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暗号資産

暗号資産 2026-08-10

3行まとめ

  • ビットコインは6万5000ドル台前半でレジスタンスをテスト中、イーサリアムは1900ドル台後半で推移。恐怖強欲指数は31で「恐怖」圏が続くが、直近1週間はやや改善傾向。
  • 米上院は8月8日にCLARITY法案(暗号資産市場構造法案)の第一段階の手続き投票を開始したが、夏季休会前の最終可決は見送られ9月に持ち越し。日本では8月7日付で新設された「暗号資産・ステーブルコイン課」以降、目立った新規動向は確認できなかった。
  • 強気派はビットコインETFの資金流入再開やテクニカルの改善を根拠に強気転換を主張する一方、弱気派は8月12日の米CPI発表を控えたFRBの利上げ再開リスクやコインベース・プレミアム指数の長期マイナス継続を懸念材料に挙げる。

価格サマリー

銘柄 価格(ドル建て) 24時間騰落率 参考(円建て概算) 取得時点(日本時間)
ビットコイン(BTC) 約65,200ドル +0.1%前後(6万5000ドルのレジスタンスをテスト中) 約1,020万円台 2026年8月10日午前(米国8月9日時点データ)
イーサリアム(ETH) 約1,920ドル +0.3%〜-0.2%(ほぼ横ばい) 約30万円 同上
ソラナ(SOL) 約77ドル +1.1%(1週間では+3.9%) 同上
リップル(XRP) 約1.03ドル ほぼ横ばい(50日移動平均線1.12ドルを下回る水準) 同上

※円建ては1ドル=156円前後で概算換算。正確な取得時刻のレートとは異なる場合がある (AltcoinBuzzCoinDeskCoinPost)。

銘柄別動向(BTC / ETH / その他アルトコイン)

ビットコイン(BTC)

8月9日時点でビットコインは6万5165〜6万5206ドル前後で推移し、節目の6万5000ドルのレジスタンスをテストする展開が続いた(AltcoinBuzz)。直近の値動きは、8月7日発表の米雇用統計(7月非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回った)を受けたFRB利下げ期待の高まりが下支えとなっている一方、上院がCLARITY法案の夏季休会前の最終可決を見送ったことや、中東情勢(イラン議会がホルムズ海峡の通航禁止法案を審議しているとの報道)が上値を圧迫する要因になっているとの分析がある(CoinPost/bitbankアナリスト・長谷川友哉氏)。

ETF資金の動きでは、直近1週間(8月8日までの週)でビットコイン現物ETFに8億5354万ドルの純流入があり、4月中旬以来最大の週間流入となった。ブラックロックのIBITが流入の大半を占めたとされる(CoinDesk)。一方で、暗号資産分析会社クリプトクアントのアナリスト、ダークフォスト氏によると、2026年の累計では米国のビットコイン現物ETFから約12万BTCの純流出が生じており、短期の資金流入改善とは対照的に、年間を通した機関投資家需要は弱含みが続いているとの指摘もある(The Coin Republic)。

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは1920〜1924ドル前後で推移し、24時間ではおおむね横ばい。心理的な節目である1900ドル近辺のサポートを維持している(AltcoinBuzz)。イーサリアム現物ETFには直近1週間で2億4490万ドルの純流入があり、5週連続のプラスとなった。これは約4カ月ぶりの大きな週間流入で、累計純流入額は114億6000万ドルに達している(Coingape)。

その他アルトコイン

  • ソラナ(SOL): 77ドル前後まで上昇し、1週間では3.9パーセント高と主要アルトコインの中で強いモメンタムを見せている。CLARITY法案の審議進展や8月12日の米CPI発表を控えた思惑が支援材料とされる(AltcoinBuzz)。
  • リップル(XRP): 1.03ドル前後で小幅な値動きにとどまり、50日移動平均線(1.12ドル付近)を下回る水準での推移が続いている。心理的な節目である1ドルを維持できるかが引き続き焦点とされる(The Crypto Basic)。

強気派 vs 弱気派

強気派(ブル)の主張

  • 調査会社10xリサーチ: 月足終値が6万3000ドルを上回れば、複数のサイクル指標が強気転換し、弱気相場の底打ちを確認できる可能性があるとし、ロングポジションを継続的に支持する方針を示している(Cointelegraph)。
  • テクニカル面からの見方(Cointelegraph): ビットコインが6万4000ドルを維持していることが重要な支持水準の形成を示すとし、Wパターンの完成やRSIの改善、切り上がる安値の連続を根拠に、8月はトレンド確認の月になるとの分析がある。基本シナリオの価格目標は6万7000ドル、強気シナリオでは6万8000ドル前後とされる(Cointelegraph)。
  • ETF資金の反転: ビットコイン現物ETFへの週間流入が4月中旬以来最大となったこと、イーサリアム現物ETFが5週連続のプラス流入(累計114億6000万ドル)となったことを、機関投資家需要の改善材料として挙げる見方がある(CoinDeskCoingape)。

