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暗号資産

暗号資産 2026-08-21

3行まとめ

  • BTCは大規模ショートスクイーズ(24時間で16万人超・約13〜27億ドル相当の強制清算)と米財務省の長期国債買戻しプログラム拡大、トランプ大統領の「政府によるBTC大規模購入検討」発言を受けて$71,000ドル台(一時$71,570)まで急伸。ETHも$2,270ドル台まで急伸し、XRP・SOL・ZECなど主要アルトコインも軒並み2桁%上昇、アルトコイン時価総額合計が1兆ドルを突破した。
  • 米SECが新規則案「Regulation Crypto Assets」を8月18日に正式提案し60日間のパブリックコメント募集を開始。HSBC・スタンダードチャータードがSWIFTのブロックチェーン基盤上でトークン化預金の初の銀行間ライブ取引を8月19日に完了し、実運用段階に入った。
  • BTC・ETHともRSIが70〜90台の「深い買われすぎ」水準に達しており過熱感に注意。Coldcardハードウェアウォレットのハッキング被害は約1億1,100万〜1億3,000万ドルへ精緻化、Oraichain・Harmonyでも新たなセキュリティ事件が発生した。

前日からの変化

前回レポート(2026-08-19)との比較。8月20日分のレポートは欠落しているため、実質的に約2日分(8/19夕方〜8/21朝)の変化をまとめて記載する。

変わったこと(変化・新規)

  • BTC価格: 前回(8/19) $64,231(+1.10%) → 本日 $71,035前後(一時$71,570)。前回比+約10.6%。大規模ショートスクイーズによる急騰で、前回のレンジ内推移から一変した(Forbes, cryptonomist)。
  • ETH価格: 前回(8/19) $1,898(-0.08%) → 本日 $2,270前後。前回比+約19.6%。前回の「伸び悩み」から一転、CoinDesk20指数の上昇牽引役となった(CryptoTimes)。
  • 新規材料: 米財務省が長期国債買戻しプログラムを拡大(倍増、40億ドル規模)すると発表し長期金利低下観測を誘発(CryptoTimes)。トランプ大統領が「政府による暗号資産の大規模(サイズアブル)購入検討」に言及したと報じられた(現場記者による確証は得られておらず未確認情報の可能性がある点に留意)(Yahoo Finance)。
  • SECの新規則: 前回は「8/14議決予定も延期の報道あり」だったが、8/18に正式提案・公開協議入り(続報)(SEC.gov)。
  • 社会実装(新規トピック): HSBC・スタンダードチャータードがSWIFTのブロックチェーン基盤上で銀行間トークン化預金の初のライブ取引を完了(8/19)。前回レポートには無かった新規トピック(CoinDesk)。
  • ハッキング被害: Coldcard関連の被害総額が、Galaxy Researchの8/8時点確認で1,719 BTC(約1億1,100万ドル)、最大2,055 BTC(約1億3,000万ドル)規模と精緻化。加えてOraichain(8/9)、Harmony(8/12)で新規のセキュリティ事件が発生した(TRM Labs)。

昨日と同じこと(継続)

  • 強気派・弱気派が対立する構図自体は継続(ただし顔ぶれ・論拠は一部変化、後述)。
  • 米国でのSEC規則制定プロセスは継続中(前回からの進展として位置づけ)。
  • 日本の改正金融商品取引法(7/15成立)は施行準備段階が継続(公布から1年以内に施行、分離課税は2028年1月〜適用見込み)。
  • BTC・ETHとも「市場が方向感を探る展開」という構図自体は継続しているが、テクニカルには中立圏から過熱圏へ移行した。

要因の連続性

  • 継続要因: 米ETF資金フロー動向(前回はMarkus Thielen氏がETF累計流出を弱気材料視。直近ではBlackRock IBIT主導で資金流入超に転じたとの報道もあり、「ETFフロー」という同一の論点軸自体は継続)。SEC「Regulation Crypto」の規則制定プロセス。
  • 新規要因: 米財務省の国債買戻し拡大・長期金利低下観測、トランプ大統領のBTC直接購入検討発言、大規模ショートスクイーズ(強制清算)、HSBC/スタンダードチャータードのトークン化預金実運用開始。
  • 解消した要因: 前回強気材料だった「引き締め的金融環境は想定通り」(Katalin Tischhauser氏、Sygnum Bank)という慎重楽観論は後退し、財務省の緩和的措置という明確な追い風に置き換わった。前回弱気派の中心論拠だった「ETF累計流出」は直近で資金流入超に転じつつあり、論拠としては後退している。

