前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 原油(WTI)は前回終値95.99ドルから4.21ドル安の91.78ドルまでさらに下落し、ブレントも100.07ドルまで軟化した。イラン高官が22日、米国が海上封鎖の解除と軍事的圧力の緩和に動けば、原油輸送の要衝ホルムズ海峡を「7日以内」に開放する用意があると表明したことが直接の材料となった。同日開幕した国連総会一般討論演説にイランのペゼシュキアン大統領・アラグチ外相が出席し、対話再開への意欲を示したことも材料視された(新規、時事通信、Investing.com)。
  • 金は4,358.80ドル(前日比+16.00ドル)まで上昇し、日中は4,330ドルを上回る水準で堅調に推移した。ドル指数が100.48近辺、米長期金利が5%近辺で高止まりする中でも底堅さを維持した背景として、中国の金輸入が8月までに1,000トンを超え、2025年通年の総量を上回る記録的水準に達したことが新たに判明した。人民元高と投資需要の強さが輸入承認枠の拡大につながっているという(新規、Yahoo Finance、Kitco)。
  • 銀はスポットで66.97ドル(+1.63%)まで上昇し、金よりも大きな上げ幅となった。原油安によるインフレ懸念の後退が株式同様のリスクオン地合いを生み、銀を押し上げた一方、金はドル高・金利要因で上値が抑えられるという対照的な値動きとなった(新規、Kitco)。
  • 銅(LME3カ月物)は1トン14,750〜14,770ドル近辺まで上昇し、6営業日続伸となった。中国国内で9月25日・10月1〜7日の連休を控えた在庫積み増し期待に加え、陽山銅プレミアム(中国の輸入銅需要を示す指標)が先週末124ドル/トンと約4年ぶりの高水準に達するなど、現物市場の逼迫が意識されている。9月10日に付けた最高値(1トン14,875ドル)に迫る水準である(新規、Bloomberg)。
  • 穀物は中国の需要期待を背景に堅調で、トウモロコシは544.05セント/bu(+0.19%)まで上昇した一方、大豆は1,325セント/bu(-0.23%)、小麦は717.37セント/bu(-1.29%)とまちまちの展開となった(新規、Rio Times)。

昨日と同じこと(継続)

  • FRBが9月16日に決定した利上げ(3.75〜4.00%)を受けたドル高・米金利高止まりという構図が、金の上値を抑える要因として引き続き働いている(継続、詳細はecon_indicatorsカテゴリ参照)。
  • サウジアラビアの東西パイプラインは全面復旧までなお時間を要する見通しに大きな進捗はなく、供給不安の芯は完全には解消していない(継続)。

要因の連続性

  • 継続要因: FRBの利上げを受けたドル高・金利高止まり(金の重し)、サウジパイプラインの供給不安、銅の中国実需・供給逼迫。
  • 新規要因: イラン高官によるホルムズ海峡「7日以内開放」提案という外交進展の具体化、中国の金輸入が記録的水準に達したという新統計、中国の連休前在庫積み増し期待による銅の一段高。
  • 解消した要因: 特になし。原油の地政学リスクプレミアムはイラン外交進展によりさらに後退した。

1. 価格サマリー

商品 価格(目安) 変化 限月・指標
金 4,358.80ドル(9/22) 前日比+16.00ドル(+0.37%) スポット目安(Kitco)
銀 66.97ドル前後(9/22) +1.63% スポット目安
WTI原油 91.78ドル(9/22) 前日比-4.21ドル(-4.4%) NYMEX期近
ブレント原油 100.07ドル(9/22) 軟化 ICE期近
銅 14,750〜14,770ドル/トン(9/22) +0.61〜0.7%、6営業日続伸 LME3カ月物
トウモロコシ 544.05セント/bu(9/22) +0.19% CBOT
大豆 1,325セント/bu(9/22) -0.23% CBOT
小麦 717.37セント/bu(9/22) -1.29% CBOT

原油の一段安と金の堅調さが併存する中、銅は中国需要を背景に最高値圏に迫る独歩高となった(Kitco、Bloomberg)。

2. 商品別動向

金・銀

金は4,358.80ドル(前日比+16.00ドル)まで上昇し、日中は4,330ドルを上回る水準を維持した。ドル指数が100.48近辺、米10年債利回りが5%近辺で高止まりする中でも上値を試す動きとなった背景には、中国の金輸入が8月までに1,000トンを超え2025年通年の総量を上回る記録的水準に達したことがある。人民元高と投資需要の強さが輸入承認枠の拡大につながっているという(前年比+17.8%の水準)。銀はスポットで66.97ドル(+1.63%)と金より大きく上昇し、原油安によるリスクオン地合いの恩恵をより強く受けた(Yahoo Finance、Kitco)。

