前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • ドル円が159円台後半(前回時点)→一時160円20銭・引け160円09銭へ。前回は「節目の160円が視野に入った」段階だったが、実際に160円台へ突入した(財経新聞、みんかぶFX)。
  • ベッセント米財務長官が8月27日付でウォーレン上院議員宛ての書簡に回答した内容が29日に報じられた。「円相場が無秩序な動きとなれば、日本が保有する米国債ポジションの強制的な巻き戻しを招き、世界の市場を不安定化させかねない」とし、「さらなる協調介入への参加をためらわない」と改めて表明。前回時点では触れられていなかった新規材料(Yahoo!ニュース/Bloomberg)。
  • 大証の日経平均先物(9月限)夜間取引は28日夜に一時66,850円まで買われる場面があったが、ウォーシュ発言を受けた米金利上昇・米ハイテク株の伸び悩みから失速し、29日朝の清算値は65,830円前後(前日清算値比▲620円前後)まで軟化した。月曜の現物市場も上値の重い始まりとなる可能性が意識される(nikkei225jp.com)。
  • G20財務相・中央銀行総裁会議が8月31日〜9月1日(米東部時間、ノースカロライナ州)に開催されることが判明。片山さつき財務相とベッセント米財務長官が会談し、7月30日の日米協調介入の効果や世界的な長期金利上昇について意見交換する見通し。前回時点では言及がなかった新規イベント(ライブドアニュース)。
  • 日銀の公表予定で、高田創審議委員が9月2日に札幌で講演、翌3日に記者会見を行うことが確認された。9月17〜18日の金融政策決定会合を控え、タカ派/ハト派いずれのニュアンスの発言となるかが新たな注目材料として浮上(日本銀行 公表予定)。
  • 来週の日本株見通しに関する新規の記事が複数出そろった。外為どっとコムは「底堅い展開」を予想する一方、財経新聞は「弱気材料優勢」との見方を示すなど、強気・弱気の論点が新たに更新された(外為どっとコム、財経新聞)。

昨日と同じこと(継続)

  • 指数の水準自体は市場休場のため前回(8/28終値)から変わらず。
  • 円安・ドル高基調は継続(むしろ160円台到達でさらに強まった)。
  • 日米長期金利の上昇基調は継続。
  • AI・半導体からSaaS・ソフトウェア、さらにバリュー株への物色シフトという構図は継続。
  • 日銀9月利上げ観測の高水準(市場織り込み約85%、前回時点)は継続。
  • グロース市場250指数のRSI高止まり(前回80.22)による過熱感への警戒は継続。

要因の連続性

  • 継続要因: 円安・ドル高基調、日米長期金利の上昇基調、AI・半導体からソフトウェア/バリュー株への資金シフトの構図、日銀9月利上げ観測の高止まり。
  • 新規要因: ウォーシュFRB議長講演を受けたドル円の160円台到達(前回の「視野に入った」段階から実際の突破へ)、ベッセント米財務長官による協調介入再示唆、G20財務相会議(8/31〜9/1)という具体的日程の判明、日銀・高田審議委員の講演/会見日程(9/2・3)の判明、米国株の「9月パフォーマンスアノマリー」を根拠とする弱気論の台頭、バリュー株シフト論(9月中間期末の権利取り)。
  • 解消した要因: 前回最大の注目材料だった「ウォーシュ議長講演待ち」の様子見ムードは、実際に講演内容とその後の為替反応まで判明したことで一段落し、来週の米雇用統計・G20・高田審議委員発言待ちに置き換わった。前回の「67,000円を上抜けられるか」という上値攻防の論点も、夜間先物が軟化したことで週明けは仕切り直しの様相となっている。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 66,405.56円 +273.58円 +0.41%
TOPIX 4,146.71pt +29.49pt +0.72%
東証グロース市場250指数 823.16pt +25.20pt +3.16%

(いずれも前回と同じ8月28日(金)終値。8月29日・30日は休場のため新規の取引は発生していない。出典: 財経新聞)

