前日からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 日経平均は66,131.98円→66,405.56円(+273.58円、+0.41%)で反発。前回の「3日ぶり反落」から一転してプラスに転じた(財経新聞)。
  • TOPIXは4,117.22→4,146.71(+29.49pt、+0.72%)で7日続伸、グロース市場250指数は797.96→823.16(+25.20pt、+3.16%)で5日続伸。前回は日経平均のみ反落しTOPIX・グロース250指数が上昇する構図だったが、本日は3指数がそろって上昇した(財経新聞、日本経済新聞)。
  • 日経平均の寄与度は再び様変わり。前回押し下げトップだったアドバンテスト(-263.08)が本日は一転して押し上げトップ(+約159円、リクルートHDと2銘柄で約242円分押し上げ)に浮上した一方、前回押し上げ上位だったキオクシアHD(前回+58.66)が本日は押し下げトップ(-約107円)に転落した。ソフトバンクグループ・フジクラ・イビデン・ファーストリテイリングも前回の押し上げ側から一転して押し下げ上位に入れ替わった(財経新聞)。
  • 前回「28日深夜に予定」だったウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演が実際に行われ、内容が判明。「物価が最重視事項」「金融環境は引き締め的とは言いにくい」「労働市場は完全雇用と整合的」とタカ派的な発言となり、ドル円は159円台後半(節目の160円が視野)、米10年債利回りは一時4.69%まで上昇した(いずれも東京市場の引け後の動き)(kabutan/FISCO)。
  • 前回「28日午前8時30分発表予定」だった東京都区部消費者物価指数(8月分)の結果が判明。生鮮食品を除く総合は前年比+1.8%(市場予想+1.7%を上回る)、総合は+1.9%、生鮮食品とエネルギーを除く総合は+2.0%で、5月の+1.2%から3カ月連続で伸び率が拡大した(日本経済新聞)。
  • 日銀・氷見野副総裁の講演内容についての分析が進み、市場が織り込む9月利上げ確率は約85%に達したと報じられた(前回時点では「地ならし」との受け止めにとどまっていた)(Bloomberg/Yahoo!ニュース)。
  • 新発10年国債利回りは2.869%→2.925%(前日比+3.5bp程度)まで上昇し、前回までの「ほぼ横ばい」から明確な上昇に転じた。弱い2年債入札やインフレ懸念が背景とされる(日本経済新聞)。
  • 日経平均RSI(14日)は52.24→53.91(+1.67)、グロース250指数RSI(14日)は77.15→80.22(+3.07)へさらに上昇し、グロース250指数は80台に乗せ「買われすぎ」の度合いが一段と強まった(投資の森 日経平均RSI、投資の森 グロース250指数RSI)。
  • 日経平均VIは前日比-4.78(-17.05%)の23.25へ大幅低下。前回まで続いていた「高水準で強弱材料が混在」する状態から、株価堅調を受けて警戒感が大きく後退した(財経新聞)。
  • プライム市場の売買代金は7兆8,700億円→8兆1,223億円へさらに増加。値上がり銘柄数も146(前回106)に増え、値下がり(74、前回116)を大きく上回る「買い優勢」の展開に転じた(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。
  • 個別株の物色対象が交代。前回の値上がり上位はレアメタル関連(第一稀元素化学工業)だったが、本日はSaaS・ソフトウェア関連(インフォマート・サイボウズ・Sansan)が値上がり上位を占め、セールスフォースの好決算を受けた「SaaS不要論」払拭が材料視された(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。
  • 野村證券の日経平均見通しに関する報道で、2026年末7万円に加え2027年末7万3,000円・2028年末7万6,000円という複数年の見通しが確認された(野村ウェルスタイル)。

昨日と同じこと(継続)

  • 円安基調は本日も継続し、むしろ強まった(159円29銭〜159円56銭のレンジ。夜間はさらに159円台後半へ)。
  • AI・半導体株の値動きが相場を左右する構図は継続(本日はエヌビディア・セールスフォース決算を受けたソフト・半導体関連の物色が中心)。
  • 日銀9月利上げ観測の高水準は継続し、本日はCPI・氷見野発言の分析でさらに確度が高まった。
  • 米長期金利・日本長期金利の上昇基調は継続。

