前日からの変化
比較対象は前回レポート(2026-08-21付、8月20日〈木〉分の東京市場動向)であり、本レポートが扱う前営業日(8月21日・金)の1営業日前にあたる通常の前日比較である。
変わったこと(変化・新規)
- 日経平均: 前回66,216.79円 → 本日66,016.36円(-200.43円、-0.30%)。前回の大幅反発(+1.36%)から一転して反落。
- TOPIX: 前回4,059.73 → 本日4,067.29(+7.56、+0.19%)。日経平均が下落する一方でTOPIXは上昇するという珍しい逆行現象が発生(東証プライムの値上がり銘柄56.7%・値下がり銘柄39.9%と、幅広い銘柄では買いが優勢だった)。
- グロース250: 前回776.98 → 本日768.47(-8.51、-1.10%)。前回の大幅反発(+4.67%)から一転して反落。
- ドル円: 前回158.4〜158.6円台 → 本日159円前後(一時159.18円)。前日の急速な円高が一巡し、円安方向へ戻した。
- 国内長期金利(新発10年債): 前回15時時点2.845% → 本日一時2.885%(朝方)、12:48時点2.880%。前日の急低下から一転して再上昇。
- 日経平均VI: 前回29.68 → 本日28.38(-1.30、-4.38%)。ただし取引時間中は一時36.03まで上昇する場面があり、警戒感自体は残った。
- 7月全国CPI(コア)が本日発表され、前年比+1.8%(6月+1.6%から2カ月連続で伸び拡大)と、日銀目標の2%は7カ月連続で下回りつつも上昇基調が確認された(前回レポート時点では発表前で、市場予想が幅を持った状態だった)。
昨日と同じこと(継続)
- 日銀9月利上げ観測は高水準で継続(前回「8割に迫る」、本日も野村證券が9月利上げをメインシナリオに据えるなど大きな後退はない)。
- 中東情勢の不透明感・原油高への警戒は継続。
- 値がさAI・半導体株が相場の主役という構図は継続(本日はアドバンテスト・キオクシアHD・東京エレクトロンが押し上げ役、一方でファーストリテイリング・ソフトバンクGが押し下げ役という個別の明暗)。
- 国内長期金利が歴史的高水準圏(30年ぶり圏)にあること自体は継続。
要因の連続性
- 継続要因: 日米長期金利の高止まり傾向(前回は一時的に急低下したが、要因としての金利変動リスクそのものは継続)、日銀9月利上げ観測、中東情勢の不透明感・原油高、値がさAI・半導体株への物色動向(相場の主導役という構図として継続)。
- 新規要因: 前日(8月20日)夜の米国株大幅安(NYダウ-703.84ドル、-1.32%など)を受けた売り先行、7月全国CPIの伸び加速(コア+1.8%、2カ月連続拡大)が日銀早期利上げ観測を後押し、週末を控えたポジション調整の売り、コクサイエレクトリックのMSCIグローバルスタンダード指数組み入れ思惑(8月31日時点)を受けた半導体装置株の底堅さ、海運株(川崎汽船が上場来高値)への物色。
- 解消した要因: 前回相場を押し上げた「米財務省の国債買い入れ消却(バイバック)拡大発表による日米長期金利の急低下・円高」の効果は一巡し、米長期金利が再び上昇に転じたことで、この押し上げ効果は本日は消失した(要因としては逆流)。
市況サマリー
| 指数 |
終値 |
前日比 |
騰落率 |
| 日経平均株価(日経225) |
66,016.36円 |
-200.43円 |
-0.30% |
| 東証グロース市場250指数 |
768.47 |
-8.51 |
-1.10% |
| TOPIX(東証株価指数) |
4,067.29 |
+7.56 |
+0.19% |
(いずれも2026年8月21日(金)の東京市場終値。取得時点: 2026年8月21日大引け後)
出典: 8月21日 大引け 日経平均 66,016.36 (-200.43)、2026年8月21日のマーケット情報、日経平均は反落、売り一巡後に下げ幅縮小するも終日軟調推移
指数別動向
日経平均(日経225)
