1. 市況サマリー(前営業日 2026年8月17日時点)
| 指数 |
終値 |
前日比 |
騰落率 |
| 日経平均株価(日経225) |
69,220.25円 |
+506.45円 |
+0.74% |
| 東証グロース市場250指数 |
763.46pt |
+5.46pt |
+0.72% |
| TOPIX |
4,184.11pt |
-13.09pt |
-0.31%(9営業日ぶり反落) |
出典: 日本経済新聞・日経平均株価5日続伸、東証グロース指数は続伸、材料株などに積極的な物色(財経新聞)、TOPIXが9日ぶり反落(日本経済新聞)
2. 指数別動向
日経225
日経平均株価は5営業日続伸し、終値は69,220.25円(前日比506.45円高、プラス0.74%)。7月6日以来となる6万9千円台を回復した。日中高値は69,225.57円、安値は68,492.04円。値上がりをけん引したのは半導体関連で、寄与度ランキングではアドバンテスト(寄与度約219.64円、株価37,780円・前日比910円高)とキオクシアホールディングス(寄与度約190.07円、株価61,840円・前日比8,100円高)の2銘柄だけで指数を約409円押し上げた。キオクシアホールディングスは個別銘柄の値上がり率でも上位に入り、プラス15.07%の急伸となった。このほかソフトバンクグループ(寄与度約118.27円)、東京エレクトロン(寄与度約96.54円)、フジクラ(寄与度約83.07円)も指数を押し上げた。日本経済新聞は「好業績やインフレ加速が相場全体を支える構図は変わっていない」と分析している。
出典: 日本経済新聞・日経平均株価5日続伸、日本経済新聞・日経平均終値506円高、財経新聞・日経平均寄与度ランキング
一方でTOPIXは同日、4,184.11(前日比13.09ポイント安、マイナス0.31%)と9営業日ぶりに反落した。4〜6月期の好業績を背景とした上昇が続いていた反動で、テクニカル面の過熱感が意識され、TOPIX採用銘柄の約6割が値下がりするなど幅広い業種で利益確定売りが出た。日経平均が主力の半導体・AI関連株に支えられて上昇する一方、TOPIX全体では売りが優勢という対照的な展開となり、日経平均とTOPIXの値動きの乖離(いわゆるNT倍率)が拡大している。この背景として、業績拡大が一部の大型優良企業に偏っていることや、海外投資家・パッシブ資金が流動性の高い大型株、特にAI関連銘柄に集中していることが指摘されている。
出典: 日本経済新聞・TOPIXが9日ぶり反落、日本総合研究所・TOPIXと日経平均の乖離
東証グロース市場250指数
東証グロース市場250指数(現物)は763.46ポイント(前日比5.46ポイント高、プラス0.72%)で続伸し、値上がり銘柄313、値下がり銘柄237、変わらず43だった。決算発表が一巡したことを受けて改めて好決算銘柄を見直す動きが強まったほか、日経平均株価の上昇を好感して引けにかけて買いが優勢となった。指数先物も756ポイント(前日比12ポイント高、高値758ポイント・安値749ポイント)で取引を終えている。
出典: 財経新聞・東証グロース指数は続伸、財経新聞・東証グロース市場250指数先物概況
3. 強気派 vs 弱気派
強気派
- 野村證券のストラテジストは、日経平均株価の見通しを2026年末7万円に上方修正している。根拠として、2026年度のTOPIXベースEPS(1株当たり利益)を210程度と試算し、これはアナリストコンセンサスの204を約3%上回る水準であること、自社株買いが20兆円超に達し需給が改善していること、個人投資家の買い意欲が根強いことを挙げている。
出典: 野村ウェルスタイル・日経平均株価見通しを2026年末70,000円に上方修正
- Bloombergの週間展望では、米国の利上げ観測後退や国内の堅調な経済指標(4〜6月期GDPの3四半期連続プラス成長など)が相場の支えになるとの見方が示されている。7月の消費者物価指数の発表次第では、インフレ加速が日銀の早期利上げ観測を強め、銀行・保険など金融株の追い風になり得るとも指摘している。
