前日からの変化

前回レポート(2026-08-24)との比較。

変わったこと(変化・新規)

  • BTC価格: 前回約77,300〜77,400ドル → 本日、直近ピークは8月24日の79,271.70ドル(3日で約22パーセントの急伸、CNBC報道)。その後79,000〜80,000ドル付近のレジスタンスで反落し、76,600〜78,900ドル台で推移(CoinDesk, CoinDesk Live Updates)。
  • ETH価格: 前回約2,440ドル → 8月21日に一時2,546.78ドルまで上昇後、8月24日時点で2,470〜2,480ドル台へ調整(CoinDesk, cryptonews.net)。ETF資金は8月24日に単日で2億2100万ドルの新規純流入(Yahoo Finance)。
  • XRP価格: 前回約1.50ドル → 本日約1.48〜1.49ドル。先週高値1.70ドルから約13パーセント反落(CoinDesk Live Updates)。
  • SOL価格: 前回約91.6ドル → 本日約94ドル。先週27パーセント反発した後、伸び悩み(CaptainAltcoin)。
  • ZEC価格: 前回一時855ドル(8年ぶり高値) → 本日810〜839ドル台へ反落。利益確定の動き(CoinDesk Live Updates)。
  • Zcash ETF転換(続報・大きな進展): 前回「Grayscaleが5回目の改訂申請書を提出」段階だったものが前進し、NYSE ArcaがZcash ETF Sharesの上場・登録を8月24日付で承認。Grayscaleは8月21日、8月25日前後に「The Zcash ETF」(ティッカー: ZCSH)として取引開始予定と発表した(The Globe and Mail, Crowdfund Insider)。
  • CLARITY法案(続報): Polymarket予測市場での2026年中成立確率は前回16パーセント → 本日17パーセントとほぼ横ばいで低迷継続(KuCoin)。新たに、トランプ大統領が8月20日に議会へ法案可決を促す発言をしたことが判明した(altindex.com)。
  • Fear&Greed指数: 前回66(強欲)→ 本日73前後(強欲)へ上昇(en.cryptonomist.ch)。
  • セキュリティ事件(新規): 8月23日、DeFiプロトコルのTerm Labsがガバナンス機構を悪用され約850万ドル相当(ETH2,843枚、USDC168万枚)が流出(BeInCrypto, CryptoRank)。
  • 強気派の新たな声(新規): Bernsteinはビットコインの弱気材料を「史上最も弱い」と表現し、2026年目標15万ドルを再表明(The Block)。

昨日と同じこと(継続)

  • BTC・ETHとも「深い買われすぎ」というテクニカル状況が継続(BTC日足RSI82超、ETH直近RSI86台)。
  • 米財務省の国債買戻し・緩和的な財政運営姿勢は、引き続き短期急騰の主因として意識されている。
  • CLARITY法案の9月15日上院手続き採決という日程自体は変わらず継続。
  • 日本の改正金融商品取引法・改正資金決済法は施行準備段階が継続(森・濱田松本法律事務所)。
  • ローソンでのステーブルコイン決済実証実験(HashPort、ネットスターズ、デジタルガレージ/JCB)はいずれもPoC段階のまま継続。
  • 米大手銀行(JPモルガン、シティ、バンクオブアメリカ)によるトークン化預金網の構築は継続中(2027年上半期稼働目標)。
  • Coldcardハードウェアウォレット・ハッキング事件(7月30日発覚、被害額1,816BTC規模)は新規報道なく継続案件。

要因の連続性

  • 継続要因: 米財務省の国債買戻し・緩和的な財政運営姿勢(短期急騰の主因として継続)。ビットコイン・イーサリアムETFへの資金流入。CLARITY法案の規制明確化期待(採決日程自体は変わらず継続する材料)。BTC・ETHの深い買われすぎというテクニカル状況。
  • 新規要因: トランプ大統領によるCLARITY法案可決を促す発言(8月20日)。Zcash ETFのNYSE Arca上場承認という規制面での具体的進展。Term Labsのガバナンス悪用事件という新規セキュリティ材料。RSI・ボリンジャーバンド上限超過を根拠とする「平均回帰の調整」を警戒する弱気論の強まり。Bernsteinによる強気目標の再表明。
  • 解消した要因: 明確に解消したと言える要因はない。ただし、前回までの「継続的な一方向の上昇トレンド」という前提は、8月24日の79,271.70ドルから76,600ドル台への反落により、短期的にはやや後退した。もっとも大方の見方は新規の弱気転換ではなく、急騰後の自然な調整との位置づけ。