1. 価格サマリー

データ取得時点は日本時間2026年8月21日早朝(米国時間8月20日終値前後)。ソースにより取得時刻が異なるため幅を持たせて記載する。

銘柄 価格(USD) 24h騰落率(目安) 参考(円建て、CoinPost調べ・8/20 9:10 JST時点)
BTC 約$71,035(一時$71,570まで上昇) 約+9〜11%(前回8/19比) 約1,096,000〜1,100,000円(+6.1〜6.8%)
ETH 約$2,270〜2,290 約+18%(直近24h) 約356,670円(+16.5〜17.0%)
XRP 約$1.15〜1.18 約+14〜15% 約170円(+9.9%)
SOL 約$87〜87.5 約+12〜13%
ZEC 約$560〜562 約+9〜10%

出典: ForbescryptonomistCryptoTimesCoinPost経由の検索結果

2. 銘柄別動向

BTC(ビットコイン)

24時間で16万人超のトレーダーが清算される大規模ショートスクイーズ(推定13億〜27億ドル相当)が発生し、$70,000を突破して一時$71,570まで上昇した。主な材料は(1)米財務省による長期国債買戻しプログラムの拡大(倍増、長期金利低下観測)、(2)トランプ大統領の「政府による暗号資産の大規模購入検討」発言(未確認情報の可能性あり)、(3)ホワイトハウスでの暗号資産業界幹部との会合の継続的な注目。Bloomberg報道によれば、大口(クジラ)は過去60日の売り越しから転じ約29億ドル相当を買い増したという(cryptonomist)。ビットコインドミナンスは58.47%。

出典: Forbes, cryptonomist

ETH(イーサリアム)

$2,270ドル前後まで急伸し、CoinDesk20指数構成銘柄の中でBTCと並び上昇を牽引した。デリバティブ市場での大規模なショート強制決済(8/19の清算額のうち91〜92%がショートポジション)がフィードバックループとなり価格を押し上げたと分析されている。

出典: CryptoTimes

その他アルトコイン

  • XRP: 約$1.15〜1.18(+14〜15%)。アルトコイン全体の資金流入とオンチェーン活動の拡大が背景。
  • SOL(ソラナ): 約$87〜87.5(+12〜13%)。
  • ZEC(Zcash): 約$560〜562(+9〜10%)。Grayscaleがスポットゼロキャッシュ(プライバシーコイン)ETF申請を修正したこと、Cypherpunk Technologies社が大規模マイニング施設を稼働させたことが追加材料。
  • 参考: HYPE(+24%超)、PEPEなどミーム・DeFi系銘柄も急伸し、アルトコイン時価総額合計が1兆ドルを突破した。

出典: CryptoTimes, Coingape

3. 強気派 vs 弱気派

強気派(ブル)

  • @dxttools 氏(Xの市場分析アカウント): 米財務省が長期国債買戻しプログラムを倍増させたことで利回り上昇圧力が和らぎ、上昇トレンドを裏付ける材料になっていると指摘。
  • @mayaivanoff 氏(Xの市場分析アカウント): ファンディングレートが平坦でショートポジションが過度に積み上がっており、構造的な下値サポートが存在すると分析。
  • Bloomberg報道(cryptonomist経由): 大口(クジラ)が過去60日の売り越し姿勢から転換し、約29億ドル相当のBTCを買い増したとするデータを紹介。

出典: Forbes, cryptonomist

弱気派(ベア)

  • Markus Thielen氏(10x Research創業者・CEO、前回レポートにも登場): BTCは$46,000〜$47,000まで一段安となってから真の弱気相場の底を付ける可能性があり、Q4(10月頃)に底を形成後、年末にかけて$60,000〜$65,000程度まで約30%戻すとの見方。地政学リスク後退による原油安・FRBの姿勢転換が反発材料になるとする(CoinDesk)。
  • Benjamin Cowen氏(前回レポートにも登場): 過去のサイクルでは第4四半期に底値を付ける傾向があるとして、$63,000近辺を「底値watch」の水準としつつ、リセッション的な天井ではなく中間反落局面が続くとの慎重な見方(2026年8月版レポート「The Balance of Risks」)(Benjamin Cowen)。
  • @0xautopsy 氏ほか複数トレーダー(Forbes報道): 株式市場が最高値圏にある一方でBTCが乖離している状況を「異常」とし、$44,000〜$49,000水準への最終的な調整が本格的な強気相場入り前に必要と指摘。@diglloyd氏は「AI関連の超バブルが3ヶ月以内に50%の確率で崩壊する」ことをリスク要因として挙げた。

