前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- 前日14日に518円安まで急落した日経平均は、15日は8円89銭安の6万3484円10銭で着地し、下落幅が大きく縮小した。前場には一時608円01銭高の6万4101円まで上昇する場面もあり、前日噴出した「AI減速論」への過度な懸念はいったん後退した(日本経済新聞)。
- 前日10.72%安まで急落したソフトバンクグループが一転して7.46%高の6275円まで反発した。同日が25億9000万ドルの信用枠返済期限にあたっていたところ、約20の金融機関から目標の100億ドルを上回る118億7000万ドルの新規2年物信用枠を確保したと判明し、財務懸念が後退したことが要因。この反発だけで日経平均を300円超押し上げた(新規、日本経済新聞)。
- 光通信を中心とする陣営(MBKパートナーズ系・NECキャピタルソリューション系ファンドと共同出資)が、レオパレス21に対し1株1000円(前日終値691円に44.7%のプレミアム)、総額2676億円のTOBを9月15日から10月30日の日程で開始すると発表した。会社側も賛同を表明しており、レオパレス株はストップ高買い気配となった(新規、THE GOLD ONLINE)。
- 米長期金利(10年債利回り)が約2年11カ月ぶりに5%台に乗せたことを受けてドル買いが進み、ドル円は前日の154円台前半から155円台前半まで上昇した。この金利上昇が重荷となり、前日は反発していたTOPIXは4037.16(前日比21.05ポイント安、0.52%安)と一転小反落した(新規、世界一やさしい投資の学校、外為どっとコム)。
- 日経平均VIは前日比0.38ポイント低下の30.68(高値31.17、安値29.84)となり、前日の急上昇から一服した。もっとも財経新聞は「株価の上値の重さから警戒感の緩和は限定的」と指摘しており、緊張が完全に解けたわけではない(新規、財経新聞)。
昨日と同じこと(継続)
- 東証グロース市場250指数は789.20(前日比3.88ポイント高、0.49%高)と、前日の17.39ポイント高に続き2営業日連続で上昇した。内需関連銘柄への資金流入という構図に変化はない。
- 17日のFOMC結果判明(日本時間午前3時ごろ)、18日の日銀会合結果・植田総裁会見という日程、19日から23日のシルバーウィーク5連休を控えた持ち高調整圧力は前回に続き変わっていない。
- 日銀の9月17・18日会合での1.00%から1.25%への利上げ観測は、前回に続き市場の約9割が織り込む形で有力視されている(外為どっとコム)。
- キオクシアホールディングスなど半導体株は前日の急落から一部押し目買いが入ったものの、米国のAI・半導体株安の流れを引き継ぎ上値の重い展開が続いている。
要因の連続性
- 継続要因: 日銀9月利上げ観測、米長期金利上昇、シルバーウィーク前の持ち高調整圧力、AI開発減速への警戒感が、和らぎつつも引き続き相場の重しとして働いている。
- 新規要因: (1) ソフトバンクグループの信用枠確保による資金懸念の後退、(2) 光通信陣営によるレオパレス21へのTOB発表、(3) 米10年債利回りの5%台到達とそれに伴うドル高・円安圧力の強まり。
- 解消した要因: 前回強く意識されていた「ソフトバンクGの資産価値・財務体力への懸念」は、信用枠確保の発表を受けて大きく後退した(ただしAI減速論そのものへの警戒は残る)。
1. 市況サマリー
| 指数 | 終値(9/15) | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,484.10円 | -8.89円 | -0.01% |
| TOPIX | 4,037.16pt | -21.05pt | -0.52% |
| 東証グロース市場250指数 | 789.20pt | +3.88pt | +0.49% |
9月15日の東京市場は、日経平均が3日続落となったものの下げ幅は前日の518円安から大幅に縮小した。TOPIXは金利上昇・原油高を受けて反落した一方、グロース市場250指数は続伸するというねじれが続いた(日本経済新聞)。
2. 指数別動向
日経225
朝方は米国発の半導体株安を引き継ぎ300円超下落する場面があったが、キオクシアホールディングスや村田製作所など関連銘柄が韓国KOSPI高に支えられて上昇に転じ、ソフトバンクグループの信用枠確保報道も加わって前場中盤には一時608円01銭高の6万4101円まで買われた。ただし後場は買いが続かず、終値では8円89銭安の6万3484円10銭まで押し戻された。指数寄与度では、ソフトバンクグループ・リクルートホールディングス・キオクシアホールディングス・村田製作所・京セラが押し上げ役となった一方、アドバンテスト・東京エレクトロン・フジクラ・豊田通商・ファーストリテイリングが押し下げ役となった(日本経済新聞)。
グロース市場250指数
東証グロース市場250指数は3.88ポイント(0.49%)高の789.20で続伸した。プライム市場が長期金利上昇や原油高で伸び悩むなか、内需関連の中小型株へ資金がローテーション的に向かう構図が続き、先物は高値777ポイントまで買われる場面もあった(財経新聞(Fisco))。
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- シティグループ証券の阪上亮太氏は、米大手IT企業の設備投資拡大が続くとして「恩恵を受ける日本のAI・半導体株が再び相場をリードする」と指摘し、日経平均が今後1年で7万5000円から8万円、強気シナリオでは9万円へ到達する可能性を示した(ダイヤモンドZAi)。
- ダイヤモンドZAiは、企業による活発な自社株買いと東証による企業価値向上要請の継続を強気材料として挙げた(ダイヤモンドZAi)。