前日夜の米国株大幅安(ダウ平均-703.84ドル、-1.32%)を受けて売りが先行し、朝方は中東情勢の不透明感や原油高、米長期金利の再上昇への警戒から下げ幅が900円超に達する場面もあった(始値65,427.69円、安値65,260.22円)。ただし後場にかけて売り一巡感が広がり、半導体関連株の一角や海運・鉱業株への買いが下支えとなって下げ幅を縮小、終値は前日比200.43円安の66,016.36円で着地した。東証プライムの値上がり銘柄は56.7%と値下がり銘柄(39.9%)を上回っており、指数の下落幅ほどには地合いは弱くなかった。
寄与度下位(押し下げ)はファーストリテイリング(-222.85円)、ソフトバンクグループ(-106.20円)、リクルートホールディングス(-24.64円)、信越化学工業(-18.44円)、ファナック(-13.58円)。寄与度上位(押し上げ)はアドバンテスト(+130.33円)、キオクシアホールディングス(+32.15円)、東京エレクトロン(+27.15円)、KDDI(+21.92円)、TDK(+15.08円)で、値がさ株の中でも銘柄によって明暗が分かれた。
出典: 日経平均は反落、売り一巡後に下げ幅縮小するも終日軟調推移-財経新聞、日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は反落、ファーストリテやソフトバンクGが2銘柄で約329円分押し下げ-財経新聞、日経平均は200.43円安も「海運業銘柄」は上昇…東証プライム・上昇率1位〈川崎汽船〉が上場来高値となった背景【8月21日の国内株式市場概況】、【速報】日経平均 一時2100円超の値下がり 中東情勢の不透明感や長期金利上昇受けてリスク回避の売り注文増
東証グロース市場250指数
長期金利が再び上昇に転じたことがバリュエーション面での重荷となり、小安く始まった後は売り優勢の展開に。加えて週末を控えたポジション調整の売りも指摘されている。前日までの大幅反発の反動という側面もある。午後は内需株を中心に押し目買いが入り下げ幅を縮小し、終値は前日比8.51安の768.47(-1.10%)で終えた。指数先物は前営業日比2pt安の763ptで、高値768pt・安値752ptのレンジで推移した。
出典: 東証グロース市場250指数先物概況:長期金利上昇や週末のポジション調整で小幅反落-財経新聞、2026年8月21日のマーケット情報-株式ちゃんねる
強気派 vs 弱気派
強気派
弱気派
- 伊藤智洋氏(テクニカルアナリスト、株探「日経平均株価・短期シナリオ」8月21日号): 8月19日安値65,133円が押し目になって上値の重さを再確認する展開か、7月29日安値60,448円割れを試す展開に入っているかのいずれかとの見方。65,133円を割り込むと「上値、下値を切り下げる弱気パターン」をつけて下降トレンドの継続を再確認し、一気に60,448円を目指す可能性があると警戒。
出典: 伊藤智洋が読む「日経平均株価・短期シナリオ」(8月21日記)-株探ニュース
- 土信田雅之氏(楽天証券経済研究所シニアマーケットアナリスト、トウシル): TOPIXの75日移動平均線からの上方乖離率が6%に達し、「移動平均線乖離率が5%を超えると過熱感が出始める」水準に入っていると指摘。日米10年債利回りが高止まりしている点も「株式市場にとってネガティブに働く」とし、8月下旬に控えるジャクソンホール会議を前にイベント通過待ちで週末にかけて相場が失速するリスクにも言及。
出典: 7万円間近、回復基調の日経平均株価だが…投資のプロが警戒する「売りサイン」とは?-トウシル 楽天証券の投資情報メディア
経済ニュース
日銀・金利・為替
テクニカル分析
日経225
- 移動平均線: investing.comのデータ(5日・20日・50日・100日・200日移動平均、8月21日時点)によると、MA5=65,970.40円、MA20=65,841.68円、MA50=67,287.58円、MA100=66,776.92円、MA200=65,600.93円。終値66,016.36円は短期線(5日・20日)を上回るが、中期線(50日・100日)は下回る位置にあり、短期的な反発力と中期的な重さが併存する状態を示唆する。なお、このサイトが採用する移動平均の期間はカテゴリ標準の25日・75日・200日とは異なる点に留意。investing.comの総合判定は「強い売り」(買いシグナル5、売りシグナル7)としている。