価格サマリー

取得時点: 日本時間2026年8月25日早朝(米国8月24日夕刻時点のデータ)。ドル円レートは1ドルおよそ159円で換算(外為どっとコム)。

銘柄 価格(ドル建て) 24時間騰落率 参考(円建て概算)
ビットコイン(BTC) およそ77,300〜78,900ドル およそプラス1.8パーセント およそ1,230万〜1,254万円
イーサリアム(ETH) およそ2,470〜2,480ドル 直近数日はプラス基調(単日ではまちまち) およそ39万3千円前後
リップル(XRP) およそ1.48〜1.49ドル およそマイナス1.3パーセント およそ235円前後
ソラナ(SOL) およそ94ドル 先週の急伸から伸び悩み およそ1万4,900円前後
ジーキャッシュ(ZEC) およそ810〜839ドル 週間高値から反落 およそ13万円前後

出典: CoinDesk BTC、CoinDesk ETH、CoinDesk Live Updates、CaptainAltcoin。円建ては概算換算であり、正確な取引所レートとは誤差がある。

銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

8月19日以降の3日間で下は63,000ドル台から79,271.70ドルまで、およそ22パーセントの急伸となった。CNBCはこれを「2023年以来最大級の3日続伸」と報じている。主因は米財務省(ベッセント財務長官)が長期国債の買戻しプログラム拡大を示唆したことによる大規模なショートカバー(空売りの買い戻し)で、これに加えてビットコインETFへの資金流入(週間で19億ドル規模)、リスク資産全般のリバウンドが重なった(CoinDesk Live Updates)。ただし79,000〜80,000ドル帯では利益確定売りに押され、8月24日には76,600ドル台まで反落する場面もあった(KuCoin)。

イーサリアム(ETH)

8月19〜21日にかけて18〜23パーセント級の急伸を見せ、一時2,546.78ドルの高値をつけた後、2,470ドル前後へ調整している(cryptonews.net)。イーサリアムETFは8月20日に2億1900万ドル、8月24日には2億2100万ドルの純流入を記録し、4営業日連続のプラスとなった。運用資産残高は140億ドル規模に近づいている(Yahoo Finance)。

その他アルトコイン

  • リップル(XRP): 先週高値の1.70ドルから約13パーセント反落し、1.48〜1.49ドル前後で推移。ビットコイン・イーサリアムに比べ弱含み(CoinDesk Live Updates)。
  • ソラナ(SOL): 先週27パーセントの反発を見せた後、94ドル前後でやや伸び悩んでいる(CaptainAltcoin)。
  • ジーキャッシュ(ZEC): 先週一時855ドルの8年ぶり高値をつけた後、810〜839ドル台へ反落。ただし後述のGrayscale ETF転換の進展という強い上昇材料が控えており、注目度は高いまま(CoinDesk Live Updates)。

強気派 vs 弱気派

強気派

  • Bernstein(アナリストチーム): ビットコインの弱気材料は「史上最も弱い」と評価し、2026年の価格目標15万ドルを再表明。根拠は機関投資家の採用進展、ETFインフラの整備、流動性環境の改善(The Block)。
  • Standard Chartered(Geoff Kendrick氏): 米財務省の国債買戻し発表を受け、「年末目標(10万ドル)が低すぎるリスクが今年初めて出てきた」と述べ、10月6日以降にETF資金流入が回復すれば過去最高値圏(12.6万ドル)を目指す可能性があるとの見方を示した(Cointelegraph)。
  • Fundstrat(Tom Lee氏): 市場の急落局面でも公にビットコイン20万〜25万ドルの目標を維持し続けている、と分析記事は伝えている(mudrex.com)。

弱気派

  • NYDIG: 10月までにビットコインが3万8千〜3万9千ドルまで底打ちするシナリオを提示しており、急落リスクを完全には排除していない(mudrex.com)。
  • Citigroup: ビットコインの弱気シナリオとして5万3千ドルを掲げている(mudrex.com)。
  • Ali Martinez氏(市場アナリスト): 7月31日のX(旧Twitter)投稿で、3日足のTDシーケンシャル指標に売りシグナルが点灯したと指摘し、トレンド疲弊・反転の可能性に言及した(Blockonomi)。
  • cryptonomist(テクニカル分析): 日足RSIが82.45と過度に買われた水準にあり、ボリンジャーバンド上限も超過していることから「平均回帰の調整が妥当」との見方を示している(en.cryptonomist.ch)。

前回に続き、強気派・弱気派とも顔ぶれ・論拠におおむね継続性がある。新たにBernsteinが強気目標を再表明した一方、弱気側は具体的な価格目標というより「過熱感・テクニカルな調整リスク」を根拠とする論調が中心になっている。