2. 指数別動向

日経225

市場休場のため新たな値動きはなく、前回終値66,405.56円(+0.41%)がそのまま据え置かれている。ただし大証の日経平均先物(9月限)夜間取引では、28日夜に米国株高の流れを引き継いで一時66,850円まで買われる場面があった。その後、ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演がタカ派的と受け止められて米長期金利が上昇し、米ハイテク・半導体株の一角が上値を抑えられたことを受けて先物も失速。29日朝の清算値は65,830円前後(前日清算値比おおむね▲620円)まで軟化した。31日(月)の東京市場現物は、この夜間先物の弱含みを引き継いだ上値の重い始まりとなる可能性が意識されている(nikkei225jp.com)。

グロース市場250指数

こちらも休場のため値動きはなく、前回終値823.16(+3.16%)のまま。RSI(14日)は前回80.22で買われすぎ水準が続いており、来週序盤に過熱感の解消(調整)が意識されるか、あるいはバリュー株シフト論の陰でなお資金流入が続くかが焦点になる(投資の森、財経新聞)。

補足: TOPIX

TOPIXも休場のため前回終値4,146.71(+0.72%)のまま変わらず(財経新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 外為どっとコム(来週9月第1週の見通し): 「底堅い展開を予想」とし、TOPIXやグロース市場250指数など物色対象の広がりを根拠に、相場が下げても資金の振り向け先が多く下値は拾われやすいと指摘。SaaS関連銘柄への買いが「新型コロナ時の相場のような復活」の可能性を示唆しているとの見方も紹介している(外為どっとコム)。
  • 前回に続き、野村證券ストラテジストの日経平均見通し(2026年末7万円・2027年末7万3,000円・2028年末7万6,000円)はAI投資拡大・半導体需要の長期増加基調を根拠に有効な強気見通しとして報道が継続している(野村ウェルスタイル)。

弱気派

  • 財経新聞(国内株式市場見通し): 来週は「弱気材料優勢」と指摘。ウォーシュFRB議長の講演が「想定以上にタカ派的」と受け止められ、米9月利上げ確率が50%超に急上昇したこと、米国株には「9月が最もパフォーマンスの悪化しやすい月」というアノマリーがあることを根拠に、ハイテク株を中心に先行き慎重な姿勢が必要だとしている。一方で9月中間期末の権利取りを見据え、グロース株よりバリュー株に相対的な優位性があるとの見方も併せて示している(財経新聞)。
  • ドル円が160円に接近・突破したことで、政府・日本銀行による為替介入への警戒が強まりやすいとの指摘が複数メディアで見られる。無秩序な変動が急な巻き戻し(株安・金利変動)を招くリスクが意識されている(ベッセント財務長官の書簡内容もこの文脈で報じられた)(Yahoo!ニュース/Bloomberg)。
  • 前回に続き、みんかぶの個人投資家による日経平均株価予想は【売り】判定が続いており、目先の調整を警戒する心理が根強い(みんかぶ)。

4. 経済ニュース

経済指標・政策(週末に判明した内容)

  • 28日夜(日本時間)のNY市場では、米8月PMI速報値やミシガン大学消費者信頼感指数の発表後、一時的にドル売りが優勢となる場面もあった。その後、ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演で「FRBの現在の主要な焦点は物価にあるべき」「最近のインフレ指標は必ずしも勇気づけられるものではない」とタカ派的な発言があったことを受けてドル買いが加速し、ドル円は159円41銭(安値)から一時160円20銭(高値)まで上昇、160円09銭で引けた(財経新聞)。
  • ベッセント米財務長官が8月27日付でウォーレン上院議員(民主党)への回答書簡の中で、「円相場が無秩序な動きとなれば、日本が保有する米国債ポジションの強制的な巻き戻しを招き、世界の市場を不安定化させ、最終的に米国の家計・企業の借入コストを押し上げかねない」との認識を示し、「さらなる協調介入への参加をためらわない」と改めて表明した。この発言がドルの上昇に一定のブレーキをかけたとみられる(Yahoo!ニュース/Bloomberg)。
  • G20財務相・中央銀行総裁会議が8月31日〜9月1日(米東部時間、米ノースカロライナ州)に開催される。片山さつき財務相とベッセント米財務長官が会談し、7月30日の日米協調介入の効果検証や、世界的に進む長期金利上昇についても意見交換する見通しと報じられている(ライブドアニュース)。

