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米国株

米国株 2026-08-18

3行まとめ

  • 8月17日(月)のニューヨーク市場は3指数そろって続落。米・イランの了解覚書(MOU)が期限切れとなり、イランが「完全に攻撃的な政策へ転換」と表明したことでホルムズ海峡の緊張が再燃し、原油高・長期金利上昇(30年債利回りは2007年6月以来の高水準)が重しとなった。
  • 個別ではエヌビディアがオープンAI向けオハイオ州データセンター(最大8ギガワット規模)向けに最大1,050億ドル規模の金融支援を発表、マイクロン・テクノロジーは需給ひっ迫観測で株価が初めて1,000ドルを突破するなど、AI関連の強い材料も見られた。
  • 強気派はAI主導の増益期待や底堅い企業業績を根拠に強気目標を掲げる一方、弱気派はバリュエーションの過熱(シラーPERが42と1999年11月に次ぐ高水準)や地政学リスクを理由に警戒を強めており、強弱材料が併存する展開。

市況サマリー

指数 終値 前日比
S&P500 7,750.03 -35.73(-0.46%)
ナスダック100 30,006.58 -38.98(-0.13%)
NYダウ 53,457.70 -274.71(-0.51%)

取得時点: 2026年8月17日(月)米国市場引け(日本時間8月18日朝)。ナスダック100はNDX(ナスダック100指数)ベース。参考としてナスダック総合指数は26,655.39(-73.77、-0.28%)。出典: Yahoo FinanceInvesting.com(NDX Historical Data)

指数別動向

S&P500

7,750.03ポイントで前日比0.46%安と続落。米・イランの了解覚書(MOU)が17日に期限切れとなり、イラン側が「完全に攻撃的な政策へシフトする」との姿勢を示したことでホルムズ海峡の航行・通行料をめぐる緊張が再燃した。トランプ大統領が「戦争は近いうちに終わらない」と発言したことも投資家心理を冷やした。原油高と長期金利上昇を嫌気し、幅広いセクターで売りが優勢となった。出典: Yahoo Finance

ナスダック100

30,006.58ポイントで前日比0.13%安。下げ幅は他の2指数に比べて限定的で、AI関連の強い個別材料が相場を下支えした。エヌビディアはオープンAIとSBエナジー(ソフトバンク系)によるオハイオ州の大型データセンター計画(最大8ギガワット規模)に対し、最大1,050億ドル規模の金融支援(まずSBエナジーへ15億ドル出資)を発表。マイクロン・テクノロジーはHBM(広帯域メモリ)の供給ひっ迫やアップルとのメモリ供給契約観測を背景に株価が初めて1,000ドルの大台を突破した(2026年年初来で260%超の上昇)。出典: CNBCThe Motley Fool

NYダウ

53,457.70ドルで前日比0.51%安と3指数の中で最も下げ幅が大きかった。ダウ構成銘柄であるエヌビディアの上昇が一定程度下支えしたものの、原油高・長期金利上昇を嫌気した幅広い銘柄の下落を打ち消すには至らなかった。30年債利回りが2007年6月以来の高水準(5.31%)まで上昇し、国債全般で売り圧力が強まったことが背景にある。出典: Yahoo Finance

強気派 vs 弱気派

強気派

  • 米調査会社CFRAのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は、2026年末のS&P500目標を8,050ポイントへ引き上げた(12カ月目標は8,650ポイント)。根拠は好調な企業決算、底堅い個人消費、原油価格の落ち着き、AI投資ブームの継続。出典: CNBC
  • JPモルガン・グローバル・リサーチは、AIの「スーパーサイクル」が今後少なくとも2年間、S&P500の増益率を年13〜15%押し上げると分析し、強気相場の裏付けとしている。出典: Investing.com
  • モルガン・スタンレーは、緩和的な金融政策・AI主導の生産性向上・世界的な投資機会を根拠に、変動は予想しつつも2026年の強気相場はまだ続く余地があるとの見方を示している。出典: Morgan Stanley

弱気派

  • バンク・オブ・アメリカは2026年末のS&P500目標を7,100ポイントに据え置いており、現水準からの下振れ余地を指摘。高PER銘柄が急伸してきたことについて「投機が極端な水準に達しており、歴史的にバリュエーションの反動を招いてきた」と警戒している。出典: Fortune
  • ゴールドマン・サックスのチーフ・グローバル株式ストラテジスト、ピーター・オッペンハイマー氏は、株式のリスクプレミアムが急低下し「2008年の金融危機前夜と同水準まで戻っている」と警告。バリュエーションの高さから調整(コレクション)リスクは高いとしつつ、本格的な弱気相場入りとまでは見ていない。出典: Fortune
  • 複数の市場分析記事は、シラーPER(CAPE)が42まで上昇し、1999年11月(44)に次ぐ歴史的高水準にあることを警戒シグナルとして指摘している。出典: ForeignPolicyJournal

