前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 上海総合指数は前日比36.27ポイント高(0.94%高)の3911.87ポイントで引け、前回の反落から一転して反発した。CSI300(滬深300)は47.24ポイント高(1.06%高)の4507.39ポイント、深セン成分指数は230.97ポイント高(1.72%高)の13640.87ポイント、創業板指数は74.37ポイント高(2.25%高)の3372.68ポイント、科創50指数は46.34ポイント高(2.88%高)の1652.63ポイントとなり、いずれも大きく反発したことが新たに判明した(新規、FX168、21财经)。
- 香港ハンセン指数は146.49ポイント高(0.60%高)の24750.78ポイントで反発し、ハンセンテック指数は2.2%高となった。前回の反落から一転し、本土・香港がそろって上昇する展開となったことが新たに判明した(新規、21财经)。
- 住宅都市農村建設部(住建部)の張雪涛・不動産市場監督司長が9月18日の記者会見で、中古住宅の取引比率が2020年の27%から2025年には46%、今年1〜8月には52%まで上昇したと説明し、5割超えを「ストック時代への突入」の目安と位置づけた。これに伴い政策の重点を「増量拡大」から「ストック(既存住宅)の質的向上」へ全面的に転換する方針を新たに示した。この発表を受け、香港市場では融創中国が8%超高、新城発展・万科企業が6%超高、碧桂園が4%超高、建発国際集団・中国金茂・旭輝控股集団・融信中国・龍湖集団が3%超高となり、本土市場でも万科企業・緑地控股・世聯行がストップ高となるなど、内房株(不動産デベロッパー株)が香港・本土でそろって急騰したことが新たに判明した(新規、騰訊新聞)。
- 新たに改正された「住宅公積金管理条例」が9月20日に施行されることも、不動産関連の追い風材料として新たに判明した(新規、同上)。
- 大型言語モデル(LLM)関連株が香港市場で急伸し、MiniMaxが19%近く上昇、智譜AI(Zhipu AI)が5%超上昇した。半導体関連でも愛芯元智が16%超、天数智芯が11%超上昇し、本土市場でも共進電子が10.0%高、江蘇長電科技(JCET)が7.7%高となるなど、AI・半導体株への物色が香港・本土の双方で広がったことが新たに判明した(新規、財経新聞、21财经)。
- 南向き資金(香港ストックコネクト経由)は本日11.93億香港ドルの小幅な買い越しとなり、10営業日連続の買い越しを維持したものの、前回(336.3億香港ドル)からは流入額が大きく細ったことが新たに判明した(新規、騰訊新聞)。
- 米財務長官スコット・ベッセント氏が、9月24日にワシントンで予定されるトランプ大統領・習近平主席の首脳会談を控え、週末(日本時間9/20〜21)にニューヨークで何立峰副首相と通商協議を行うことが改めて確認された。協議では、2025年10月30日の釜山での貿易休戦合意の延長、米国産エネルギー・農産品への関税引き下げ、TikTokの扱いなどが議題となる見通しで、中国側は300億ドル規模の無税・低関税輸入品(農産品やボーイング機など)の発表を期待しているとされる。休戦延長の期間について米側は数か月間、中国側はトランプ政権の任期中いっぱいを望んでおり、専門家はおよそ1年前後で折り合うとの見方を示している(新規、Euronews、Yahoo Finance)。
昨日と同じこと(継続)
- 習近平主席が9月23〜25日にワシントンを訪問し、24日にトランプ大統領と会談する日程そのものに変更はない(継続)。
- 自動車株の軟調(本土)、酒造株(貴州茅台-0.8%)の軟調、高速道路インフラ株の小安といった個別の弱さは前回に続き観測された。
- 人民銀行のLPR(1年3.0%・5年超3.5%)は据え置きが続いており、次回改定は9月22日の予定に変わりない(継続)。
要因の連続性
- 継続要因: 内需関連指標の弱さ、自動車株の軟調。