弱気派(ベア)の主張

  • bitbankアナリスト・長谷川友哉氏: 来週(8月10日以降)の相場はボラタイルな展開を想定するとし、8月12日の米CPIがインフレ再加速を示す内容となれば、9月利上げの織り込みが急速に進み米金利とドルが上昇、ビットコインに強い下押し圧力がかかる可能性を指摘。ウォーシュFRB議長も「8月のインフレが再加速すれば9月のFOMCで利上げに踏み切る準備がある」と発言している(CoinPost)。
  • 10xリサーチ: 米10年債利回りの上昇が9月の利上げを事実上強いる可能性や、AI事業へのシフトに伴うマイナーによる約10万BTC規模の売却圧力、ビットコイン財務会社によるポジション解消をリスク要因として挙げている(Cointelegraph)。
  • クリプトクアント(アナリスト:ダークフォスト氏): コインベース・プレミアム指数(米国の買い意欲を示す指標)が208日連続でマイナス圏という記録的な長さで推移しており、2026年通年では米国のビットコイン現物ETFから約12万BTCの純流出が生じているとして、米機関投資家の需要の弱さを指摘している(The Coin Republic)。

いずれの主張も市場関係者の見立て(相場観)であり、事実として確定した予測ではない点に留意。

法改正・規制ニュース(米国 / 日本)

米国

  • CLARITY法案(暗号資産市場構造法案): 8月8日、米上院はCLARITY法案の第一段階の手続き投票を開始し、法案審議として過去最も進展した段階に到達した。ただし採決には60票が必要で、共和党だけでなく民主党から最低7票の賛成が要る状況。上院多数党院内総務ジョン・スーン氏の主導により審議は前進したが、夏季休会前の最終可決は見送られ、9月の休会明けに最終投票が持ち越された(BenzingaCryptoBriefing)。
  • GENIUSアクト(ステーブルコイン規制法): 2025年7月に成立した同法に基づく実施規則の制定期限(2026年7月18日)を、関係する銀行規制当局が過ぎても正式な規則一式を公表できておらず、ステーブルコイン業界の規制上の不透明感が長引いているとの報道がある(CryptoDailyOCC)。

日本

8月9日〜10日にかけて、日本国内で新たな暗号資産関連の法改正・規制の発表は確認できなかった。直近では8月7日付で金融庁が「暗号資産・ステーブルコイン課」を含む組織再編を実施しており(前日既報)、この体制の下での具体的な運用状況について、本日時点で新たな公表は見当たらない。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

RSI(相対力指数)はおよそ54〜56で中立圏に位置し、買われ過ぎでも売られ過ぎでもない状況(CoinDesk)。50日移動平均線はおよそ6万4600〜6万4700ドル付近にあり、現在価格が上回っていることから短期的な下値支持として機能しているとみられる。この水準を明確に上抜けられれば、次の節目である100日移動平均線(6万7000ドル付近)が視野に入るとの見方がある一方、6万3900ドルを割り込むと6万2700ドル付近まで調整が広がる可能性が指摘されている(Cointelegraph)。

Fear & Greed Index(恐怖強欲指数)は31で、前日の30からわずかに改善したものの、依然として「恐怖」ゾーンにとどまっている。1週間前の27、1カ月前の23(「極度の恐怖」)と比べると、心理は緩やかに改善傾向にある(Alternative.me)。

イーサリアム(ETH)

RSIはおよそ56で中立圏。短期的には1900ドル付近を心理的なサポートとして維持しており、1950〜2000ドル近辺が上値のレジスタンスとして意識されている。2000ドルを明確に上抜ければ、次の節目として2150〜2200ドル圏が視野に入るとの見方がある(The Street)。なお、下値については1850ドル付近の50日移動平均線が目先の支持水準として意識されている(AltIndex)。

業界トピック(該当があれば)

ビットコイン決済ソフト「BTCPay Server」の重大な脆弱性: 8月7日、オープンソースのビットコイン決済処理ソフト「BTCPay Server」が実際に悪用されている重大な脆弱性を確認し、修正版v2.4.2を緊急リリースした。攻撃者は同ソフトに接続されたライトニングノードから資金を窃取しており、ハードウェアウォレット大手Foundationやビットコインメディア「Citadel21」も自身のノードが被害に遭ったと報告している。なお、8月4日に修正済みの別の2要素認証(2FA)バイパスの脆弱性(Greenfield API経由でメールアドレスとパスワードのみでアカウントに到達できる不具合)とは異なる脆弱性とされる。パッチ適用は脆弱性そのものを塞ぐが、脆弱性公開前に既に窃取された認証情報(マカロン)は無効化されないため、影響を受けた運営者には資金の移動など追加対応が呼びかけられている(CryptoTimesTFTC)。

なお、7月30日以降発生していたハードウェアウォレット「Coldcard」の大型ハッキング事件(前日既報)についても、業界では継続して注意喚起が行われている。

参考リンク