前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • 上海総合指数は前日比27.32ポイント高(0.71%高)の3891.60ポイントで取引を終え、前回まで4営業日続いていた続落から一転して反発した。深セン成分指数は1.26%高、CSI300(滬深300)は30.23ポイント高(0.68%高)の4480.27ポイント、創業板指数は1.96%高となり、いずれも上海総合を上回る強さを見せた。上海・深セン合計の売買代金は1兆8400億元、全市場で4100超の銘柄が上昇した(新規、FX168)。
  • 半導体関連銘柄が集まる科創50指数は64.23ポイント高(4.14%高)の1616.19ポイントまで急伸したことが新たに判明した。中国政府が2026〜2030年を対象とする「電子情報製造業発展第15次5カ年計画」を公表し、対象企業の合計売上高を2030年までに30兆元(約4.4兆ドル)超とする目標、研究開発投資比率を売上高の3.5%へ引き上げる方針を示したことが背景。集積回路・先端コンピューティング・消費者向け電子機器・基盤電子部品・エネルギー電子が重点分野とされた(新規、21経済網)。
  • 香港ハンセン指数は46.54ポイント高(0.19%高)の24713.78ポイントで小反発した。ハンセンテック指数は34.11ポイント高(0.79%高)の4325.45ポイント、国企指数(旧H株指数)は1.46ポイント高(0.02%高)の8206.37ポイント、レッドチップ指数は9.61ポイント高(0.24%高)の4078.2ポイントとなった。セクター別では半導体・光通信・石油関連が買われた一方、自動車株(北京汽車-5.3%、広州汽車集団-4.6%、長城汽車-3.4%)は軟調だった(新規、FX168、財経新聞)。
  • 人民銀行の潘功勝総裁が9月16日、国務院新聞弁公室の記者会見で、「第15次5カ年計画」期における金融政策の枠組み転換について語り、貸出増加率など数量目標への依拠を薄め、金利による調節機能をより重視する方針を示したことが新たに判明した。2025年の社会融資規模増加額35.6兆元のうち、企業債・政府債・株式による資金調達の合計比率が約47%となり、初めて貸出を上回ったと明らかにした(新規、経済日報、21経済網)。
  • 米中首脳会談について、前回時点では「9月24日を軸に調整、ニューヨークでの国連総会に合わせる見通し」とされていたが、本日新たに、習近平主席が9月23〜25日にワシントンを訪問し、24日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する見通しであることが判明した。習主席は国連総会一般討論には参加しない見込みで、23日夜に空路でワシントンに入り、25日に出発するという(新規・訂正、カナロコ)。

昨日と同じこと(継続)

  • 人民銀行のLPR(1年3.0%・5年超3.5%)は据え置きが継続し、次回改定は9月22日の予定に変わりない(継続)。
  • CSRCによる不動産大手の強制転換社債(MCB)登録拒否問題、恒大地産集団の破産清算プロセス(債権届出は11/21期限)は、本日時点で新たな進捗の確認材料はなかった(継続)。
  • 8月の内需関連指標(小売売上高0.4%増・固定資産投資7.2%減・不動産開発投資19.9%減)の下振れは、本日時点でも追加の政策対応は確認できておらず、材料としては継続している。

要因の連続性

  • 継続要因: FOMCの結果を控えた慎重ムード(結果自体は決定後にプラス材料として消化された)、8月内需指標の弱さ、不動産・地方債務問題の長期化。
  • 新規要因: (1) 電子情報製造業15カ年計画による半導体株への政策期待、(2) 人民銀行の金融政策枠組み転換(数量目標から金利重視へ)、(3) 米中首脳会談の日程・場所の具体化(ワシントンでの開催)。
  • 解消した要因: FOMC結果待ちという不確実性自体は、FRBの利上げ決定により解消した。株式市場はこれを大きな悪材料とは捉えず、反発地合いを維持した。

1. 市況サマリー

指数 市場・通貨 終値(9/16) 前日比 備考
上海総合指数 本土・人民元建て 3,891.60pt +0.71%(27.32pt高) 4営業日ぶり反発
CSI300(滬深300) 本土・人民元建て 4,480.27pt +0.68%(30.23pt高) 大型株も反発
香港ハンセン指数 香港・香港ドル建て 24,713.78pt +0.19%(46.54pt高) 小幅ながら反発
ハンセンテック指数 香港・香港ドル建て 4,325.45pt +0.79%(34.11pt高) 半導体・光通信が支え

参考として、深セン成分指数は1.26%高、創業板指数は1.96%高、半導体関連の科創50指数は4.14%高となり、いずれも上海総合指数より上げが大きかった。上海・深セン合計の売買代金は1兆8400億元、全市場で4100超の銘柄が上昇した(FX168)。

2. 指数別動向

本土(上海・CSI300)

上海総合指数は前営業日比0.71%高(27.32ポイント高)の3891.60ポイントで引け、4営業日続いた下落から一転して反発した。中国政府が公表した「電子情報製造業発展第15次5カ年計画」を受けた半導体・先端コンピューティング関連への政策期待が相場全体を支えた。創業板指数(1.96%高)・科創50指数(4.14%高)といったグロース・ハイテク系の指数ほど上げが大きく、中小型・成長株への資金流入が目立った展開だった(FX168、21経済網)。

香港(ハンセン・ハンセンテック)

香港ハンセン指数は前営業日比0.19%高(46.54ポイント高)の24713.78ポイントで小反発した。前日の1.00%安からの戻りは限定的で、米FOMC結果を控えて年内の追加利上げを巡る不透明感が上値を抑えたとされる。セクター別では半導体・光通信関連(雲英谷科技+13.1%、愛芯元智+10.3%、上海復旦+8.1%など)、金・貴金属関連(7〜9%高の銘柄が複数)が買われた一方、自動車セクター(北京汽車-5.3%、広州汽車集団-4.6%、長城汽車-3.4%)には利益確定売りが出て軟調だった。ハンセンテック指数は0.79%高の4325.45ポイントとなった(財経新聞)。