- 新規要因: (1) 住建部による不動産政策の枠組み転換発表(内房株急騰の直接材料)、(2) 大型言語モデル・半導体関連株への物色拡大、(3) ベッセント・何立峰協議を通じた米中関税引き下げ・300億ドル取引への期待の具体化。
- 解消した要因: 前回材料だった米国の年内追加利上げ観測による金・電子デバイス株への売り圧力は、本日はAI・半導体株への物色が優勢となり後退した。
1. 市況サマリー
| 指数 | 市場・通貨 | 終値(9/18) | 前日比 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 上海総合指数 | 本土・人民元建て | 3,911.87pt | +0.94%(36.27pt高) | 反発 |
| CSI300(滬深300) | 本土・人民元建て | 4,507.39pt | +1.06%(47.24pt高) | 反発 |
| 香港ハンセン指数 | 香港・香港ドル建て | 24,750.78pt | +0.60%(146.49pt高) | 反発 |
| ハンセンテック指数 | 香港・香港ドル建て | ― | +2.2% | AI・半導体株主導 |
参考として、深セン成分指数は1.72%高の13,640.87ポイント、創業板指数は2.25%高の3,372.68ポイント、科創50指数は2.88%高の1,652.63ポイントと、いずれも本土の主要指数が大きく反発した(FX168)。
2. 指数別動向
本土(上海・CSI300)
上海総合指数は前営業日比0.94%高(36.27ポイント高)の3911.87ポイントで引け、前回の反落から一転して反発した。原油価格の上昇一服で投資家心理が改善するなか、中国AI産業の成長期待が相場を支え、米国ハイテク株の反発の流れも買いを促した。半導体セクターは広範囲で値上がりし、共進電子が10.0%高、江蘇長電科技が7.7%高となった。発電設備関連(杭州電纜+3.3%、四方自動化+3.3%)、不動産(上海華金+10.0%、緑地控股+9.8%)も買われた一方、酒造メーカー(貴州茅台-0.8%)や高速道路インフラ(江蘇高速道路・安徽高速道路がともに-1.0%)は軟調だった。内需不振・大型連休・米中首脳会談を前にした様子見も上値を抑える要因となった(財経新聞)。
香港(ハンセン・ハンセンテック)
香港ハンセン指数は前営業日比0.60%高(146.49ポイント高)の24750.78ポイントで反発し、ハンセンテック指数は2.2%高となった。大型言語モデル関連株が急伸し、MiniMaxが19%近く上昇、智譜AIが5%超上昇したほか、半導体関連の愛芯元智が16%超、天数智芯が11%超上昇した。住建部の政策発表を受けて内房株(不動産デベロッパー株)も午後にかけて集団的に上昇し、融創中国が8%超高となるなど、AI株・不動産株の双方が指数を押し上げた。一方で自動車株は軟調だった(21财经、騰訊新聞)。
3. 当局・政策の動き
- 住宅都市農村建設部(住建部): 9月18日、国務院新聞弁公室の記者会見で張雪涛・不動産市場監督司長が「不動産はストック時代に入った」と明言した。中古住宅の取引比率が2025年に46%、2026年1〜8月には52%まで上昇し、5割超えを「ストック時代」の目安とした。政策の重点を「増量拡大」から「ストック(既存住宅)の質的向上」へ全面転換し、中古住宅取引・都市更新・住宅賃貸への政策的な傾斜を強める方針で、現物販売(竣工済み住宅の販売)への移行が「大勢」であるとの認識を示した。改正「住宅公積金管理条例」も9月20日に施行される(騰訊新聞)。
- 人民銀行(PBOC): LPR(1年3.0%・5年超3.5%)は据え置きが続いており、次回改定は9月22日を予定(継続)。
- CSRC・取引所: 本日時点で新たな制度変更の発表は確認できなかった(継続)。
4. 経済指標
本日時点で新たな中国主要経済指標の発表は確認できなかった。8月の主要指標(鉱工業生産+5.2%、小売売上高+0.4%、固定資産投資-7.2%、不動産開発投資-19.9%、都市部調査失業率5.3%)は前回既報のとおりで、追加の更新は確認できていない(継続)。財新PMIについても新規の発表は確認できなかった。