- 財経新聞は同様に自社株買いの活発化と東証の企業価値向上要請を株価下支え要因として挙げた(財経新聞)。
弱気派
- 株探の伊藤智洋氏は、前日安値6万2726円を割り込むようだと今週末までに7月29日安値6万0448円以下まで下げが進む可能性があるとし、上昇する場合も9月11日高値6万4312円や9月10日高値6万5270円で上値を抑えられやすいとの慎重な見方を示した(株探)。
- 世界一やさしい投資の学校は、前日の米国市場でエヌビディアが3.4%安、マイクロン・テクノロジーが5%超安、ブロードコムとAMDが4%超安となりSOX指数が5.86%安となったことを受け、この日の東京市場は半導体株の売りが先行しやすいと指摘した(世界一やさしい投資の学校)。
- ダイヤモンドZAi・財経新聞はともに、米長期金利の上昇、トランプ政権の関税政策、中国の景気後退懸念を弱気材料として挙げた(ダイヤモンドZAi、財経新聞)。
4. 経済ニュース
政策・市場イベント
米連邦準備制度理事会(FRB)はウォーシュ議長のもとで9月15・16日にFOMCを開催しており、政策金利の発表は日本時間17日午前3時ごろの見通し。市場では約9割の確率で利上げを織り込んでいる。日銀は17・18日に金融政策決定会合を開き、18日には植田総裁の記者会見が予定される(外為どっとコム)。
注目された個別銘柄
- ソフトバンクグループ(9984): 前日比7.46%高の6275円。25億9000万ドルの信用枠返済期限を迎えるなか、約20の金融機関から118億7000万ドルの新規2年物信用枠を確保したと伝わり急反発した(日本経済新聞)。
- 光通信: MBKパートナーズ系・NECキャピタルソリューション系ファンドと共同で、レオパレス21に総額2676億円のTOBを発表した(THE GOLD ONLINE)。
- レオパレス21: TOB価格1株1000円(前日終値比44.7%のプレミアム)にさや寄せする形でストップ高買い気配となった(THE GOLD ONLINE)。
- キオクシアホールディングス: 前日の15%超安から一転、6.39%高の9万8190円まで反発した。前日の急落を受けた押し目買いが入った(THE GOLD ONLINE)。
- I-ne: 16.41%高の1681円。値上がり率上位の一角となった(THE GOLD ONLINE)。
5. 日銀・金利・為替
日銀
9月17・18日の金融政策決定会合での1.00%から1.25%への利上げ観測は前回に続き有力視されている。結果発表は18日昼ごろ、植田総裁の記者会見は同日午後の見通し(詳細はratesカテゴリ参照、外為どっとコム)。
金利・為替
日本国債(10年物)の利回りは前日比0.050ポイント上昇の3.035%となり、前回に続くじりじりとした上昇基調が継続した(詳細はratesカテゴリ参照)。米10年債利回りが約2年11カ月ぶりに5%台へ乗せたことを受けてドルが買われ、ドル円は朝方の154円37銭から上値を伸ばし、高値155円20銭・安値154円21銭のレンジで推移、ロンドン市場では155円24銭まで値を上げた。FOMC・日銀会合という超重要イベントを控えるなか、金利差を意識した円安圧力が強まっている(外為どっとコム、みんかぶFX/為替)。
6. テクニカル分析
日経225
14日間RSIはおよそ45.6まで戻り、売られすぎ・買われすぎの目安である30・70から離れた中立圏に入った。一方でMACDは売り優勢を示し、移動平均線に基づくシグナルは買いゼロに対し売り12個と、短期的には依然として弱気のトレンドが継続していることを示唆する。標準ピボットポイントに基づくサポートは6万2967円・6万2739円、レジスタンスは6万3848円・6万4076円の水準にある(Investing.com)。株探の伊藤智洋氏は、前日安値6万2726円をサポート、7月29日安値6万0448円をその下の節目とし、上値は9月11日高値6万4312円や9月10日高値6万5270円で抑えられやすいとみる(株探)。日経平均VIは前日比0.38ポイント低下の30.68(高値31.17、安値29.84)とやや低下したが、財経新聞は「株価の上値の重さから警戒感の緩和は限定的」と指摘しており、ボラティリティーへの警戒は完全には解けていない(財経新聞)。
グロース市場250指数
前回時点で確認された25日移動平均線・一目均衡表基準線での下値の底堅さは15日も維持され、指数は3.88ポイント高の789.20まで2営業日連続で上昇した。プライム市場が長期金利上昇・原油高で伸び悩むなか、内需関連の中小型株へ資金がローテーション的に向かう流れが続いており、短期的な調整が一巡しつつあることを示唆している(財経新聞(Fisco))。
7. 本日の注目点
- 15・16日(米国時間)に開催中のFOMCの結果が、日本時間17日午前3時ごろに判明する見通し。ウォーシュ議長のタカ派発言を受け市場は約9割の確率で利上げを織り込んでおり、結果とその後の記者会見内容に注目が集まる(外為どっとコム)。
- 前日15日(米国時間)のNYダウは原油先物高と米長期金利上昇が重荷となり328円09セント(0.62%)安の5万2093円11セントと続落しており、16日の東京市場も金利・原油動向を意識した神経質な展開が予想される(日本経済新聞)。
- 光通信によるレオパレス21のTOBを受け、他の不動産関連・非公開化期待銘柄への物色が波及するかが注目される(THE GOLD ONLINE)。
- ソフトバンクグループの信用枠確保を受けたAI・半導体株の戻りが持続するか、それとも一時的な戻りにとどまるかが焦点になる。
- 18日(金)には全国CPI・日銀会合結果・植田総裁会見・米クアドラプルウィッチングが集中し、19日から23日はシルバーウィーク5連休となるため、連休をまたぎたくない持ち高調整の動きが今週前半から強まりやすい。

