前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 前回予告していたオートゾーン・THORインダストリーズ・ミラーノル・KBホーム・ワージントン・エンタープライズの5社すべてが22日に決算を発表し、結果が出そろった。オートゾーンのEPSは56.05ドルとコンセンサス(54.08〜54.30ドル)を大きく上回り、株価は6%超上昇した。売上高は65億9,500万ドルとコンセンサス(66億8,100万ドル)にわずかに届かなかったが、粗利益率が前年から182ベーシスポイント拡大し53.3%となったことが好感された。この結果を受け同業のアドバンス・オートパーツが5%高、オライリー・オートモーティブも4%高と、両社は自社の決算発表前にもかかわらず連れ高となった(新規、GlobeNewswire、Yahoo Finance)。
  • THORインダストリーズは第4四半期の売上高が23.1億ドル(前年比-8.4%)、希薄化後EPSが0.78ドル(前年の2.36ドルから66.9%減)と大幅減益だったが、売上高がコンセンサス(21.7億ドル)を上回ったことが好感され、株価は+5.29%の73.64ドルまで上昇した。同社株は52週安値(67.31ドル)近辺まで売り込まれていたところからの反発で、事前の弱気な織り込みを下回らなかったことが買い材料となった(新規、PR Newswire、Yahoo Finance)。
  • ミラーノルの調整後EPSは0.53ドルとコンセンサス0.35ドルを大きく上回った。売上高は9億2,340万ドル(前年比-3.4%)とわずかに予想を下回ったが、受注高は前年比+3.2%の9億1,390万ドルと増加に転じた(新規、GuruFocus)。
  • KBホームの調整後EPSは1.05ドルとコンセンサス0.89ドルを上回った。売上高は13億ドルで予想通りだった(新規、Investing.com)。
  • ワージントン・エンタープライズの調整後EPSは0.82ドルとコンセンサス0.75ドルを上回り、売上高も3億4,390万ドル(前年比+13%)とコンセンサス3億3,130万ドルを上回った。フリーキャッシュフローは前年の2,790万ドルからほぼ倍増の5,400万ドルとなり、株価は12%急伸した(新規、Investing.com)。

昨日と同じこと(継続)

  • 住宅ローン金利の高止まりによる住宅需要減速というテーマは、KBホームの減収決算という形で改めて裏付けられた(継続)。
  • 9月23日(水)のゼネラル・ミルズ等、9月24日(木)のダーデン・レストランツ・コストコ・ホールセールの決算発表予定に変わりはない。

要因の連続性

  • 継続要因: 住宅ローン金利の高止まりによる住宅需要減速(KBホーム)、鉄鋼・燃料など原材料コスト高による耐久財メーカーの利益率圧迫(ミラーノル・THORインダストリーズ)。
  • 新規要因: オートゾーンの粗利益率拡大という「値上げ耐性」を示す新材料、THORインダストリーズの「悪材料出尽くし」的な株価反応、住宅・耐久財セクター全体で「予想を下回らなかった」ことが好感される地合いの変化。
  • 解消した要因: 決算発表前に市場が抱いていた「住宅・耐久財は軒並み下振れするのではないか」という警戒感は、ふたを開けてみればEPSベースでは5社中5社が予想を上回ったことで、部分的に後退した。

1. 本日のハイライト

銘柄 EPS(実績) コンセンサス比 売上高(実績) 株価反応
オートゾーン(AZO) 56.05ドル 大幅超過(予想54.08〜54.30ドル) 65.95億ドル(コンセンサス66.81億ドルにわずかに届かず) +6%超
THORインダストリーズ(THO) 0.78ドル(前年比-66.9%) 予想0.91〜0.95ドルを下回るも売上高は予想超過 23.1億ドル(コンセンサス21.7億ドル超過) +5.29%
ミラーノル(MLKN) 0.53ドル(調整後) 予想0.35ドルを大幅超過 9.234億ドル(前年比-3.4%、予想をわずかに下回る) 受注は+3.2%と改善
KBホーム(KBH) 1.05ドル 予想0.89ドルを超過 13億ドル(予想通り) ―
ワージントン・エンタープライズ(WOR) 0.82ドル(調整後) 予想0.75ドルを超過 3.439億ドル(前年比+13%、予想超過) +12%

(取得時点: 米国現地9月22日発表分。出典: GlobeNewswireほか各社決算資料)

2. 個別決算

オートゾーン(AZO)

2026会計年度第4四半期(6〜8月)の決算で、希薄化後EPSは56.05ドルとコンセンサス(54.08〜54.30ドル、情報源により幅がある)を大きく上回った。売上高は65億9,500万ドル(前年同期比+5.6%)とコンセンサス66億8,100万ドルにわずかに届かなかったが、粗利益率が前年から182ベーシスポイント拡大し53.3%となったことが評価された。全社ベースの既存店売上高は+2.7%(国内+1.6%、国際+10.7%)。通期では売上高203億ドル(前年比+7.4%)、EPSは152.55ドル(前年の144.87ドルから+5.3%)、営業利益は13億1,700万ドル(+10.1%)、営業利益率は81ベーシスポイント拡大し20.0%となった。四半期中に米国97店・メキシコ68店・ブラジル10店、計175店を新規出店した。株価は6%超上昇し、同業のアドバンス・オートパーツ(+5%)・オライリー・オートモーティブ(+4%)にも買いが波及した(GlobeNewswire、Yahoo Finance)。

