前日からの変化

比較対象は前回レポート(2026-08-24付、実質的な直近の確定値は2026-08-21〈金〉分)。8月22日(土)・23日(日)の週末を挟み、8月24日(月)に東京市場が通常取引を行ったため、本レポートでは8月24日の確定終値とPREV(8月21日分)との実際の前日比較を行う。

変わったこと(変化・新規)

  • 日経平均は65,528.09円(前日比-488.27円、-0.74%)で続落。66,016.36円(8/21、-0.30%)からさらに下げ幅を拡大した(日本経済新聞)。PREV時点で見込まれていた「先物はほぼ横ばい」という寄り前観測は外れ、実際の取引では下げが加速した。
  • 一方でTOPIXは4,073.29(+6.00pt、+0.15%)、グロース250指数は771.37(+2.90pt、+0.38%)といずれも小幅ながら上昇。特にグロース250指数は前回の-1.10%(768.47)から反発に転じた(日本経済新聞グロース250指数ページ、財経新聞)。
  • PREVで「本日24日の最大の注目材料」としていた米財務長官の対イラン制裁発表は予告通り実施され、「史上最も厳しい制裁」「同盟国に踏み絵を迫る」内容が明らかになった。ただし「大規模な軍事行動の再開は考えにくい」との言及もあり、WTI原油は供給懸念の高まりではなくむしろ1%超安の86ドル台へ下落した(Yahoo!ニュース/ロイター、Investing.com)。
  • 日経平均は日米長期金利上昇に加え、韓国株安(半導体メモリー安)を受けたキオクシアHDなど値がさAI・半導体株の下げが押し下げ要因として新たに強く意識された。寄与度ではアドバンテストが約337円、ソフトバンクGが約225円、キオクシアHDが約79.55円それぞれ日経平均を押し下げた(財経新聞)。
  • プライム市場の売買代金は約7.06兆円と4月以来の低水準に縮小し、市場参加者の様子見ムードが強まった(日本経済新聞)。
  • ドル円は東京時間17時時点で159円15〜17銭(前週末同時刻比+33銭の円安)まで軟化。前回(8/21早朝時点158.96〜159.03円)からさらに円安方向に進んだ(読売新聞/dメニューニュース)。
  • 日銀9月利上げの織り込み確率はOIS市場で約82%に上昇(PREV時点で約8割との報道から微増)(Bloomingbit)。

昨日と同じこと(継続)

  • 日米長期金利の高止まりは継続。国内新発10年債利回りは2.860%で、PREV時点の水準(2.8%台後半)からほぼ横ばい(財経新聞)。
  • 日銀9月利上げ観測が高水準で継続する構図に変化なし。
  • 値がさAI・半導体株(エヌビディア決算待ち)が相場のカギを握る構図は継続。エヌビディアは8月26日(米国時間)に決算発表予定で、市場は売上高ガイダンスがコンセンサス(872億ドル)を上回れるかを注視している(MarketWatch AI)。
  • 円安基調(159円近辺)も継続。

要因の連続性

  • 継続要因: 日米長期金利の高止まり(国内10年債2.86%前後)、日銀9月利上げ観測(1.00%→1.25%、織り込み確率上昇)、値がさAI・半導体株への物色・警戒(エヌビディア決算待ち)、円安基調(159円前後)。
  • 新規要因: 米財務長官による対イラン制裁の具体的発表内容(経済制裁を軸とし同盟国に選択を迫る内容)とそれに伴うWTI原油の下落(供給懸念の後退)、韓国株安を通じた半導体株(キオクシアHD)への売り波及、プライム市場売買代金の急減(様子見ムードの強まり)、グロース市場での内需関連銘柄への物色シフト。
  • 解消した要因: 中東情勢を巡る「大規模な軍事衝突再開」への直接的な懸念は、米財務長官が「軍事行動再開の可能性は低い」と言及したことでいったん後退し、原油価格も高止まりから下落に転じた(ただし経済制裁という新たな摩擦要因自体は残存)。

1. 市況サマリー

指数 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 65,528.09円 -488.27円 -0.74%
TOPIX 4,073.29pt +6.00pt +0.15%
東証グロース市場250指数 771.37pt +2.90pt +0.38%

(いずれも2026年8月24日終値。出典: 日本経済新聞、日本経済新聞グロース250指数ページ)

2. 指数別動向

日経225

日経平均は前営業日比488.27円安(-0.74%)の65,528.09円で続落して取引を終えた。値上がり123銘柄・値下がり97銘柄・変わらず5銘柄。プライム市場の売買代金は約7.06兆円と4月以来の低水準にとどまり、エヌビディア決算やジャクソンホール会議を控えた様子見ムードが広がった(日本経済新聞)。

