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暗号資産

暗号資産 2026-08-18

3行まとめ

  • ビットコインは6万3,500ドル前後で方向感の乏しいレンジ相場が続き、週間ベースでビットコインETFから約3億8,970万ドルの資金流出(6週間ぶりの大きさ)。イーサリアムETFも5週連続の資金流入が途切れた。
  • 強気派は米金利観測の後退やETF資金流入の戻りを根拠に反発を期待する一方、弱気派は季節性の弱さや先物資金調達率の上昇によるロスカットリスクを指摘し、見方は割れている。
  • 米国はSEC「Regulation Crypto」提案とCLARITY法案(市場構造法)の採決がいずれも先送りされ9月に焦点が移る一方、日本は8月3日発効のトラベルルール対象拡大(63法域)や3月成立の分離課税20%制度など、法整備が段階的に進んでいる。

1. 価格サマリー

銘柄 価格(USD、日本時間8/17〜18時点) 参考(円建て、1ドル=約159.3円) 24h騰落率 備考
ビットコイン(BTC) 約63,500〜63,550ドル 約1,012万円 ほぼ横ばい(+1%程度との報告あり) ETF資金流出が続くも価格は底堅い
イーサリアム(ETH) 約1,900〜1,910ドル 約30万4千円 約+1.2% ETFは流出も価格は小幅高
ソラナ(SOL) 約75.7ドル 約1万2,060円 概ね横ばい Agave v4.2アップグレードが材料
リップル(XRP) 約1.00ドル 約159円 概ね横ばい 心理的節目1ドル近辺で推移

※価格・騰落率は各出典記事の掲載時点(いずれも日本時間8月17〜18日ごろ)のものであり、正確な同時刻断面ではない点に留意(The Coin RepublicCaptainAltcoin)。ドル円レートはoanda.jpの8月17日時点情報(159円台前半)を使用。

2. 銘柄別動向

ビットコイン(BTC)

ビットコインは8月17日時点で63,520ドル前後、6万2,000〜6万6,000ドルのレンジ内で推移した。CoinMarketCapのデータでは日次出来高は約123億ドルで、直近では取引の勢いそのものが細っているとされる(The Coin Republic)。 米スポットビットコインETFは8月10〜14日の週で合計約3億8,520万ドル(別集計では3億8,970万ドル)の資金流出となり、6週間ぶりの大きな流出幅を記録した。フィデリティ(Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund)が約1億5,310万ドル、ブラックロック(iShares Bitcoin Trust)が約7,890万ドル、アーク(ARK 21Shares Bitcoin ETF)が約7,030万ドルの流出とされる。直前の週(8月3〜7日)には約8億6,530万ドルの資金流入があり、月内でも資金フローの振れ幅が大きい(The Coin RepublicBloomberg via Business Standard)。 市場分析会社クリプトクアント(CryptoQuant)は「ビットコインが確立されたレンジの下部に位置している」と指摘する一方、市況コメンテーターの「That Martini Guy」は週次の資金流出について「機関投資家によるリスク削減の範囲内」であり、支持線付近での需要回復の有無が今後の焦点になるとの見方を示した(The Coin Republic)。

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは約1,900〜1,910ドルで推移し、24時間で約1.2パーセントの上昇。取引高は約52〜67億ドル規模とされる(MetaMask PriceCoinGabbar)。 スポットイーサリアムETFは8月10〜14日の週で約226万ドルの小幅な資金流出となり、5週間続いた資金流入の連続記録が途切れた。ブラックロックのETHAファンドが約1,639万ドルの流出をけん引したが、7月単月では合計3億6,500万ドル超の資金流入があったとされ、短期の流出は大きなトレンド転換とは言い切れない状況(The Coin RepublicCoinGabbar)。 ステーキング(保有コインを預けてネットワーク運営に参加させる仕組み)の比率は供給量の34.23パーセントまで上昇し、預け入れられたイーサリアムはおよそ4,100万枚、時価総額換算で770億ドルを超えた。長期保有を志向する動きが継続しているとみられる(CoinGabbar)。開発面では、共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が8月16日、スケーリング(処理能力拡張)戦略についてビットコイン開発者の技術的アイデアを称賛する発言を行った(CoinGabbar)。