要因の連続性

  • 継続要因: 円安・ドル高基調、日米長期金利の上昇基調、AI・半導体株の値動きが相場を左右する構図、日銀9月利上げ観測の高止まり。
  • 新規要因: ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演のタカ派的内容(米長期金利・ドル円の一段の上昇要因として新規に加わった)、セールスフォース好決算による「SaaS不要論」払拭でのソフトウェア株物色、東京都区部CPIが市場予想を上回ったことによる9月利上げ確度の上昇(市場織り込み約85%)、弱い米2年債入札によるインフレ・金利上昇懸念。
  • 解消した要因: 前回まで最大の注目材料だった「ジャクソンホール会議・ウォーシュ議長講演待ち」という様子見要因は、実際に講演が行われたことで解消し、来週の米雇用統計(9月4日)待ちに置き換わった。日経平均VIの高止まり(前回30.38)も、本日は株価堅調を受けて23.25まで大幅に低下し、警戒感の後退という形で解消した。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 66,405.56円 +273.58円 +0.41%
TOPIX 4,146.71pt +29.49pt +0.72%
東証グロース市場250指数 823.16pt +25.20pt +3.16%

(いずれも2026年8月28日終値。出典: 財経新聞、日本経済新聞)

2. 指数別動向

日経225

日経平均は前営業日比273円58銭高(+0.41%)の66,405.56円で反発した。前日の米国市場でエヌビディア・セールスフォースの好決算を受けてNYダウなど主要株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、寄り付きは66,104.49円とやや軟調だったが、その後AI・半導体関連やSaaS・ソフトウェア関連への買いが優勢となり、一時66,842.82円(高値)まで上昇し67,000円に迫る場面もあった。ただし、この日23時に予定されたウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演を控えて買い一巡後は様子見姿勢も強まり、上値は限定的となって66,405.56円で取引を終えた。プライム市場全体の売買代金は8兆1,223億円(売買高21億7,700万株)、値上がり146銘柄・値下がり74銘柄・変わらず5銘柄と買い優勢の展開だった(日本経済新聞、Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。

寄与度でみると、押し上げ上位はアドバンテスト(約+159円)、リクルートHD(約+83円)、東京エレクトロン(約+23円)、コナミグループ(約+18円)、TDK(約+18円)で、アドバンテストとリクルートHDの2銘柄で約242円分指数を押し上げた。押し下げ上位はキオクシアHD(約-107円)、フジクラ(約-32円)、ソフトバンクグループ(約-31円)、イビデン(約-25円)、ファーストリテイリング(約-23円)で、メモリー関連銘柄には利益確定売りが優勢となった(財経新聞)。

グロース市場250指数

東証グロース市場250指数は前営業日比25.20pt高(+3.16%)の823.16と大幅反発し、5日続伸となった。セールスフォースの好決算を受けたSaaS・ソフトウェア株への買い戻しが指数全体を押し上げ、日経平均を大きく上回る上昇率となった(財経新聞、Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。

RSI(14日)は80.22で、前日(77.15)からさらに上昇し70を上回る「買われすぎ」の水準がより明確になった。短期的な過熱感への警戒が一段と必要な状況が続いている(投資の森)。

補足: TOPIX

TOPIXは前営業日比29.49pt高(+0.72%)の4,146.71で7日続伸。日経平均・グロース250指数とともに幅広い銘柄への資金流入がみられる展開となった(財経新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 野村證券ストラテジスト: 堅調な需給環境を反映し、日経平均見通しを2026年末7万円・2027年末7万3,000円・2028年末7万6,000円に上方修正。AI投資の拡大や半導体需要の長期的な増加基調を根拠に挙げている(前回に続き有効な見通しとして報道が続く)(野村ウェルスタイル)。
  • ダイヤモンド・ザイ(来週8/31〜9/4の見通し): 米重要イベント通過によるリバウンド期待を根拠に、日経平均は67,000〜67,500円の突破を試す展開になれば69,000円台も視野に入るとの見方を紹介。セールスフォース好決算が「AIでSaaSが不要になる」という懸念を払拭し、ソフトウェア株への買い戻しが活発化している点を強気材料として挙げている(ダイヤモンド・ザイ)。