5. 不動産・地方債務
住建部が9月18日に示した「ストック時代」への政策転換は、これまで本コーナーで「最大のリスク要因」として扱ってきた不動産セクターにとって、数か月ぶりとなる明確な追い風材料である。現金流・運営能力に優れた大手デベロッパー(龍頭央国企)の市場シェア拡大を後押しする内容とされ、香港・本土の内房株が軒並み急騰した。ただし、これは政策の方向性転換であり、不動産開発投資のマイナス基調(前回既報、8月時点で前年比-19.9%)そのものが直ちに反転したわけではない点には留意が必要である(騰訊新聞)。CSRCの強制転換社債(MCB)登録拒否問題、恒大地産集団の破産清算プロセスについては、本日時点で新たな進捗の確認材料はなかった(継続)。
6. 米中関係と注目銘柄
米財務長官スコット・ベッセント氏は、9月24日にワシントンで予定されるトランプ大統領・習近平主席の首脳会談を控え、週末(日本時間9/20〜21)にニューヨークで何立峰副首相と通商協議を行う。協議では、2025年10月30日の釜山での貿易休戦合意の延長、米国産エネルギー・農産品への関税引き下げ、TikTokの扱いが主要議題となる見通しである。中国側は300億ドル規模の無税・低関税輸入品(農産品・ボーイング機など)の発表を期待しているとされ、5月の購買公約履行の見返りと位置づけられている。休戦延長の期間を巡っては、米側が数か月間、中国側がトランプ政権の任期いっぱいを望んでおり、専門家はおよそ1年前後での折り合いを予想している(Euronews、Yahoo Finance)。
個別銘柄では、住建部の政策発表を受けた融創中国(香港、+8%超)、香港・本土のAI関連株であるMiniMax(+19%近く)・智譜AI(+5%超)が本日の主役となった。アリババ・BYD・CATL・SMICについては、本日時点で確度の高い個別の値動き情報を確認できなかった。
7. 強気派 vs 弱気派
住建部の政策転換とAI関連株の急伸を受け、本日は市場全体が強気に傾いた一日となった。財経新聞は「中国AI産業の成長期待が相場を支えた」と伝え、AI・半導体を中心とした物色の広がりを強気材料として位置づけている(財経新聞)。一方、内需不振・大型連休・米中首脳会談を前にした様子見は上値を抑える要因として引き続き指摘されており、慎重派の見方も完全には後退していない(継続)。野村など前回既報の中長期強気派・弱気派の論点(政策・構造要因を重視する強気論、不動産デフレ圧力を最大リスクとする慎重論)については、本日時点で新たな更新は確認できなかった。
8. テクニカル分析
上海総合指数は3911.87ポイントまで反発し、前回示したレジスタンス水準(4,000〜4,040ポイント)にやや近づいた。AI・半導体株主導の上昇でRSIは持ち直しているとみられるが、内需の弱さや連休・首脳会談前の様子見という上値抑制要因も残っており、方向感を強めるには材料の後押しが必要な状況である。
香港ハンセン指数は24750.78ポイントまで反発し、前回時点で意識されていた200日移動平均線(約25,309ポイント)との差はなお残るものの、ハンセンテック指数の2.2%高がけん引役となった。南向き資金は10営業日連続の買い越しを維持したが、金額は11.93億香港ドルと前回(336.3億香港ドル)から大幅に細っており、資金流入の勢いという点では前回ほどの強さはない(騰訊新聞)。
9. 本日の注目点
- 週末のベッセント・何立峰協議の結果と、300億ドル規模の関税引き下げ・購入取引が9月24日の首脳会談でどこまで具体化するか。
- 9月22日に予定される人民銀行のLPR発表を控えた金融政策運営の姿勢。
- 住建部が示した不動産政策の転換が、内房株の一時的な急騰にとどまらず、不動産開発投資などの実体指標の改善につながるか。
- AI・半導体関連株(MiniMax、智譜AIなど)への物色が来週も続くか、南向き資金の流入ペースが再び拡大するか。

