いており、目先の調整を警戒する心理が根強い(前回既報)。

4. 経済ニュース

経済指標・政策

  • 経済産業省が発表した7月の鉱工業生産指数(速報)は前月比+0.1%と、市場予想(-0.7%)に反して4カ月連続のプラスとなった。生産用機械工業・無機有機化学工業の増産が押し上げ要因で、経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。 出典: 大和総研
  • G20財務相・中央銀行総裁会議が8月31日〜9月1日(米東部時間、ノースカロライナ州)の日程で開催され、片山財務相とベッセント財務長官が会談。7月31日の日米協調介入の効果や世界的な長期金利上昇について意見を交わす見通し。ベッセント長官は円相場について「無秩序な動きではない」としつつ、日銀の適切な対応に期待を示した。 出典: 日本経済新聞

注目された個別銘柄

  • アドバンテスト・TDK: 米SOX指数急落・エヌビディア急落の波及を受け大幅安。日経平均を合計約398円押し下げた(取引時間中は東京エレクトロンとの組み合わせで約721円押し下げる場面も)。 出典: 財経新聞
  • 電力・ガス株が業種別上昇率トップとなり、TOPIXの8営業日続伸を支えた。 出典: 世界一やさしい投資の学校

5. 日銀・金利・為替

日銀

日銀の高田創審議委員が9月2日(水)に札幌で講演、翌3日(木)に記者会見を行う予定に変更はない。9月17〜18日の金融政策決定会合を控え、発言内容が引き続き注目される(前回既報)。

金利

日本の長期金利(新発10年国債利回り)は2.92〜2.95%前後と、1996年以来の水準での推移が続いている。米長期金利(10年債4.73〜4.75%前後)との差は依然大きく、日米金利差を通じた円安圧力の構図は変わっていない。

為替

ドル円は日米協調介入後初めて160円台を回復し、8月28日のNY市場で160.20円まで上昇後160.09円で引けた。財務省は7月30日〜8月26日の介入総額が15兆3,993億円(月次ベースで過去最大)だったと発表しており、160円台での攻防が続く中、為替介入への警戒感が一段と強まっている。ベッセント財務長官は「円相場は無秩序な動きではない」との認識を示しつつ、日銀の適切な対応に期待を表明した。G20会合での片山財務相・ベッセント財務長官の会談内容が、今夜以降のドル円の次の方向感を左右する見通し。 出典: 外為どっとコム、Investing.com、日本経済新聞

6. テクニカル分析

日経225

前回レポートで指摘した一目均衡表の転換線・雲上限が上値の抵抗として意識される中、本日は朝方の急落(-1,500円超)から大引けにかけて下げ幅を縮小する展開となった。半導体株の急落が直接の下押し材料となった一方、下値の堅さも同時に確認された一日だった。具体的な移動平均線・RSIの本日確定値は次回レポートで確認する。

グロース市場250指数

前回時点でRSI(14日)80.22の「買われすぎ」水準にあったが、本日6営業日ぶりに反落したことで、過熱感の一部解消が進んだとみられる。

7. 本日の注目点

  • G20財務相・中央銀行総裁会議が本日も継続(米東部時間9月1日まで)。片山財務相・ベッセント財務長官の会談内容と、ドル円160円台での攻防・追加介入の有無が焦点。
  • 9月2日(水)に日銀・高田創審議委員が札幌で講演、翌3日(木)に記者会見(前回既報)。
  • 米国では9月1日にISM製造業景況指数・JOLTS求人件数、9月2日にADP雇用統計、9月4日に8月雇用統計が予定されている。
  • 半導体株(アドバンテスト・TDK・東京エレクトロンなど)が、米SOX指数・エヌビディア株の動向を受けて本日以降も物色の中心になるか、TOPIX主導のバリュー株シフトが続くかが焦点。
  • 本レポート作成時点で、本日9月1日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。