価格サマリー
| 銘柄 |
価格(ドル建て) |
24時間騰落率 |
参考(円建て概算) |
取得時点(日本時間) |
| ビットコイン(BTC) |
約63,907ドル |
-1.69% |
約1,003万円 |
2026年8月12日早朝(米国8月11日時点データ) |
| イーサリアム(ETH) |
約1,872ドル |
-2.39% |
約29万4000円 |
同上 |
| ソラナ(SOL) |
約75.6ドル |
ほぼ横ばい〜小幅安 |
約1万1900円 |
同上 |
| リップル(XRP) |
約1.02ドル |
1週間ではおよそ-5%(直近1週間でBTC・ETH・SOLに対し出遅れ) |
— |
同上 |
| ドージコイン(DOGE) |
約0.070ドル |
目立った動きなし |
— |
同上 |
※円建てはおおむね1ドル=157円前後で概算換算。正確な取得時刻のレートとは異なる場合がある
(CryptoTimes、CryptoSlate、Coinbase、Coinpedia)。
銘柄別動向
ビットコイン(BTC)
8月11日、ビットコインは前日から1.69パーセント下落し、6万3907ドル前後で推移した。7日間では小幅なプラス圏を維持しているものの、24時間の下落幅としては直近で目立つ動きとなった。下落の主因として、(1) 米国時間8月12日発表予定の7月消費者物価指数(CPI)を控えた投資家のリスク資産圧縮、(2) 中東情勢の緊張に絡む原油価格上昇によるインフレ懸念の再燃、(3) デリバティブ市場での強制ロスカット(24時間で約4960万ドル規模)による連鎖的な売りの3点が指摘されている(CryptoTimes)。
一方、オンチェーン分析会社グラスノードによると、テイカー(成行)の買い意欲は加速しており、パーペチュアル先物のテイカー活動は通常のレンジを上回って推移。機関投資家のネットフローも「異例なほど強い」水準にあるという。ただし、ネットワーク全体では実現損失が実現利益を依然として上回っている状態が続いており、含み損を抱えた投資家の売り圧力が残っている点には注意が必要とされる(CryptoSlate)。
ETF資金の動きでは、8月3日〜7日の週にビットコイン現物ETFへ4月中旬以来最大となる週間流入があったと報じられている一方、直近営業日の8月10日にはビットコインETFから約1億4460万ドルの純流出があり、資金フローの方向感は一様ではない(FinanceFeeds)。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは24時間で2.39パーセント下落し、1872ドル前後で推移。ビットコインと同様、CPI発表を控えたリスク回避と地政学リスクによるインフレ懸念が下落要因とされる(CryptoTimes)。ETF資金については、8月第1週(8月3日〜7日)に約2億4400万ドルの純流入があったのに対し、8月10日には約1460万ドルの純流出に転じており、短期的には資金フローが反転している(FinanceFeeds)。
その他アルトコイン
- ソラナ(SOL): 75ドル台半ばで推移し、目立った下落は見られなかった。ソラナ関連ETFへは8月11日に880万ドルの資金流入があり、5月12日以来最大の日次流入となった。分散型金融プラットフォーム「ジュピター」が新しい貸付機能「レンドv2」を公開し、担保効率を高める仕組みが投資家の関心を集めているほか、ソラナ上のステーブルコイン流通額が167億ドルに達するなど、決済・送金用途での採用が進んでいることも支援材料とされる(Coinbase)。
- リップル(XRP): 1.02ドル前後で推移し、心理的な節目である1ドル(0.99〜1.00ドル帯)がサポートとして意識されている。直近1週間ではビットコイン・イーサリアム・ソラナが上昇する中、リップルは5パーセント下落しており、ETF市場への資金流入が続く他銘柄に対して出遅れが目立つ展開となっている(Coinpedia)。
- ドージコイン(DOGE): 0.070ドル前後で目立った値動きはなし。ドージコイン関連ETFへの資金流入はゼロが続いており、他の主要アルトコインと比べて投資家の関心が相対的に薄い状態が続いている(Crypto Economy)。
強気派 vs 弱気派
強気派(ブル)の主張
- ビットワイズ最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏: 2026年サイクルにおけるビットコインの目標水準として20万ドルを維持していると報じられている。月ごとの資金フローには変動があっても、現物ETFへの流入と法人による財務戦略としてのビットコイン保有が、サイクル全体を通じて流通供給量を引き締める要因になると主張している(CryptoSlate関連報道)。
- グラスノード(オンチェーン分析): 足元の下落局面でもテイカーの買い意欲が加速し、パーペチュアル先物の建玉動向も通常レンジを上回るなど、機関投資家のネットフローが「異例なほど強い」水準にあると分析。7月から8月上旬にかけて、上半期の弱さから一転してETF資金が再びプラスに転じ始めたとの見方を示している(CryptoSlate)。
