前回からの変化
前回(2026-10-11、前日)との比較である。週末のため、前回から大きく動いた案件は確認できなかった。
変わったこと(変化・新規)
- ビットコインは前回の83,005.56ドルから83,547.84ドルへ(542.28ドル高)、イーサリアムは2,512.24ドルから2,534.55ドルへ(22.31ドル高)。価格サイトの表示値同士の比較で、取得時刻は異なる(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)
- 特集は、前回の端末ウォレット経由の送金から、銀行が預金を手放さずに使えるトークンの話題へ移った
昨日と同じこと(継続)
- サムスンのUSDC送金は、10月最終週の開始予定のまま。開始の確認は今後の課題である(Cointelegraph)
- NCUAのステーブルコイン報告案は、意見募集の期限12月8日、実施目標2027年3月31日のまま変わらない(Bitcoin.com News)
- タイの暗号資産ETF解禁(10月16日施行)は、前回のレポートのまま日程に変更はない
- 当局が既存の枠組みで個別にルールを整える流れが続く
要因の連続性
- 継続要因: 米国の当局がGENIUS法(米国のステーブルコイン法)に沿って細則を整える動きと、既存の事業者がステーブルコインを自社サービスに組み込む動き
- 新規要因: なし(週末のため新規案件は確認できなかった)
- 解消した要因: なし
市況ひとこと
ビットコインは83,547.84ドルで、24時間では0.66パーセント高だった。イーサリアムは2,534.55ドルで、24時間では1.06パーセント高である。数値は10月12日朝にサイトで確認した表示値で、取得時刻の記載はない。大きな変動はなく、特記する理由はない。同サイトは、ビットコインの上場投資信託(ETF)が3か月で最大の週間資金流出となったと伝えている(CoinDesk: Bitcoin price today、CoinDesk: Ethereum price today)。
社会実装・インフラへの採用
週末のため、前日〜実行時点に発表された新規の案件は、今回の調査で確認できなかった。以下は前回紹介した案件の続報確認である。
サムスン、ウォレットでUSDCの保有と送金(続報確認)
- 誰が・何を: 韓国のサムスンが、米国の対象のGalaxy端末の標準ウォレット「Samsung Wallet」でUSDC(Circleが発行するドル連動のステーブルコイン)の保有と送金を可能にする
- 段階: 発表済み(10月8日)。提供開始は10月最終週の予定で、現時点で開始の確認はできていない
- トークンの扱い: USDCそのものが使われる。利用者が秘密鍵を持たない預託型である(Cointelegraph)
各国の法改正・規制
米国
- NCUA(国家信用組合管理機構)が10月9日に公表した、ステーブルコインを扱う信用組合向けの26項目の報告案は、意見募集中である。パブリックコメントの期限は12月8日、実施の目標は2027年3月31日となっている。段階は意見募集中で、次はコメント期限である(Bitcoin.com News)
日本
- 暗号資産取引の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正法は、2026年7月23日に公布済みで、暗号資産に関する規定は公布から1年以内に施行される。インサイダー取引規制の新設や、暗号資産交換業者への規制強化が含まれる。本日、新たな進捗の発表は確認できなかった(ビジネスロイヤーズ)
EU・その他
- EUとその他の国・地域で、今回新たに確認できた制度の動きはない。タイのETF解禁(10月16日施行)は前回の案内のまま日程に変更はない。
特集: 新しいビジネスの形
預金とステーブルコインを兼ねるトークンを、小規模な銀行が発行する
直近2週間の特集は、トークン化預金のネットワーク、第三者による株式のトークン化、端末ウォレット経由の送金などだった。今回は、小規模な銀行が自行の預金を保ったままブロックチェーン上のトークンとして使える仕組みを取り上げる。出典の記事は2025年10月24日付で、新しい発表ではなく事例の紹介である。
- 仕組み: 米ワイオミング州のカストディア銀行(Custodia Bank)とテキサス州のバンテージ銀行(Vantage Bank)が、銀行の預金を裏付けにしたトークンを発行する。預金者のウォレットは銀行の管理下にあり、既存のオンラインバンキングと連携する。トークンは預金としても、ステーブルコインのように送金手段としても使えるとされる(crypto.news)
- 誰がどう稼ぐのか: 記事は収益の配分を明らかにしていない。強調されているのは、預金が銀行の外の暗号資産事業者に流出する(預金流出)のを防ぎ、銀行が預金を保てる点である
- 既存のやり方との違い: 専用の事業者が発行するステーブルコインと違い、預金そのものが決済に使える。この方式は、銀行が決済の入口を失わないための一つの手段と位置づけられる(筆者の整理)
- 課題・リスク: 記事は、伝統的な銀行団体がステーブルコインの利回り(報酬)が預金を奪うことを懸念している、と伝えている。この種のトークンの本格的な普及は確認できていない
- 具体例: Custodia Bank、Vantage Bank。決済基盤はInfinantのInterlaceネットワークが支える。カストディアは決済用ステーブルコインの発行者として許可を持つとされる
業界トピック
セキュリティ事件や取引所の大きな動きは、今回の調査範囲では新たに確認できなかった。

