前回からの変化

前回レポートなし(比較対象なし)

1. 被害サマリー

項目 千葉県 神奈川県 東京都(伊豆大島)
死者 3人 4人 0人
行方不明 2人 3人 0人
住家被害 424棟以上 集計中(複数の家屋全壊) 大規模な浸水記録あり
避難指示等 約20万人に緊急安全確保 関東6都県で計190万人超に避難指示 大島町 約3千人に緊急安全確保

(時点: 2026年9月22日時点の各種報道の集計。速報値であり今後変わる可能性がある。死者計7人・行方不明計5人はNHKニュース、千葉県の内訳(死者3人・行方不明2人・住宅被害424棟)はNHKニュースによる)

2. 災害別の状況

台風25号による記録的大雨(関東・伊豆諸島)

強い台風25号は9月20日以降、関東・伊豆諸島に接近し、記録的な大雨をもたらした。伊豆大島(東京都大島町)では24時間降水量686.5ミリと9月の観測記録を大きく更新したほか、千葉県佐倉市322ミリ、船橋市345.5ミリ、東京都江戸川区沿岸部282.5ミリなど、関東各地で観測記録を更新する大雨となった。気象庁は東京都大島町に土砂災害警戒レベル5相当の特別警報級の警戒情報を出した。台風は22日9時時点で日本の東を北東へ時速50キロで進み、中心気圧970ヘクトパスカル、最大風速35メートル。23日15時ごろには日本のはるか東で温帯低気圧に変わる見込みである(ウェザーニュース、NHKニュース)。

千葉県の土砂災害・浸水被害

千葉県では鴨川市の80代男性、茂原市の80代女性がそれぞれ土砂崩れに巻き込まれて死亡するなど、22日時点で死者3人・行方不明2人が確認された。住家被害は424棟以上に上り、緑区越智町の一部では一時断水が発生した(22日午前4時ごろ解消)。千葉県は22日午前7時半、陸上自衛隊習志野駐屯地の第1空挺団に災害派遣を要請し、救助活動と道路の復旧作業への協力を求めた(NHKニュース、千葉市)。

神奈川県・三浦半島の土砂崩れ

神奈川県横須賀市長井では21日午後、2階建て住宅が土砂崩れに巻き込まれ、横山淳子さん(64)が死亡した。横須賀市内では87件の土砂崩れが確認されている。三浦市初声町和田では30代女性が行方不明となっているほか(同居していた子ども2人は救助)、三浦市内の20〜30代の女性2人、横須賀市内の70代夫婦の行方が分かっていない。三浦市の21日の降水量は約360ミリと、9月の平年降水量の1.5倍を超えた。神奈川県は自衛隊に災害派遣を要請し、22日も自衛隊員が土砂の除去などにあたっている(Yahoo!ニュース(日テレNEWS)、Yahoo!ニュース(TBS NEWS DIG))。

3. 生活・交通・インフラへの影響

  • 停電: 千葉県内で最大5万6000軒超、東京電力管内合計で6万2000軒超が停電した(NHKニュース)。
  • 断水: 千葉市緑区越智町の一部で一時断水が発生したが、22日午前4時ごろに解消した(千葉市)。
  • 鉄道: JR東日本は特急「わかしお」など一部列車を終日運休、内房線・久留里線は全線で終日運行を取りやめた。千葉駅と成田空港駅を結ぶ区間、外房線の一部区間でも運転を見合わせた。京浜急行も三浦半島方面の本線・久里浜線の一部区間で運転を見合わせている(Yahoo!ニュース(日テレNEWS)、NHKニュース)。
  • 道路: 圏央道・千葉東金道路・館山道・東京湾アクアライン連絡道の一部区間、東名高速の富士川スマートIC—清水ジャンクション間(上り、高波の影響)などが通行止めとなった。千葉・神奈川では複数箇所で道路の崩落も確認されている(NHKニュース)。
  • 空港: 21日は日本航空が羽田発着135便を欠航(約1万7000人に影響)、全日空も羽田発着140便を欠航(約2万5000人に影響)、成田空港でも国際線・国内線合わせて105便が欠航した(NHKニュース)。

4. 産業・経済への影響

千葉県内では大雨の影響で宅配便の集荷・配送業務にも遅れが生じている(NHKニュース)。工場の操業停止など製造業への具体的な被害情報は、本レポート作成時点では確認できていない。

5. 行政の対応と支援

千葉県・神奈川県はいずれも自衛隊に災害派遣を要請し、陸上自衛隊習志野駐屯地の第1空挺団(千葉県)や神奈川県内の部隊が土砂の除去・行方不明者の捜索にあたっている。国土交通省は「令和8年台風第25号による被害状況等について」を随時更新して公表している(本レポート時点で第5報、速報値のため今後変動しうる)(国土交通省)。

罹災証明書は住宅の被害区分に応じて支援金・融資・税や保険料の減免などの可否を決める重要な書類で、持ち家・借家を問わず対象となる。千葉市は罹災証明書・被災証明書の交付窓口を市役所高層棟3階に設け、申請には被害箇所の写真撮影(家屋の洗浄前)が必要と案内している(千葉市)。

(用語解説: 「緊急安全確保」は警戒レベル5にあたり、命の危険が迫り既に安全な避難が困難な状況で発令される。「避難指示」は警戒レベル4にあたり、危険な場所から全員が避難すべき段階を示す。「激甚災害」は災害の規模に応じて国が指定し、復旧事業への国庫補助率を引き上げる制度で、本災害については本レポート時点で指定の発表は確認できていない。)

6. 今日の警戒情報

台風25号は23日15時ごろに日本のはるか東で温帯低気圧に変わる見込みで、関東・伊豆諸島への直接的な暴風・高波の影響は後退しつつある。一方、記録的な大雨で地盤が極めて緩んでおり、気象庁は千葉県や神奈川県・三浦半島を中心に土砂災害への警戒を引き続き呼びかけている。行方不明者の捜索が神奈川県三浦市・横須賀市で継続しているほか、千葉県内でも河川の増水・低い土地の浸水に注意が必要である。屋外の見回りなど不要不急の外出は避け、自治体の避難情報・河川水位情報を随時確認することが呼びかけられている(ウェザーニュース)。