3. 当局・政策の動き

  • 人民銀行(PBOC): 潘功勝総裁が国務院新聞弁公室の記者会見で、「第15次5カ年計画」期における金融政策の枠組み転換を説明した。貸出増加率など数量目標への依拠を薄め、金利による調節機能を重視する方針への転換を明言し、2025年の社会融資規模増加額(35.6兆元)のうち企業債・政府債・株式による資金調達の合計比率が約47%と、初めて貸出を上回ったと述べた。金融総量の増加ペース低下は「自然なこと」であり、貸出増加率の高低だけで金融が実体経済を支える力を判断すべきではないとの考えを示した(新規、経済日報、21経済網)。LPR(1年3.0%・5年超3.5%)は据え置きが継続し、次回改定は9月22日を予定(継続)。
  • 国務院・工業情報化部: 「電子情報製造業発展第15次5カ年計画(2026〜2030年)」を公表し、対象企業の合計売上高を2030年までに30兆元超とする目標、研究開発投資比率を売上高の3.5%へ引き上げる方針を示した。重点分野は集積回路・先端コンピューティング・消費者向け電子機器・基盤電子部品・エネルギー電子(新規、21経済網)。
  • CSRC・取引所: 不動産大手の強制転換社債(MCB)登録拒否問題を含め、本日時点で新たな制度変更の発表は確認できなかった(継続)。

4. 経済指標

本日時点で新たな中国主要経済指標の発表は確認できなかった。8月の主要指標(鉱工業生産+5.2%、小売売上高+0.4%、固定資産投資-7.2%、不動産開発投資-19.9%、都市部調査失業率5.3%)は前回既報のとおりで、追加の政策対応は本日時点で確認できていない(継続、詳細は前回レポート参照)。財新PMIについても新規の発表は確認できなかった。

5. 不動産・地方債務

CSRCの強制転換社債(MCB)登録拒否問題、恒大地産集団の破産清算プロセス(債権届出は11/21期限)については、本日時点で新たな進捗の確認材料はなかった(継続)。地方債務・融資平台に関する新規の動きも本日時点で確認できなかった。8月の不動産開発投資が前年比19.9%減となった下振れを受けた追加支援策の必要性は市場の観測として残っている(継続)。

6. 米中関係と注目銘柄

米中首脳会談について、習近平主席が9月23〜25日にワシントンを訪問し、24日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談する見通しであることが新たに判明した。習主席は国連総会一般討論には参加しない見込みで、23日夜に空路でワシントンに入り、25日に出発するという。前回時点では「ニューヨークでの国連総会に合わせる見通し」とされていたが、実際にはワシントンでの単独会談として調整されていることが分かった(カナロコ)。300億ドル規模の相互関税削減枠組みの対象品目確定情報については、本日時点で新たな進捗は確認できなかった。

個別銘柄では、半導体・光通信関連の中小型株(雲英谷科技+13.1%、愛芯元智+10.3%、上海復旦+8.1%など)が電子情報製造業計画を受けて急伸した。自動車セクターは北京汽車(-5.3%)・広州汽車集団(-4.6%)・長城汽車(-3.4%)がいずれも軟調だった。テンセント・アリババ・CATL・BYD・SMICについては、本日時点で確度の高い個別の値動き情報を確認できなかった。

7. 強気派 vs 弱気派

強気派としては、ゴールドマン・サックスが中国株の企業収益成長率予想を4%から14%へ引き上げ、「AIの収益化」「政策による景気刺激」を根拠に上昇基調継続を見込む立場を維持している(既報)。加えて、本日新たに公表された電子情報製造業15カ年計画は、半導体・先端コンピューティング分野への長期的な政策支援を裏付ける材料として、強気派の根拠に加わる形となった。

一方、弱気派・慎重派としては、複数の中国の著名なヘッジファンド運用者が、AI関連株の急騰について「持続不可能なバブル」であるとの警戒感を維持している(既報)。また、香港市場では米FOMC結果を控えて年内の追加利上げを巡る不透明感が上値を抑えたとされ、政策期待と金融引き締め観測がせめぎ合う展開が続いている(財経新聞)。

8. テクニカル分析

香港ハンセン指数は24713.78ポイントで引け、前回時点で意識されていた200日移動平均線(約25,309ポイント)をなお下回る水準にある。ただし14日RSIが売られ過ぎ圏に近い水準から本日の反発でやや持ち直しており、下げ止まりの兆しが強まっている。

上海総合指数は3891.60ポイントまで戻し、前回示したサポート水準(3,800〜3,810ポイント)を上回って引けた。次の節目は4,000〜4,040ポイント程度のレジスタンスとされ、電子情報製造業計画を受けた半導体株の強さが続くかが上抜けの鍵になるとみられる。南向き資金・AH溢価率の最新集計は本日時点で確度の高い数値を確認できなかった。

9. 本日の注目点

  • 半導体・電子情報製造業への政策期待による株高が持続するか、科創50指数を中心とした強さが本土市場全体に広がるか。
  • 習近平主席の訪米(9月23〜25日、ワシントン)に向けた日程の具体化と、貿易・経済分野での成果への期待。
  • 人民銀行が示した金融政策枠組み転換(数量目標から金利重視へ)が、今後のLPR・預金準備率の運用にどう反映されるか。
  • 8月の内需指標の下振れを受け、国務院・関係当局から追加の景気刺激策(消費喚起・不動産支援)が打ち出されるか。