原油

WTIは91.78ドル(前日比-4.21ドル)、ブレントは100.07ドルまで続落した。イラン高官が22日、米国が対イラン海上封鎖の解除・軍事的圧力の緩和に動くことを条件に、ホルムズ海峡を7日以内に開放する用意があると表明したことが直接の材料となった。国連総会一般討論演説にイランのペゼシュキアン大統領・アラグチ外相が出席し対話再開に意欲を示したことも外交進展への期待を高めた(時事通信、Investing.com)。

銅

LME3カ月物銅は1トン14,750〜14,770ドル近辺まで上昇し6営業日続伸となった。中国国内で9月25日および10月1〜7日の連休を控えた在庫積み増し期待に加え、陽山銅プレミアム(中国の輸入銅需要を示す指標)が先週末124ドル/トンと約4年ぶりの高水準に達するなど、現物市場の逼迫が意識されている。一部の輸入銅は倉庫を経由せず直接加工業者に渡っているため、スポット供給の逼迫感がより強まっているという。9月10日に付けた最高値(1トン14,875ドル)に迫っており、24日の米中首脳会談を控えた思惑も相場を支えている(Bloomberg)。

天然ガス・農産物

天然ガスは確度の高い新規情報が確認できなかった(次回以降で補う)。農産物では中国の需要期待を背景にトウモロコシが544.05セント/bu(+0.19%)まで上昇した一方、大豆は1,325セント/bu(-0.23%)、小麦は717.37セント/bu(-1.29%)とまちまちの展開となった(Rio Times)。

3. 急変動の特集

原油(WTI)は9月22日の1営業日で前日比-4.4%(95.99ドル→91.78ドル)の急落となり、9月21日の下落(-2.1〜-3.4%)に続く2日連続の大幅安となった。震源はイラン高官による「ホルムズ海峡を7日以内に開放する用意がある」という発言で、米国が海上封鎖の解除・軍事的圧力の緩和に動くことが条件とされる。国連総会一般討論演説へのイラン代表団の出席も、対話再開への地ならしとして材料視された。生活・産業への波及としては、ガソリン・軽油など川下製品への値下がり圧力につながる一方、あくまで「イラン高官の提案」の段階であり米国側の正式な反応は本レポート作成時点で確認できておらず、外交合意の確定とは言えない点には注意が必要である(時事通信、Investing.com)。

4. 強気派 vs 弱気派

原油

  • 弱気: 時事通信・Investing.comは、イラン高官のホルムズ海峡開放提案を受け、市場が地政学リスクの一段の後退を織り込んでいると報じた(新規、時事通信)。
  • 強気: サウジアラビアのパイプライン全面復旧にはなお時間を要する見通しで、供給不安が完全には払拭されていないとの見方は継続している(継続)。

金・銀

  • 弱気: Kitcoは、ドル指数の高止まり(100.48近辺)と米長期金利の5%近辺での高止まりが金の上値を抑えていると指摘した(継続、Kitco)。
  • 強気: 中国の金輸入が記録的水準に達しているという新統計は、実需に基づく下支え材料として新たに意識されている(新規、Yahoo Finance)。

銅

  • 強気: Bloombergは、中国の連休前在庫積み増し期待と陽山銅プレミアムの約4年ぶり高水準を根拠に、供給逼迫による一段高の可能性を指摘した(新規、Bloomberg)。

5. 地政学・物価関連ニュース

イラン高官によるホルムズ海峡「7日以内開放」提案は、原油の地政学リスクプレミアムをさらに後退させる材料となった。一方、これはあくまで提案段階であり、米国側の正式な受諾やサウジパイプラインの全面復旧といった供給面の不確実性は残る。原油安はエネルギーコストを通じた物価押し下げ要因になり得る一方、FRBが年内あと1回の追加利上げを示唆していることもあり、金融政策と資源価格の綱引きが続いている(詳細はecon_indicatorsカテゴリ参照)(時事通信)。

6. テクニカル分析

金: 4,358.80ドルまで上昇し、日中は4,330ドルを上回る水準を維持した。ドル高・金利高という逆風の中でも底堅さを見せており、中国の実需(記録的な金輸入)が下値を支えている可能性がある。具体的な移動平均線・RSIの最新数値は本レポート作成時点で確度の高い情報を確認できなかった(次回以降で補う)。

銀: 66.97ドル前後まで上昇し、金を上回るパフォーマンスとなった。リスクオン地合いの追い風を受けやすい銀特有の値動きが表れている。

WTI原油: 91.78ドルまで下落し、2営業日連続の大幅安となった。心理的節目の90ドルが目先のサポートとして意識される水準に接近している。

銅: 6営業日続伸で9月10日の最高値(14,875ドル/トン)に迫っており、上向きのトレンドが継続している。中国の連休(9月25日、10月1〜7日)を挟んだ需給動向が当面の焦点となる。

農産物: トウモロコシが中国需要期待で上昇する一方、大豆・小麦は軟調とまちまちの展開が続いている。