社会実装ニュース

  • ローソンのステーブルコイン決済実証実験(継続・PoC段階): ネットスターズは8月17日、ローソン大崎アトリウム店で「Stablecoin Pay」の店頭実証実験を実施。対応通貨はUSDC・USDT(ソラナ、Morph、ポリゴンの各チェーン)とJPYC(ポリゴンチェーン)で、MetaMaskウォレットに対応し、店舗のPOSレジと連携して決済速度や店舗オペレーションへの影響を検証した(Netstars)。HashPortも8月6日にローソン高輪ゲートウェイシティ店で日本初とされるコンビニ店頭でのステーブルコイン決済実証実験を実施している(PR TIMES)。デジタルガレージ・JCB・ローソンの3社もステーブルコイン決済のPoCに向けた基本合意を締結済み(事業構想オンライン)。いずれも実証実験段階であり、商用化の時期は未定。
  • 米大手銀行のトークン化預金網(継続・一部は本番運用): JPモルガン・シティ・バンクオブアメリカは、ザ・クリアリング・ハウス(銀行団が共同運営する決済インフラ会社)を通じて共同のトークン化預金網を構築中で、2027年上半期の稼働を目指す。8月4日にはウェルズ・ファーゴも参加した。目的は、ステーブルコインの普及によって銀行預金が流出するリスクへの対抗策とされる(Tech Times)。一方、JPモルガンの「Kinexys(旧JPMD)」は既に本番運用に入っており、日次70億ドル超のトークン化預金を処理しているとされ、実証段階を超えた実利用の事例として評価できる(Forbes)。

法改正・規制ニュース

米国

CLARITY法案(暗号資産市場構造法、下院ではH.R.3633として2025年7月17日に294対134で可決済み)は、上院での本会議採決が8月の夏季休会前に見送られ、9月15日の手続き採決(討論終結動議)という日程が維持されている。与野党の対立点は、倫理・利益相反・不正資金対策に関する規定の扱いで、民主党はより厳格な規定を、共和党は市場の明確性を重視している(CoinDesk, Paul Hastings)。Polymarket予測市場での2026年中の成立確率は前回16パーセントから本日17パーセントとほぼ横ばいで、依然として低水準にとどまっている(KuCoin)。なお、トランプ大統領は8月20日、議会に対しCLARITY法案の可決を促す発言をしたと報じられている(altindex.com)。

日本

金融庁は「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」を4月10日に国会へ提出しており、暗号資産を金融商品取引法上の「金融商品」として再分類し、開示義務やインサイダー規制を導入する方向での施行準備が続いている(長島・大野・常松法律事務所, 森・濱田松本法律事務所)。税制面では、与党の令和8年度税制改正大綱で暗号資産取引を一定条件のもとで「分離課税」の対象とし、3年間の繰越控除制度を新設する方向性が示されている(CoinDesk Japan)。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

8月24日時点の日足データでは、価格(79,271.70ドル)が20日・50日・200日いずれの移動平均線(それぞれおよそ69,524ドル、66,857ドル、71,897ドル)も上回っており、これは中長期の値動きが上向きであることを示す教科書的な「強気の並び」である。一方、買われすぎ・売られすぎを示すRSI(相対力指数)は日足で82.45と、一般的に「買われすぎ」とされる70を大きく超える水準にあり、短期的な過熱を示唆する。値動きの幅を示すボリンジャーバンドも上限(79,068ドル)を価格が上回っており、平均への回帰(反落)が起こりやすい状態と解説されている。目先のレジスタンス(上値の壁)は80,624ドル付近、サポート(下値の支え)は77,294ドル付近とされる(en.cryptonomist.ch)。市場心理を示すFear&Greed指数は73(強欲)で、投資家心理が強気に傾いていることを示す(同上)。

イーサリアム(ETH)

移動平均線は短期(20日・50日)を上回る「強気の並び」だが、200日移動平均線(およそ2,141ドル)がなお長期的な下値の目安として意識されている。RSIは8月21日時点で86.31と極めて高い「買われすぎ」水準に達しており、過熱後の一服が起きやすい状況を示唆する。目先のサポートは2,382〜2,394ドル付近、レジスタンスは2,434ドル付近とされる(AltIndex)。ただし、これらの断定的な水準は「そうなりやすい」という目安であり、売買の推奨ではない。

業界トピック

  • Term Labsのガバナンス悪用事件(新規): 8月23日、DeFiプロトコルのTerm LabsがYearn v3型のボールト・ガバナンス機構を悪用され、イーサリアム2,843枚とUSDC168万枚(合計約850万ドル相当)が流出した(BeInCrypto)。
  • Coldcardハードウェアウォレット・ハッキング(継続): 7月30日に発覚した事件で、コインカイト社製「Coldcard」の2021年3月ファームウェアに起因する脆弱性が悪用され、5,200アドレスから1,816BTC(発生当時の推定被害額1億1,600万〜1億3千万ドル)が流出した。2026年最大級のハードウェアウォレット被害とされる(TRM Labs, TechCrunch)。本日時点で新規の続報は確認できなかった。
  • Zcash ETF(ZCSH)の上場(新規・前掲): 上記「前日からの変化」「社会実装ニュース」に加え、規制・商品性の観点でも大きな進展であるため業界トピックとしても記録する。GrayscaleのZcash Trustが「The Zcash ETF」としてNYSE Arca上場、年間スポンサー報酬2.5パーセント、カストディはCoinbase Custody Trust(Crowdfund Insider)。

参考リンク