THORインダストリーズ(THO)

2026会計年度第4四半期(5〜7月)の決算で、売上高は23.1億ドル(前年比-8.4%)、希薄化後EPSは0.78ドル(前年の2.36ドルから66.9%減)と大幅な減益となった。通期では売上高96.1億ドル(前年比+0.3%、ガイダンス上限を上回る水準)、EPSは3.38ドル(前年の4.84ドルから-30.2%)。北米のタウアブル(牽引型)・モータライズド(自走型)両部門は2桁減収・減益で、モータライズド部門は税引き前赤字に転落した一方、欧州部門は+5.0%の増収で受注残も+8.4%と相対的に堅調だった。金利の高止まり・燃料costs高・インフレが家計の可処分所得を圧迫したことを減益要因として説明した。2027会計年度の具体的なガイダンスは、9月下旬の業界イベント(Hershey show、Elkhart Open House)の内容を見極めてから示すとして提示を見送ったが、リストラ施策が完了すれば年間1億ドル超のコスト削減を見込むとした。市場が事前に織り込んでいた弱気シナリオを下回らなかったことから、株価は52週安値圏から+5.29%の73.64ドルまで反発した(PR Newswire、Yahoo Finance)。

ミラーノル(MLKN)

2027会計年度第1四半期の決算で、調整後EPSは0.53ドルとコンセンサス0.35ドルを大きく上回った。売上高は9億2,340万ドル(前年比-3.4%)とわずかに予想を下回ったものの、受注高は前年比+3.2%の9億1,390万ドルと増加に転じ、需要の底打ちを示唆する内容だった。5月に就任したジェフ・スタッツCEOにとって最初の本格決算だったが、利益率の防衛には成功した形となった(GuruFocus)。

KBホーム(KBH)

2026会計年度第3四半期の決算で、調整後EPSは1.05ドルとコンセンサス0.89ドルを上回った。売上高は13億ドルで予想通りだったが、前年同期(16.2億ドル)からは減収が続いている。住宅ローン金利の高止まりによる需要減速というテーマそのものは変わっていないが、利益面ではコスト管理により予想を上回る結果を確保した(Investing.com)。

ワージントン・エンタープライズ(WOR)

2027会計年度第1四半期の決算で、調整後EPSは0.82ドルとコンセンサス0.75ドルを上回った。売上高は3億4,390万ドル(前年比+13%)とコンセンサス3億3,130万ドルを上回り、前四半期に予想を8.5%下回っていた反動から回復した。調整後EBITDAは+10%の7,400万ドル、フリーキャッシュフローは前年の2,790万ドルからほぼ倍増の5,400万ドルとなり、株価は12%急伸した(Investing.com)。

3. 経営陣が語ったこと

THORインダストリーズの経営陣は、金利の高止まり・燃料コスト上昇・インフレが家計の可処分所得を圧迫し、リテール需要を弱めたと説明した。2027会計年度については「おおむね横ばいの小売環境」を見込むとしつつ、9月下旬の業界イベントでの情報を踏まえて詳細なガイダンスを示すとして即断を避けた(PR Newswire)。

4. 業界トレンド

22日に発表された5社を横断すると、「EPSは軒並み予想を上回ったが、売上高・トップラインは業種によってまちまち」という構図が浮かび上がる。自動車アフターマーケットのオートゾーンは増収増益で粗利益率も拡大し、新車価格の高止まりを背景に既存車の修理・整備需要が底堅いという構図が改めて裏付けられた。一方、住宅(KBホーム)・RV(THORインダストリーズ)・オフィス家具(ミラーノル)・金属製品(ワージントン)といった耐久財各社は、いずれも減収または減益基調にありながら、コスト管理や受注動向の改善によって市場予想を上回る利益を確保した。「トップラインの逆風が続く中でも、企業はコスト構造の見直しで市場予想を上回る」という、決算シーズン前半に共通するパターンが見えてくる。

5. 決算シーズンの進捗

主要な決算シーズン(1・4・7・10月中心)の谷間にあたる時期であり、S&P500全体の集計進捗について確度の高い最新情報は本レポート作成時点で確認できなかった(次回以降で補う)。

6. 次の注目決算

  • ゼネラル・ミルズ / クラッカー・バレル / ペイチェックス / シンタス: 9月23日(水)寄り前に発表予定(継続)。
  • H.B.フラー / スティッチ・フィックス: 9月23日(水)引け後に発表予定(継続)。
  • ダーデン・レストランツ: 9月24日(木)寄り前に発表予定(継続)。
  • コストコ・ホールセール: 9月24日(木)引け後に2026会計年度第4四半期・通期決算を発表予定(継続)。