その他アルトコイン

  • ソラナ(SOL): 約75.7ドルで推移。8月17日に予定されていたネットワーク更新「Agave v4.2」が主な材料視されており、オンチェーンの手数料(レント)コストを約9割削減し、1回の取引に含められるデータ量の上限を1,232バイトから4,096バイトへ拡大する内容とされる(Forbes系サイト、検索結果集約)。
  • リップル(XRP): 心理的節目である1.00ドル前後で推移し、主要な支持線を試す展開が続く。法的な位置づけの明確化や銀行との提携が機関投資家の関心を集めているとの指摘がある(検索結果集約)。
  • その他の値動き: スイ(Sui)、ビットテンソル(Bittensor)、シバイヌ(Shiba Inu)などが14〜17パーセント程度上昇する場面があった一方、暗号資産市場全体の時価総額はおよそ2.16兆ドルで前日比ほぼ横ばい。CMCの「アルトコインシーズン指数」は48/100にとどまり、上昇は一部銘柄に偏っているとされる([検索結果集約、CoinMarketCap系データ])。

3. 強気派 vs 弱気派

強気派

  • ジグナムバンク(Sygnum Bank)のカン・ルカ・コイメン(Can-Luca Köymen)氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派的な金利据え置きを決めたことについて「事前予想の範囲内であり、悪材料ではない」と分析し、FRB高官の発言よりもETF資金フローやオンチェーンでの買い集め動向を重視すべきだと述べた(Cryptonews.net)。
  • ビットゲット(Bitget)のライアン・リー(Ryan Lee)氏は、目下の下落圧力は主にナスダック(米ハイテク株指数)に集中しており、ビットコインについては機関投資家による押し目買いが続いていると指摘。8月の値動きより9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果の方が重要だとの見方を示した(Cryptonews.net)。
  • 調査会社10xリサーチ(10x Research)は、8月の月間終値が6万3,000ドルを上回れば弱気相場の底打ちを確認できる可能性があるとし、ブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)は8月に入って資金流出がゼロの日が続いていた点を強気材料として挙げた(ただし週間ベースでは資金流出が発生しており、日々の状況は変動している点に留意)(Cointelegraph)。
  • 国内ではbitbankのアナリストが、米消費者物価指数(CPI)・卸売物価指数(PPI)がそろって前年比でインフレの鈍化を示し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退したことを下支え材料として挙げ、国際エネルギー機関(IEA)の月次報告で世界的な原油需要の減速が指摘されたことも原油価格の上昇に歯止めをかける材料になっているとした(CoinPost)。

弱気派

  • ディーダブリューエフ・ラボ(DWF Labs)のアンドレイ・グラチェフ(Andrei Grachev)氏は、現状を「今サイクルで最悪の結果」と位置づけ、市場の流動性が薄くなっていることでレバレッジ(信用取引)を効かせたポジションの維持コストが高くなっていると懸念を示した(Cryptonews.net)。
  • 21シェアーズ(21Shares)のスティーブン・コルトマン(Stephen Coltman)氏は、9月の利上げが実施される確率は72パーセントほど織り込まれているとし、8月の調整局面よりも9月が実質的な相場の分岐点になるとの見方を示した(Cryptonews.net)。
  • アナリストのベンジャミン・コーウェン(Benjamin Cowen)氏は、2018年の値動きとの類似性を指摘し、当時は7月の上昇分を8月にすべて失ったとして、今回も8〜9月にかけての下落と、第4四半期での相場サイクルの底打ちを予測している(Cryptonews.net)。
  • 国内ではbitbankのアナリストが、米国とイランの和平合意に向けた進展が確認されないなど中東情勢の緊張が続いていることを原油価格上昇リスクとして挙げたほか、ビットコイン先物市場の資金調達率(ロング優勢度を示す指標)が上昇しており、急落時のロスカット(強制決済)による値動きの増幅リスクがあると指摘した(CoinPost)。

4. 法改正・規制ニュース

米国

  • 米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産の投資契約に関する新たな募集規制の枠組み「Regulation Crypto」案を公表するかどうかを審議する会合を8月14日に予定していたが、直前に延期となった。同案はアトキンス委員長就任後初の本格的な暗号資産関連ルール制定として注目されている(Bitcoin Foundation)。8月18日時点で再開の具体的な日程は確認できていない。
  • 暗号資産の市場構造を包括的に定める「CLARITY法案」は、上院トゥーン院内総務(John Thune)が審議入りの手続き投票(討論終結動議)を提出したものの、8月の夏季休会前の本会議採決は見送られた。上院は9月14日に復帰し、9月15日に手続き投票が予定されている。倫理条項や違法金融対策の厳格化を求める民主党と、市場の明確性・事業予見性を優先する共和党との間で論点が未解決のまま持ち越されている(Congress.govの記録に基づく報道集約)。