- RSI(14日): 参照元により46.448(investing.com)と56.65(投資の森)の差があり、算出方法の違いによるとみられるが、いずれも「買われすぎ」(70以上)・「売られすぎ」(30以下)のいずれでもない中立圏との判定で一致している。
- サポート・レジスタンス: 伊藤智洋氏(株探)の分析では、8月19日安値65,133円が目先の重要な下値支持線とされ、これを割り込むと7月29日安値60,448円が次の下値メドとして意識される。夜間先物ベース(21日夜間取引終了時点)のテクニカルポイントとしては、一目均衡表・転換線67,265.00円、ボリンジャーバンド+1σ 67,565.31円、一目均衡表雲上限68,015.00円、+2σ 69,495.41円などが上値のメドとして示されている(先物の21日夜間清算値は65,510円)。
- 日経平均VI(ボラティリティー・インデックス): 28.38(前日比-1.30、-4.38%)で低下したが、取引時間中は原油高・金利上昇への警戒から一時36.03まで上昇する場面があり、警戒感が完全に和らいだわけではない。
- 騰落レシオ: 8月21日時点の確定値は確認できなかった。直近確認できた値は8月19日時点の25日騰落レシオ118.44で、買われすぎの目安とされる120に接近した水準。
出典: 日経225先物テクニカルポイント(21日夜間取引終了時点)、伊藤智洋が読む「日経平均株価・短期シナリオ」(8月21日記)-株探ニュース、日経平均株価 テクニカル分析-Investing.com、日経平均株価:RSIチャート|投資の森、日経VI:低下、取引時間中は原油高や金利上昇を警戒-財経新聞
東証グロース市場250指数
指数自体は前日比8.51安(-1.10%)の768.47と続落し、長期金利の再上昇によるバリュエーション面の重さと週末のポジション調整が主因とされている。ただし、移動平均線・RSIなど具体的なテクニカル指標の数値については、今回調査した範囲の情報源(松井証券等)では8月21日時点の確定値を確認できなかった。定性的には日経225同様「長期金利への感応度の高さ」が値動きの主因であり、金利上昇局面では下振れしやすい構図が続いているとみられる(数値による裏付けが取れていないため参考情報にとどめる)。
出典: 東証グロース市場250指数先物概況:長期金利上昇や週末のポジション調整で小幅反落-財経新聞
本日の注目点
- 東京市場は8月22日(土)・23日(日)は休場で、次の取引日は8月24日(月)。21日夜間取引の日経225先物は前日清算値比850円安の65,510円で終えており、週明けはやや上値の重い地合いを引き継ぐ可能性がある。
- 来週(8/24〜8/28)の日経平均予想レンジは63,000〜68,000円との見方がある(ダイヤモンド・ザイ)。
- 8月26日(水)にエヌビディアの決算発表を控え、AI・半導体関連株の目先の material として意識される。同日には米7月個人消費支出(PCE)物価指数の発表も予定される。
- 8月下旬に開催予定のジャクソンホール会議(米連邦準備制度年次経済シンポジウム)を控え、金融政策スタンスを巡る思惑から相場が神経質になりやすいとの指摘がある(楽天証券・土信田雅之氏)。
- 国内では、8月19日安値65,133円を維持できるかが伊藤智洋氏(株探)の指摘する目先の分岐点として引き続き注視される。
- 来週の決算発表は、タカショー・INV(8/25)、ホテルリート(8/26)、DyDo・アイダエンジニアリング(8/27〜28)などが予定されている。
- 為替・金利面では、ドル円が159円台を維持するか、国内長期金利がさらに上昇して過去30年ぶりの高水準を更新するかが焦点。9月17〜18日の日銀会合に向けた思惑も相場の重石・支えの双方に働きうる。
出典: 来週(8/24〜8/28)の日経平均株価の予想レンジは6万3000〜6万8000円!-ダイヤモンド・ザイ、日経225先物テクニカルポイント(21日夜間取引終了時点)、7万円間近、回復基調の日経平均株価だが…投資のプロが警戒する「売りサイン」とは?-トウシル
参考リンク