背景としては、日米長期金利の上昇と中東情勢を巡る不透明感(原油価格の高止まり)により高PERのAI・半導体株が売られたほか、韓国株安がメモリー半導体関連(キオクシアHD)にも波及した。25日移動平均線(65,600円前後)近辺では押し目買いも入り下げ渋る場面もみられた(日本経済新聞)。

寄与度でみると、押し下げ上位はアドバンテスト(約337円押し下げ)、ソフトバンクG(約225円押し下げ)、キオクシアHD(約79.55円押し下げ)の3銘柄。押し上げ上位は東京エレクトロン(約86円押し上げ)、リクルートHD(約61.85円押し上げ)、豊田通商(約13.78円押し上げ)だった(財経新聞)。

グロース市場250指数

東証グロース市場250指数は前営業日比2.90pt高(+0.38%)の771.37で反発した。前日(8/21)の-1.10%からの切り返しとなる(日本経済新聞グロース250指数ページ)。

背景として、(1)週末の米国株高(小売決算の好感)、(2)イラン大統領による軍事衝突終結を求める発言などを受けた中東地政学リスクの後退、(3)プライム市場で半導体・AI関連株が売られる一方、内需関連銘柄への資金シフトが生じたことが挙げられる。日中は利益確定売りを挟みながらも底堅く推移した(財経新聞)。

補足: TOPIX

TOPIXは前営業日比6.00pt高(+0.15%)の4,073.29で小幅続伸。日経平均が値がさAI・半導体株の下げで沈む一方、内需・バリュー株の一角が支えとなり指数間で明暗が分かれた(日本経済新聞)。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • 大塚竜太氏(東洋証券ストラテジスト): 「金利上昇を過度に恐れる必要はなく、リーズナブルな価格で有力株を拾うチャンス」との立場。日経平均の向こう1カ月のレンジは上値7万円・下値6万2000円(上下8000円)を想定し、9月相場も「基本的にはボックス圏往来が続きそう」との見立て。日本郵船、三菱重工業、NEC(防衛関連)、日本製鉄(バリュー株)などに注目(株探/Yahoo!ファイナンス)。
  • 野村證券ストラテジスト(市場戦略リサーチ部): 2026年末の日経平均目標値を70,000円、TOPIXを4,400に上方修正(8月12日発表)。根拠は1Q決算を踏まえたTOPIXのEPS上方修正、年間20〜22兆円規模で持続する自社株買い、根強い個人投資家の買い意欲など需給環境の堅調さ(野村ウェルスタイル)。

弱気派

  • 伊藤智洋氏(株探、8月24日付「日経平均株価・短期シナリオ」): 上値は8月20日高値66,325円で抑えられる可能性を指摘。7月29日安値60,448円を割り込めば8月14日以降の下げ基調が再開し、同水準を目指す展開になる公算とし、当面は8月19日安値65,133円での下値の堅さがカギとした(株探)。
  • 強気派の大塚氏自身も、中東情勢の不透明感が「全体相場の重荷」であり、AI・半導体株の上値は相対的に重いことを弱気材料として認めている(株探/Yahoo!ファイナンス)。

4. 経済ニュース

経済指標

  • 8月24日8時30分、厚生労働省が「毎月勤労統計調査 令和8年6月分」の確報を公表した。同調査の速報値(8月5日公表)では、名目賃金(現金給与総額)が前年同月比+3.4%、実質賃金が+3.4%相当の物価調整後で+1.6%と6カ月連続のプラスだった。8月24日公表の確報における改定幅の詳細は本レポート作成時点で確認できなかった(社会保険労務士PSRネットワーク)。
  • GDP・CPI・貿易統計など他の主要経済指標の発表は8月24日には確認できず、次の貿易統計は8月28日発表予定。

政策・地政学

  • 米財務長官(ベッセント氏)は8月24日、予告通り対イラン追加制裁の詳細を記者会見で発表。「史上最も厳しい制裁」「イラン政権を崩壊させる」と表明し、同盟国に対して「われわれと共にあるのか敵対するのか」の選択を迫る内容だった。一方で「大規模な軍事行動の再開は考えにくい」とも述べた(Yahoo!ニュース/ロイター、TBS NEWS DIG/Yahoo!ニュース)。