弱気派

  • みんかぶの個人投資家による株価予想: 日経平均株価について引き続き【売り】判定が続いており、目先の調整を警戒する個人投資家心理が根強い(前回に続く傾向)(みんかぶ)。
  • ダイヤモンド・ザイ(来週8/31〜9/4の見通し): 米長期・超長期金利の上昇がグロース株の上値を抑えているとし、「財政赤字と国債増発、AI投資に伴う社債発行の増加」が金利を押し上げていると指摘。9月4日の米雇用統計が予想以上に悪化すれば景気後退への警戒が強まり株価が下落するリスクもあるとしている(ダイヤモンド・ザイ)。
  • ウォーシュFRB議長のジャクソンホール講演がタカ派的だったことで米金利・ドル高が一段と進み、来週明けにこれがネガティブに受け止められれば「波乱展開となる可能性もある」との見方が示されている(ダイヤモンド・ザイ)。

4. 経済ニュース

経済指標

  • 東京都区部消費者物価指数(8月分、中旬速報値)が28日発表された。生鮮食品を除く総合指数は前年同月比+1.8%で、QUICKまとめの市場予想中央値+1.7%をやや上回った。総合指数は+1.9%、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は+2.0%。5月の+1.2%から3カ月連続で伸び率が拡大しており、日銀の物価目標2%には7カ月連続で届かないものの、上昇圧力が根強いことを示す結果となった。全国CPIの先行指標として、9月の日銀会合での利上げ判断を後押しする材料と受け止められている(日本経済新聞)。

政策・地政学

  • 日本時間28日23時、米ワイオミング州のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が就任後初の講演を行った。「FRBが今もっとも重視すべきなのは物価」「金融環境は引き締め的とは言いにくい」「労働市場は完全雇用と整合的」「基調インフレ率が目標に向かっていると確信できなければ、まだやるべきことがある」などとタカ派的な内容を述べ、明確な利下げ・利上げのフォワードガイダンスは示さなかった。ドル円は159円台後半まで上昇し節目の160円が視野に入り、米10年債利回りは一時4.69%まで上昇した。この講演は東京市場の引け後に行われたため、8月28日の東京市場には直接反映されておらず、来週月曜(8月31日)の東京市場の値動きを左右する材料になるとみられる(kabutan/FISCO、Yahoo!ニュース/ロイター情報BOX)。
  • 日銀・氷見野副総裁の27日の講演内容を受け、市場が織り込む9月利上げの確率は約85%に達したと報じられた。氷見野氏は9月利上げを明示的に「予告」する発言はしなかったものの、「基調的な物価上昇率が2%目標に近づいていることを踏まえ、これまで以上に物価の上振れリスクに注意する必要がある」と強調しており、市場では利上げ確度が一段と高まったとの受け止めが広がっている(Bloomberg/Yahoo!ニュース)。

注目された個別銘柄

  • インフォマート(2492): 東証プライム市場・値上がり率トップ、+80円(+13.22%)の685円(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。
  • サイボウズ(4776): +235円(+7.56%)の3,345円。セールスフォースの好決算を受けたSaaS株買い戻しの代表銘柄(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。
  • Sansan(4443): +136円(+6.24%)の2,315円。サイボウズと並びSaaS株復権の象徴銘柄として買われた(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE)。
  • キオクシアHD(285A): -4,600円(-8.76%)の47,900円。日経平均の押し下げ寄与度トップ(約-107円)でもあり、メモリー関連への利益確定売りが優勢となった(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE、財経新聞)。
  • アドバンテスト(6857): 押し上げ寄与度約+159円で、前日の押し下げ主因から一転して押し上げトップに浮上した(財経新聞)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

日銀は9月17〜18日の金融政策決定会合での利上げ観測が一段と強まっている。27日の氷見野副総裁講演の内容分析が進み、市場が織り込む9月利上げの確率は約85%に達したと報じられた。氷見野氏自身は9月利上げを明示的に「予告」する発言はしなかったが、物価上振れリスクへの言及を強めており、28日発表の東京都区部CPI(生鮮食品除く総合+1.8%、市場予想+1.7%を上回る)も利上げ観測を下支えする結果となった(Bloomberg/Yahoo!ニュース、日本経済新聞)。