出典: Bloomberg・日本株週間展望(Yahoo!ファイナンス)
弱気派
- DZHフィナンシャルリサーチの東野幸利チーフストラテジストは、市場コンセンサスベースのPER(株価収益率)が17倍前後まで低下してきたことを踏まえつつ、TOPIXの月次騰落率の過去平均で見ると8月は20年平均・30年平均ともに年間で最もパフォーマンスが悪い月であると指摘。8月前半の上昇は6月につけた史上最高値に対する戻り高値にとどまる可能性があるとして「高値掴みには注意が必要」と警告している。
出典: マネクリ(楽天証券)・8月は前半高・後半安となる可能性
- 日本経済新聞は、8月17日のTOPIX反落について、4〜6月期の好業績を背景とした上昇が続いていた反動でテクニカル面の過熱感が意識され、幅広い業種で利益確定売りが目立ったと報じている。日経平均についても、RSI(9日ベース)が89.8%まで上昇するなど短期的な過熱感を示す水準にあり、上値では利益確定売りが出やすい状況にあるとの見方がある。
出典: 日本経済新聞・TOPIXが9日ぶり反落、外為どっとコム・日経平均株価テクニカル分析
4. 経済ニュース
経済指標: 4〜6月期実質GDP速報値(8月17日8時50分発表)
内閣府が発表した2026年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.3%増、年率換算で1.1%増となり、3四半期連続のプラス成長となった。もっとも、事前の民間予測平均を下回る結果となった。ガソリン補助金など政府の物価高対策が景気を下支えした一方、個人消費は前期比0.02%減と8四半期ぶりのマイナスに転じ、消費の弱さが目立った。輸出は前期比0.5%増と3四半期連続のプラスだった。また、名目GDPは年換算687.7兆円と過去最高を更新し、研究開発投資の拡大が寄与した。
出典: 日本経済新聞・4〜6月の実質GDP年率1.1%増、日本経済新聞・名目GDP687.7兆円で過去最高、Yahoo!ニュース(共同通信)・4〜6月のGDP年率1.1%増、民間予測下回る
注目個別銘柄
- キオクシアホールディングス: 株価プラス15.07%。半導体・AI関連への物色が続くなか、日経平均の押し上げ寄与度でもアドバンテストに次ぐ規模となった。
- アドバンテスト: 半導体検査装置大手として、日経平均の押し上げ寄与度トップ(約219.64円)。
- サンリオ: 8月10日発表の第1四半期決算は増収増益で売上高・営業利益ともに四半期として過去最高を更新。アナリストコンセンサスは「強気」を維持し、平均目標株価は現状から2割超の上値余地があるとされている。
- ソフトバンクグループ・東京エレクトロン: 半導体・AI関連の買いを受けて日経平均を押し上げた主力銘柄。
出典: 日本経済新聞・日経平均終値506円高、財経新聞・日経平均寄与度ランキング、EBC Financial Group・サンリオの株価上昇、みんかぶ・サンリオ アナリスト予想株価
5. 日銀・金利・為替
日銀は9月17〜18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%に引き上げることを想定していると伝えられている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が織り込む9月利上げの確率は約8割まで上昇しており、年内2回の利上げも視野に入っているとされる。利上げ観測が強まっている背景には、7月の企業物価指数が前年比7.2%上昇と2カ月連続で7%を超える高水準が続いていることに加え、7月末に日米両政府が実施した協調為替介入がある。
長期金利(新発10年物国債利回り)は8月17日、前週末終値比0.040%高い2.915%まで上昇する場面があり、一時2.930%まで上昇。1996年9月以来、約30年ぶりの高水準となった。日銀の早期利上げ観測の強まりを受け、投資家の間で債券売りや買い手控えの姿勢が強まっている。