注目された個別銘柄

市場休場のため新規の値動きはない。前回(8/28)時点でSaaS・ソフトウェア関連(インフォマート、サイボウズ、Sansan)が値上がり上位、メモリー関連のキオクシアHDが値下がり上位だった構図が、来週の物色動向にも引き継がれるかが焦点(詳細は前回レポート8/29版を参照)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

日銀の公表予定で、高田創審議委員が9月2日(水)に札幌で講演を行い、翌3日(木)に記者会見を行うことが確認された。9月17〜18日の金融政策決定会合を控え、タカ派/ハト派いずれのニュアンスの発言となるかが新たな注目材料となる。前回時点で報じられていた、氷見野副総裁講演を受けた市場の9月利上げ織り込み度(約85%)については、週末新たな進展はなく据え置きとみられる(日本銀行 公表予定)。

金利

市場休場のため国内長期金利の新規の動きはない(前回終値2.925%を参照)。一方、米側ではウォーシュ講演を受けて米長期金利の上昇観測が強まっており、来週(9月1日ISM製造業景況指数、9月4日雇用統計)の結果次第で日米金利差を通じて円相場・国内金利にも波及するとみられる(財経新聞)。

為替

28日夜のNY市場でウォーシュFRB議長講演を受けてドル買いが加速し、ドル円は一時160円20銭まで上昇、7月末の日米協調介入以来およそ1カ月ぶりに160円台を回復した(引け160円09銭)。その後、ベッセント財務長官による協調介入再示唆を受けてドルの上昇にはやや歯止めがかかった。160円という節目に接近するほど政府・日銀による為替介入への警戒感が強まりやすく、来週のドル円予想レンジは157円台〜162円(財経新聞)、157円50銭〜160円80銭(外為どっとコム)とされている。9月2日の高田審議委員発言、9月4日の米雇用統計が次の材料として注目されている(財経新聞、外為どっとコム)。

6. テクニカル分析

日経225

  • 移動平均線・RSI: 市場休場のため指標の新規更新はなく、前回値(25日移動平均線65,633円、75日移動平均線66,415円、RSI14日53.91)を参照する状況が続く。ただし大証夜間先物が65,830円前後まで軟化しており、月曜の寄り付きが25日移動平均線(65,633円)に接近する可能性がある点には留意が必要(断定的な予測ではなく参考情報)(投資の森、nikkei225jp.com)。
  • サポート・レジスタンス: 前回同様、上値は心理的節目67,000円・75日移動平均線66,415円前後、下値は5日移動平均線65,959円・25日移動平均線65,633円が目安とされる。夜間先物の軟化を踏まえると、月曜はまず25日移動平均線近辺が最初の攻防ラインになるとみられる。

グロース市場250指数

  • RSI(14日): 市場休場のため新規更新はなく、前回値80.22の「買われすぎ」水準が続いている状況。過熱感の解消(調整)がいつ起きるかが引き続き焦点(投資の森)。

7. 本日の注目点

  • 8月31日(月)に東京市場の取引が再開される。
  • 8月31日〜9月1日(米東部時間)にG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、片山財務相・ベッセント財務長官の会談で為替・金利動向が議題になる見通し(ライブドアニュース)。
  • 9月2日(水)に日銀・高田創審議委員が札幌で講演、翌3日(木)に記者会見。9月会合を占う発言として注目(日本銀行 公表予定)。
  • 米国では9月1日にISM製造業景況指数・JOLTS求人件数、9月2日にADP雇用統計・地区連銀経済報告(べージュブック)、9月4日に8月雇用統計(市場予想: 非農業部門雇用者数+5.5万人、失業率4.1%)が予定されている(外為どっとコム)。
  • 来週(8/31〜9/4)の日経平均予想レンジは、既報の64,000〜69,000円(ダイヤモンド・ザイ)・65,000〜68,000円(外為どっとコム)に加え、「底堅い」との見方(外為どっとコム)と「弱気材料優勢」との見方(財経新聞)が併存している。67,000円台の回復可否とグロース株の過熱感調整の有無が焦点(外為どっとコム、財経新聞)。
  • 9月2日(水)には米ブロードコム・ヒューレット・パッカード・エンタープライズの決算も予定されており、AI関連投資の先行きを占う材料として東京市場にも波及する可能性がある(前回既報)。
  • 本レポート作成時点で、8月31日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。

参考リンク