- CPI楽観シナリオ: 7月CPIが市場予想並みか下振れし、米長期国債の入札が順調に消化されれば、長期金利とドルが低下し、ビットコインは6万6000ドル、さらに短期保有者の平均取得コストとされる6万9000ドル圏を試す展開になり得るとの見方がある。6万9000ドルを明確に上抜けた場合、次の節目として8万4000ドル圏まで「空白地帯」を一気に上昇する可能性も指摘されている(CryptoSlate)。
弱気派(ベア)の主張
- CPI悲観シナリオ(市場関係者の見方、CryptoSlate報道): 7月CPIが予想を上回るインフレ再加速を示す、あるいは米長期国債入札が不調に終われば、長期金利とドルが上昇し、9月の追加利上げ観測が再び強まる。その場合、ビットコインはオンチェーン需要層とされる6万3000ドル圏を再テストし、これを割り込めば5万8000〜6万円ドル圏まで下落するリスクがあるとされる(CryptoSlate)。
- 地政学・インフレ再燃リスク(CryptoTimes報道): 中東情勢の緊張の高まりを受けた原油価格上昇がインフレ懸念を再燃させており、これがFRBの「高金利長期化」路線を正当化する材料になりかねないと指摘。デリバティブ市場では24時間で約4960万ドル規模のロングポジションが強制決済されており、レバレッジを効かせた買い持ちの巻き戻しが相場の重しになっているとされる(CryptoTimes)。
- オンチェーンの需給不均衡(グラスノード分析): ネットワーク全体で見ると、実現利益よりも実現損失の方が依然として大きい状態が続いており、含み損を抱えた投資家からの売り圧力が根強く残っているとの指摘がある(CryptoSlate)。
いずれの主張も市場関係者の見立て(相場観)であり、事実として確定した予測ではない点に留意。
法改正・規制ニュース(米国 / 日本)
米国
- CLARITY法案(暗号資産市場構造法案): 8月8日に上院多数党院内総務ジョン・スーン氏が審議入りの動議を提出し、法案は「クローチャー」と呼ばれる討論終結の手続きに入った。可決には60票の賛成が必要で、共和党単独では不足するため民主党側の協力が引き続き焦点となる。夏季休会前の可決は見送られ、9月15日に次の手続き投票が予定されていると報じられている。争点は、政府高官(トランプ大統領を含む)による暗号資産事業への関与を制限する倫理規定や、違法金融対策、ステーブルコインに関する報酬規定などで、超党派の修正案がホワイトハウスで検討中とされる(CoinDesk、Coingabbar)。
日本
8月7日付で金融庁が実施した組織再編(国際課・信用課・郵政金融課・資金決済課・暗号資産/ステーブルコイン課の5課新設)以降、8月11日〜12日にかけて新たな規制発表は確認できなかった。同庁が4月10日に国会提出した金融商品取引法・資金決済法の改正法案(暗号資産を金商法上の規制対象に位置付ける内容を含む)の審議も、当日時点で目立った進展の報道は見当たらない(事業構想オンライン、ITmedia NEWS)。
テクニカル分析
ビットコイン(BTC)
RSI(相対力指数、14日)はおよそ51〜58のレンジで中立からやや強めの水準にあり、シグナルラインを上抜けて回復基調を示しているとの分析がある。買われ過ぎ・売られ過ぎのいずれの極端な水準からも離れている状況といえる(Investing.com系分析)。
50日移動平均線はおよそ6万4600〜6万5000ドル付近にあり、直近の下落で現在価格(6万3900ドル前後)がこの平均線をわずかに下回る局面が生じている。この水準を明確に回復できれば6万6000ドル、続いて100日移動平均線とされる6万7000ドル付近が視野に入るとの見方がある一方、200日移動平均線(7万2500ドル付近)を上抜けるまでは、強気トレンドへの完全な転換とは言い切れない水準にとどまっているとされる(Investing.com系分析)。オンチェーン分析では、6万3000ドル付近が供給の一割ほどが最後に動いた「需要の厚い水準」とされ、当面の下値の目安として意識されている。これを割り込むと5万8000〜6万円ドル圏までの調整リスクがあるとの指摘がある(CryptoSlate)。
Fear & Greed Index(恐怖強欲指数)は49で「中立」となり、2日前の31(恐怖)から大きく改善した。年初の2月上旬に記録した過去最低の5(極度の恐怖)と比べると心理は大きく持ち直しているが、依然として明確な強気(欲望)圏には達していない(CFGI.io)。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムは1870ドル台で推移し、1850〜1900ドル圏が目先のサポートとして意識される一方、2000ドル手前が上値のレジスタンスとして意識されている状況に大きな変化はない。24時間の下落幅がビットコインを上回ったことから、相対的な弱さがやや目立つ展開となった(CryptoTimes)。ETF資金が週間ベースでは大きく増加した一方、直近営業日では純流出に転じたことも、短期的なモメンタムの弱さと整合的といえる(FinanceFeeds)。
業界トピック
本日時点で、大規模な新規ハッキング事件や取引所の重大インシデントの一次報道は確認できなかった。もっとも、オンチェーンセキュリティ企業ブロックエイドの集計によれば、2026年上半期だけで212件・総額約11億ドルのハッキング被害が確認されており、過去最多ペースが続いている。業界全体として、監査済みプロトコルであっても侵害されるケースが目立っており、引き続き警戒が必要な状況にある(SBI VCトレード)。
参考リンク