為替市場では、8月17日の東京市場でドル円は正午時点で1ドル159円03〜04銭と、前週末の159円20〜21銭に比べてやや円高・ドル安の水準で推移した。17時時点では158円95〜97銭まで円高が進み、3営業日続伸となった。国内輸出企業による実需のドル売り・円買いが観測されたほか、日銀の利上げ観測もドル円の上値を抑える要因となった一方、原油先物価格の高止まりが下値を支えた。長期金利の上昇と円高が同時に進んでいることは、内需関連株には追い風、輸出株には逆風となりうる構図であり、市場では引き続き日銀の政策運営が注目されている。
出典: ロイター(Yahoo!ニュース)・日銀、早ければ9月利上げを想定、日本経済新聞・日銀9月利上げ予想8割迫る、Infoseekニュース(読売新聞)・長期金利一時2.915%に上昇、外為どっとコム・17日の東京外国為替市場
6. テクニカル分析(日経225・グロース市場250指数)
日経225は8月17日時点で、5日移動平均線(68,147円)・10日移動平均線(66,603円)・25日移動平均線(65,906円)・50日移動平均線(67,262円)のいずれも現在値(69,220.25円)を下回っており、短期・中期ともに株価が各移動平均線の上に位置する上昇基調にあるとされる水準。ただしRSI(9日ベース)は前日の81.2%からさらに89.8%まで上昇しており、一般に70%以上は買われすぎの目安とされることから、短期的にはかなり強い過熱感が意識される水準にある。上値のめどとしては心理的な節目である70,000円・71,000円のほか、7月1日高値の71,962円、6月22日高値の72,831円が意識される。下値のめどとしては68,000円、8月5日高値の66,302円、65,000円が挙げられている。補助指標としては、6日ベースの騰落レシオが8月14日時点で202.39と高値圏にあり、過熱感からの反動を警戒する声がある一方、日経平均VI(ボラティリティー・インデックス)は8月17日に前日比1.49ポイント低下の29.47となり、市場が想定する変動リスクはやや和らいでいる。
東証グロース市場250指数は、決算一巡後の見直し買いや日経平均の上昇を受けて0.72%高と続伸したが、移動平均線・RSIなど個別のテクニカル指標について出典を明示できる具体的数値は本日確認できなかったため、本レポートでは断定を避ける。金利感応度の高いグロース株は、前述の長期金利上昇(30年ぶり高水準)が重荷になりうる一方、好決算銘柄への物色が下支えとなっている構図が続いている。
出典: 外為どっとコム・日経平均株価テクニカル分析、Yahoo!ニュース(みんかぶ)・騰落レシオ関連、株探・日経VI
7. 本日の注目点
- ジャクソンホール会議: 米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ世界の中央銀行関係者が集まる年次会議が今週開催予定で、米利下げ観測の行方を左右する最大の注目イベントとされる。
- 米小売決算: ウォルマートなど米大手小売企業の決算発表が予定されており、米個人消費の強さを見極める材料として注目される。
- 国内決算: サニックスホールディングス、パンパシフィックホールディングスなど今週(8月17〜21日)にかけて決算発表が相次ぐ。サンリオなど好決算銘柄への物色が続くか、百貨店株への株高期待、関税懸念を背景とした半導体株の値動きも注目点。
- 日銀・為替: 9月の利上げ時期をめぐる思惑や、政府・日銀による為替介入への警戒感が引き続き相場の材料となる見込み。
- 来週にかけての日経平均の予想レンジは66,000円から72,000円とされ、7万円台回復への期待と、達した場合の利益確定売りとの綱引きが引き続き注目点となる。
出典: Yahoo!ニュース(ダイヤモンドZAi)・デイリーZAi8月18日号、ダイヤモンドZAi・来週の日経平均予想レンジ、株探・日経225先物概況
参考リンク