経済ニュース

  • 前週まで発表されていた7月小売売上高・ミシガン大学消費者信頼感指数の下振れが尾を引き、消費減速への警戒が引き続き市場心理の重しとなっている(詳細は前回8月17日付レポート参照)。
  • 政策面では、米・イラン間の了解覚書(MOU)が8月17日に期限切れとなったことが最大の材料となった。イラン側は「完全に攻撃的な政策へ転換する」姿勢を示し、ホルムズ海峡の航行・通行料をめぐる懸念が強まった。トランプ大統領は戦争の長期化を示唆し、オマーンに対しても海峡への干渉があれば軍事行動も辞さない姿勢を示したと報じられている。出典: Yahoo Finance
  • 注目銘柄:
    • エヌビディア: オープンAI・SBエナジーとのオハイオ州データセンター(最大8ギガワット)計画に対し、最大1,050億ドル規模の金融支援を発表(まずSBエナジーへ15億ドル出資)。稼働開始は2028年から段階的な見込み。出典: CNBC
    • マイクロン・テクノロジー: HBM供給のひっ迫やアップルとのメモリ供給契約観測を背景に株価が初めて1,000ドルを突破(年初来260%超の上昇)。出典: The Motley Fool
    • スペースX: 新規株式公開後初めてとなる機関投資家の保有状況が明らかになったと報じられた(詳細は今回の調査では確認できず)。出典: Yahoo Finance
    • ホーム・デポ: 8月18日(火)寄り付き前に決算発表を予定。アナリスト予想は1株当たり利益4.71〜4.73ドル、売上高472〜475億ドル程度(詳細は次項「今夜の注目イベント」参照)。出典: Yahoo Finance

FOMC・FRB・金利・為替

  • FOMC: 次回会合は2026年9月15〜16日。CME FedWatchでは(8月14日時点)政策金利据え置きの確率が69%と優勢で、利下げ・利上げいずれの観測も後退している。7月分のFOMC議事要旨は8月19日(水)に公開予定で、9月会合に向けたFRB内の議論の温度感を探る材料として注目されている。出典: CNBCBigGo Finance
  • 米長期金利: 10年債利回りは8月17日時点で4.725%(前日比+0.029、+0.62%)。30年債利回りは5.31%まで上昇し、2007年6月以来の高水準に達した。イラン情勢の緊迫化に伴う原油高でインフレ懸念が再燃したことに加え、国債発行増加による需給悪化への懸念も上昇圧力になっているとみられる。出典: Investing.comYahoo Finance
  • 為替: ドル円は8月17日時点でおよそ159.10円で推移。日米協調介入後の反発は一服し、158.00〜161.00円のレンジを想定する見方が多い。8月19日のFOMC議事要旨公表や日銀の利上げ観測も注目材料として意識されている。出典: Vantage MarketsBigGo Finance
  • ドル指数(DXY): 8月17日時点でおよそ99.4と、6月以来の低水準まで下落。軟調な米インフレ・消費関連指標が続き、早期利上げ観測が後退していることが背景。出典: TradingEconomics

テクニカル分析

初心者向けの目安として、移動平均線は「直近の平均的な価格」を示す線で、現在値がこれを上回っていれば短期的な勢いが強いことを示唆する。RSIは相場の「買われすぎ・売られすぎ」を測る指標で、一般的に70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎの目安とされる。

  • S&P500: 現在値(7,748.76)は50日移動平均(7,761.47)をわずかに下回る一方、200日移動平均(7,578.84)は上回っており、短期はやや弱含み・中長期は上向きという「まだら模様」の状態。RSI(14日)は41.2程度で中立圏に落ち着いており、過熱感は解消された形。出典: Investing.com
  • ナスダック100: 現在値(30,003.88)は50日移動平均(29,823.59)・200日移動平均(29,110.10)をいずれも上回っており、短期・中長期ともにトレンドは上向きが継続。RSI(14日)は52.5程度で「中立」の水準にあり、過熱・売られすぎのどちらでもない。出典: Investing.com
  • NYダウ: 現在値(53,446.74)は50日移動平均(53,801.60)を下回る一方、200日移動平均(52,949.88)は上回っており、短期的な弱さが目立つ状態。RSI(14日)は34.1程度まで低下し、売られすぎの目安とされる30に接近している。出典: Investing.com
  • VIX(恐怖指数): 8月14日(金)に14.2まで低下し、2026年に入って最低水準を記録した。市場が比較的落ち着いていることを示す一方、行き過ぎた楽観(慢心)への警戒を指摘する声もある。出典: CNBC
  • Fear & Greed Index: 8月14日時点で65(グリード=強気寄り)。過熱でも極端な悲観でもない、やや強気寄りの心理状態を示している。出典: finhacker
  • 3指数を通じて、短期的にはS&P500・NYダウでやや弱さが見られる一方、ナスダック100は堅調を維持しており、AI関連銘柄の強さが相場全体を下支えしている構図がうかがえる。売買を推奨する趣旨ではなく、あくまで市場の位置づけを把握するための情報として捉えたい。

今夜の注目イベント

  • ホーム・デポ決算発表(8月18日寄り付き前予定)。市場予想は1株当たり利益4.71〜4.73ドル、売上高472〜475億ドル程度。住宅関連消費の強さを占う材料として注目される。同日はローズ、ウォルマート、ターゲット、TJXカンパニーズ、ロス・ストアーズなど小売企業の決算も相次ぐ週にあたる。出典: Yahoo Finance
  • 7月住宅着工件数(市場予想135万戸、前回142.7万戸)、7月住宅着工許可件数(市場予想137万戸、前回136.7万戸)が日本時間夜に発表予定。出典: Trading Charts経済カレンダー
  • 7月輸入物価指数(前年比市場予想7.2%、前月比市場予想0.1%)も同時刻に発表予定。出典: Trading Charts経済カレンダー
  • 8月19日(水)には7月分のFOMC議事要旨の公開が予定されており、9月会合に向けたFRB内の議論の温度感が確認される見通し(日本時間では19日深夜〜20日早朝)。出典: BigGo Finance

参考リンク