出典: CoinDesk, Benjamin Cowen, Forbes

(強気・弱気とも複数サイト・複数の発言者から収集した。相場観であり事実ではない点に留意)

4. 社会実装ニュース

  • HSBC・スタンダードチャータード(本番運用): 2026年8月19日、SWIFTのブロックチェーン基盤(24時間365日稼働の共有台帳)上で銀行間のトークン化預金(Tokenised Deposit)の初のライブ取引を完了した。HSBCのTokenised Deposit Service(TDS)とスタンダードチャータードの内部トークン化預金基盤の間で決済メッセージを交換し、SWIFTの台帳が両行の預金債務のマッチング・ネッティングを行った上で既存の決済網で最終決済する仕組み。実証実験ではなく実取引であり、SWIFTは2026年7月に6大陸・17行(Citi、UBS、Wells Fargo、DBSなど)によるライブパイロット実施を発表済みで、今回はその一環。国際資金移動の流動性可視化・複雑性低減を目的とする本番運用段階の事例(CoinDesk, Standard Chartered公式発表)。
  • JPYC(日本円ステーブルコインの実利用、サービス開始予定): ブロックチェーン関連企業がJPYCを用いた銀行振込型決済サービス「Stablecoin Pay」を発表し、2026年8月にサービス開始予定。利用者はパスキー認証でウォレット管理・ガス代を意識せず決済でき、加盟店側はクレジット審査不要でJPYCを受領しブロックチェーン上で決済が確定するためチャージバックが発生しない。またJPYCはLINE NEXTと連携しLINEアプリ上での利用も予定、三井住友カードはマイナンバーカードを使ったタッチ決済の実証実験を進めている(ペイメントナビ)。
  • 参考(規模感、実導入と実証の混在に留意): トークン化されたRWA(実物資産)の市場規模は2025年初の約41億ドルから2026年3月時点で約252億ドルに拡大、トークン化社債も10億ドルを超えるなど投機ではなく実運用への移行が報告されている。ただし個別事例の詳細な特定は限定的であり、発表段階のものも含まれる点に留意(a16z crypto)。

5. 法改正・規制ニュース

米国

  • SEC「Regulation Crypto Assets」: 2026年8月18日、SEC(現在委員3名)が投票により正式提案を承認し、パブリックコメント募集(60日間)を開始した。前回レポート時点(8/14議決予定も延期と報道)からの続報。投資契約に該当する暗号資産の募集について、2つの適用除外(セーフハーバー)と開示・報告の枠組みを新設する「テーラーメイド型の募集規制」。証券法上の適用範囲の明確化、海外への発行者流出インセンティブの削減、投資家保護を維持した投資機会の拡大が狙いとされる(SEC.gov プレスリリース)。
  • CLARITY法案(市場構造法): 下院は2025年7月に可決済み、上院銀行委員会は2026年5月14日に可決。上院指導部は8月の会期末までの本会議採決を目指すとしていたが、8月8日にクローチャー動議(討論終結動議)を提出したのみにとどまり、会期末までに採決を終えられるかは不透明。越年した場合、成立は早くても2027年半ば以降になる可能性が指摘されている(Bitcoin Foundation)。
  • 政府によるBTC購入検討: トランプ大統領が8月20日、政府による暗号資産の「サイズアブル」な直接購入を検討していると発言したと報じられたが、現場にいた主要メディア記者による確証は得られておらず、未確認情報の可能性がある点に留意(Yahoo Finance)。米国は現在も没収資産由来の約32.8万BTCを保有する世界最大の政府保有主体。