金利

新発10年国債利回りは8月28日時点で2.925%(前日2.869%から+5.6bp程度、前日比+3.5bp報道もあり)まで上昇。弱い2年債入札やインフレ懸念が背景とされる。2年債利回り1.691%、5年債利回り2.165%、20年債利回り3.801%と、他年限も総じて上昇した。国債先物(9月限)は126円10銭で取引を終え、前日(126円40銭)から下落した(日本経済新聞、財経新聞)。

為替

ドル円は8月28日の東京時間、米インフレ指標の高止まりとこの日夜のウォーシュFRB議長講演を見据えたドル買いが先行し、朝方159円29銭を付けた後は上昇基調が続き、午後には159円56銭まで値を伸ばした。さらに東京市場引け後の23時、ウォーシュ議長の講演がタカ派的と受け止められ、ドル円は159円台後半まで一段高となり心理的節目の160円が視野に入った。円安基調は前日までよりもむしろ強まっており、輸出株には追い風、内需株・輸入コスト増を意識する銘柄には逆風となる構図が続く(財経新聞、kabutan/FISCO)。

6. テクニカル分析

日経225

  • 移動平均線: 25日移動平均線は65,633円、5日移動平均線は65,959円、75日移動平均線は66,415円に位置し、上下の値幅はおよそ780円。終値66,405.56円は75日線のごく近辺(やや下)にあり、75日線が引き続き上値抵抗として意識される展開が続いている(世界一やさしい投資の学校)。
  • RSI: 14日RSIは53.91で、前日(52.24)からさらに上昇したが、依然として「買われすぎ」「売られすぎ」いずれでもない中立圏にとどまっている(投資の森)。
  • サポート・レジスタンス: 上値のメドは本日高値66,842.82円、その上に75日移動平均線(66,415円前後、実質的にはすでに上抜けを試す位置)、心理的節目の67,000円。下値のメドは5日移動平均線(65,959円)、25日移動平均線(65,633円)。ウォーシュ議長講演を跨いだ持ち高は5日線を割らない範囲にとどめる、との見方が示されている(断定的な売買判断ではなく参考情報)(世界一やさしい投資の学校)。
  • センチメント指標: 日経平均VIは大引け時点で23.25(前日比-4.78、-17.05%)と大幅に低下した。前日までの高水準(30台)から一転して警戒感が大きく後退したことを示唆している(財経新聞)。

グロース市場250指数

  • RSI(14日): 8月28日時点で80.22となり、前日(77.15)からさらに上昇。70を明確に上回る「買われすぎ」の水準が続いており、短期的な過熱感による調整リスクには引き続き留意が必要な状況である(投資の森)。
  • 指数自体は3.16%高と大幅に上昇し、SaaS・ソフトウェア株への資金流入が続いた。RSIの高止まりが続いており、過熱感の解消(調整)がいつ起きるかが焦点になりつつある。

7. 本日の注目点

  • 8月29日(土)・30日(日)は東京市場は休場。次回取引は8月31日(月)となる。
  • 来週最大の注目材料は、日本時間9月4日(金)夜に発表される米8月雇用統計。ウォーシュFRB議長のタカ派的なジャクソンホール講演を受けて米金利・ドル高が進んでおり、雇用統計の内容次第で米金利・ドル円、ひいては東京市場の値動きが大きく左右されるとみられる。9月1日にISM製造業景況指数、9月2日にADP雇用統計・べージュブックも予定されている(ダイヤモンド・ザイ)。
  • 日経平均は75日移動平均線(66,415円前後)・心理的節目の67,000円を巡る攻防が続いており、来週(8/31〜9/4)の予想レンジは64,000〜69,000円(ダイヤモンド・ザイ)、65,000〜68,000円(外為どっとコム)とされている。67,000〜67,500円を上抜けられるかが焦点で、キオクシア・アドバンテストなど半導体株の値動きにも注目が集まっている(ダイヤモンド・ザイ、外為どっとコム)。
  • 企業決算では、9月2日(水)にブロードコム・ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(米国)の決算が予定されており、AI関連投資の先行きを占う材料として東京市場にも波及する可能性がある(外為どっとコム)。
  • 本レポート作成時点で、8月31日固有の国内決算発表・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。

参考リンク