注目された個別銘柄

  • 値上がり上位: 松屋(8237、+252円・+10.29%・2,702円)、東洋エンジニアリング(6330、+168円・+7.22%・2,496円)、住友金属鉱山(5713、+715円・+6.64%・11,475円、金・銅相場高が支援)(Yahoo!ニュース/THE GOLD ONLINE、株式ちゃんねる)。
  • 値下がり上位: FIG(4392、-137円・-12.10%・995円)、キオクシアHD(285A、-3,390円・-6.24%・50,930円、韓国半導体株安の波及)、アイ・ピーエス(4390、-235円・-5.78%・3,830円)(株式ちゃんねる、財経新聞)。

5. 日銀・金利・為替

日銀

日銀は9月17〜18日の金融政策決定会合で政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げる観測が引き続き強い。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場が織り込む9月利上げ確率は約82%まで上昇し、来年1月までに2回の利上げが完全に織り込まれている状況。政府も日米協調為替介入の効果を維持する観点から早期利上げを支持する姿勢とされる(Bloomingbit、Bloomberg)。

金利

新発10年国債利回りは8月24日時点で2.860%(その他: 2年債1.662%、5年債2.109%、20年債3.733%)。国債先物は126円59銭で取引を終えた(財経新聞)。

為替

ドル円は8月24日の東京時間17時時点で159円15〜17銭(前週末同時刻比+33銭の円安・ドル高)。欧州勢のドル買いも加わり夕方には159円21銭まで上値を伸ばした。アジア時間早朝には米長期金利低下を受け一時158円71銭まで下落する場面もあった(読売新聞/dメニューニュース、外為どっとコム)。円安は輸出株にはやや追い風となる一方、内需株にはコスト増要因ともなり得る。今週は8月26日の米PCE物価指数、8月28日のウォーシュFRB議長ジャクソンホール講演、同日の米雇用統計ベンチマーク改定が注目される(外為どっとコム)。

6. テクニカル分析

日経225

  • 移動平均線: 5日移動平均は66,081.90円で現在値(65,528.09円)を上回り、50日移動平均は67,692.57円、200日移動平均は65,708.97円。現在値は200日移動平均をわずかに下回る水準にあり、中長期の支持線を試す展開が意識される(投資の森/RSIチャート経由の集計データ)。
  • RSI(14日): 42.98と、買われすぎ・売られすぎのいずれでもない中立圏(50を下回りやや弱含み)を示している(同上)。
  • サポート・レジスタンス: 株探・伊藤智洋氏の分析では、上値レジスタンスは8月20日高値の66,325円、下値サポートは8月19日安値65,133円、これを割り込んだ場合の下値目標は7月29日安値60,448円とされる(株探)。
  • 日経平均VI(恐怖指数): 24日は前日比-0.25(-0.88%)の28.13(高値34.62、安値28.13)へ低下。重要イベント(エヌビディア決算・ジャクソンホール)を控え、取引時間中はなお警戒感が残る水準とされる(財経新聞)。これらの指標を総合すると、日経平均は短期的な過熱感は薄れているものの、上値・下値ともに重要な節目を試す綱引きの局面にあるとされる(断定的な売買判断ではなく、あくまで「そうした水準にある」という参考情報)。

グロース市場250指数

  • RSI(14日): 8月24日時点で77.32となっており、70を上回る「買われすぎ」とされる水準に入っている(投資の森)。
  • 移動平均線の具体的な数値は本レポート作成時点で確認できなかったが、直近の値動きでは757pt〜775pt(先物ベース)のレンジで推移しており、内需関連への資金シフトを背景に底堅さがみられる(財経新聞)。RSIが高水準にあることは、短期的な過熱感による調整リスクにも留意が必要な水準といえる。

7. 本日の注目点

  • 8月26日(米国時間、日本時間27日早朝)にエヌビディアが2027会計年度第2四半期決算を発表予定。売上高ガイダンスは910億ドル(上下2%)を見込むともされ、市場予想(872億ドル)を上回れるかが焦点。結果次第でAI・半導体株を通じ日経平均にも影響が及ぶ可能性(MarketWatch AI)。
  • 8月26日に米PCE物価指数、8月27〜29日にジャクソンホール会議(28日にウォーシュFRB議長講演)、同28日に米雇用統計ベンチマーク改定が予定されており、米金利・ドル円の方向性を左右する材料が集中する週となる(外為どっとコム)。
  • 対イラン制裁の詳細発表を受けた同盟国の対応や原油市場の反応も引き続き注視材料。
  • 本レポート作成時点(8月25日早朝)で、8月25日固有の国内経済指標・大型決算・新規上場に関する確定情報は確認できなかった。

参考リンク