日本

  • 改正金融商品取引法(続報): 前回レポート既報の通り、暗号資産を金融商品として位置づける改正法は7月15日の参院本会議で可決・成立済み(登録業者の名称を「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へ変更、インサイダー取引規制を新設し違反時は5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金)。改正資金決済法は公布から1年以内に施行予定で、現在は施行に向けた政令整備の段階にある(PwC Japan法務ニュースレター)。
  • 分離課税(20.315%): 暗号資産取引の課税方式を現行の総合課税(最大55%)から株式等と同様の申告分離課税(20.315%)へ移行する税制改正が令和8年度税制改正大綱に盛り込まれている。金商法改正の施行が前提となるため、実際の適用開始は2028年1月1日以降の取引分からの見通し(大和総研)。

6. テクニカル分析

BTC(ビットコイン)

  • 移動平均線: 日足終値は20日線(EMA20、約$65,087)・50日線(EMA50、約$64,824)を明確に上回っており、短期的には強気の並び。ただし200日線(EMA200、約$71,711)がなお上値抵抗として意識されており、この水準を上抜けて終値を付けられるかが「本格的な強気相場入り」の分岐点とされる。
  • RSI: 日足RSI(14)は77.13、1時間足は81.87と「買われすぎ」水準に深く入っている。RSIは一般に70を超えると「短期的に買われすぎ」とされ、過熱後に一時的な調整が入りやすいとされる水準だが、強いトレンド局面ではRSIが高止まりしたまま上昇が続くこともある(断定的な売買判断材料ではない)。
  • サポート・レジスタンス: レジスタンスはR1ピボット約$71,966・EMA200約$71,711。サポートはS1ピボット約$69,503、下値の目安として約$63,766が挙げられている。
  • センチメント: Fear & Greed指数は62(「強欲」、8月20日時点)。前回レポート時点の「中立〜恐怖寄り」から短期間で「強欲」寄りへ転換しており、過熱感の高まりに留意が必要。

出典: cryptonomist, priceprediction.net

ETH(イーサリアム)

  • 移動平均線: 日足はEMA20・EMA50を上抜けたが、EMA200(約$2,140.80)がなお上値の節目として意識されている。200日SMAは今後1か月で$2,036.70前後まで上昇する見込みとの試算もある。
  • RSI: 日足RSI(14)は82.6、1時間足86.57、15分足90.45と全時間軸で「深い買われすぎ」状態。BTC以上に過熱感が強く、短期的な反落・調整が起きやすい局面とされる。
  • その他: MACD(12,26,9)はプラス圏で買いシグナルを示しているが、上記の通り短期的な過熱には注意が必要(断定的な売買推奨ではない)。

出典: altindex, cryptonews.net

7. 業界トピック

  • Coldcardハードウェアウォレット・ハッキング(続報): 7月30日頃発覚した、Coinkite社製Coldcardのファームウェア脆弱性(ソフトウェアベースの乱数生成により有効エントロピーが40〜72ビットまで低下し、シード・フレーズが計算機的に推測可能になっていた問題)を突いた大規模ハッキング。Galaxy Researchが8月8日時点で1,719 BTC(約1億1,100万ドル)の被害を確認、被害範囲の特定が進めば最大2,055 BTC(約1億3,000万ドル)規模に達する可能性があるとしている。前回レポートの「約1億3,000万ドル」という概算が、より詳細な調査により裏付けられた形。
  • Oraichainのセキュリティ事件: AI特化型レイヤー1ブロックチェーンのOraichainで8月9日、EVMクロスチェーン送金経路の脆弱性により不正なORAIミントが可能な状態が発覚。同日04:00UTCにネットワーク全体を停止し、ブリッジ・クロスチェーンルート・公開インターフェースを制限した。
  • Harmonyの不正流出対応: 8月12日05:25UTC、Harmonyが不正関連の4件のウォレットアドレスを公表し取引所各社に凍結を要請。同06:40UTCに緊急バリデータパッチ(v2026.1.1)をリリースし、それ以上の不正ミントを防止したとしている。
  • アルトコイン市場全体の急伸: 8月19〜20日にかけてETH・SOL・XRP・ZECなどが軒並み7〜15%超上昇し、アルトコイン時価総額合計が1兆ドルを突破。HYPEは+24%超、PEPEも急伸するなどミーム・DeFi系銘柄にも資金が向かった。

出典: TRM Labs, TechCrunch, fairyproof, Coingape

参考リンク