日本

  • 金融庁と財務省は2026年7月7日付で告示を改正し、暗号資産の海外移転時に送付人・受取人情報の通知を義務づける「トラベルルール」の対象法域を、8月3日付で従来の58法域から63法域(アンギラ・オマーン・キューバ・ドミニカ国・ボツワナを追加)へ拡大した。追加は各国のFATF(金融活動作業部会)相互審査結果などをもとに判断され、中国・ベトナム・ロシアは同等の規制整備が確認できないため対象外とされた(ビットタイムズ)。
  • 2026年3月31日に成立した改正所得税法により、暗号資産取引の利益を株式・投資信託並みの税率20パーセント(所得税15パーセント・住民税5パーセント、別途復興特別所得税)で申告分離課税とする制度が導入された。損失は翌年以降3年間の繰り越し控除が可能になる。ただし適用開始は、暗号資産の位置づけを資金決済法から金融商品取引法(金商法)に移す関連法案の施行を前提としており、施行時期(2028年1月が有力視されるが国会審議次第)まで実際の減税効果は生じない(大和総研泉絢也税理士事務所)。
  • 上記の税制改正の前提となる「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」は2026年4月10日に第221回国会へ提出済み。暗号資産取引に関する情報公表規制・業規制・インサイダー取引規制を金商法の枠組みに整備する内容で、8月18日時点で採決に至ったとの一次情報は確認できておらず、審議は継続中とみられる(大和総研)。

5. テクニカル分析

ビットコイン(BTC)

現在価格(6万3,500ドル前後)は、20日・50日・100日・200日のいずれの移動平均線も下回って推移しており、短期・中期・長期のすべてで下向きの圧力がかかりやすい構造が続いている。特に20日移動平均線(6万4,147ドル付近)はこれまでの支持線から抵抗線へ役割を転換したとされ、この水準を回復できるかが目先の焦点になる。100日移動平均線は6万7,600ドル付近、200日移動平均線は7万3,300ドル付近にあり、いずれも現在価格からかなり上に位置している。RSI(相対力指数、買われすぎ・売られすぎを測る指標)は50前後の中立圏で、明確な方向感は出ていない(Pickaxe集約情報)。 恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index、投資家心理を数値化した指標)は8月17日前後で28前後と「恐怖」水準にあり、市場参加者の慎重姿勢がうかがえる(Feargreedmeter.com)。サポート(下値のめど)は6万〜6万2,000ドル帯、レジスタンス(上値のめど)は6万5,000ドルからさらに7万ドル近辺とされ、この範囲内でのもみ合いが続いている(いずれの水準も相場動向次第で変わりうるため、断定的な売買判断の材料にはしないでほしい)。

イーサリアム(ETH)

RSIは50付近(具体的には50.4〜50.5程度)で完全な中立圏にあり、買い方・売り方の勢力が拮抗している状態を示唆する。50日移動平均線は1,887ドル前後で現在価格とほぼ同水準にある一方、200日移動平均線は算出元により1,980〜2,160ドル程度とばらつきがあるものの、いずれも現在価格を上回っており、長期的なトレンドはなお軟調寄りであることを示唆する(AltIndex)。ビットコイン同様、明確なトレンドは出ておらず、狭いレンジでの一進一退が続いている。

6. 業界トピック

  • フィッシング被害の再発: 2023年に約2,420万ドルを盗まれたのと同一のウォレット(電子財布)が、8月12日に再びフィッシング詐欺の標的となり、約2,560万ドル相当(約2,000万DAI・3,000ETH)が流出した。同じ手口が繰り返し狙われている点が注目されている(U.Today系報道の集約)。
  • 週間の被害総額: 8月中旬の1週間で、フィッシングやクロスチェーン(異なるブロックチェーン間の取引)を狙った攻撃による被害額は合計3,700万ドルを超えたとされる。8月上旬に発生したハードウェアウォレット「Coldcard」の脆弱性を突いた事件では、流出したビットコインの評価額が月半ばまでに1億3,000万ドルを超えたとの報道もある(CryptoTimes系報道の集約)。
  • ステーブルコイン市場の勢力図: サークル(Circle)が発行するUSDCが2026年上半期の調整後ステーブルコイン取引量の約7割を占め、テザー(Tether)発行のUSDT(約25パーセント)を上回った。取引量全体は2026年6月時点で過去最高の1兆7,900億ドルに達したとされる(CoinDesk系報道の集約)。

参考リンク