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コモディティ

コモディティ 2026-08-17

3行まとめ

  • 週末を挟み、直近の取引日である8月14日(金)時点で金はおよそ4,376〜4,432ドル、銀はおよそ65ドルで底堅く推移。原油(WTI)はホルムズ海峡情勢の緊迫化を受けて82.40ドルまで続伸し、週間ではWTIが5.4%高、ブレントが6.0%高と大幅高になった。
  • 小麦はウクライナによるロシア・バルト海港湾への攻撃と黒海停戦交渉の決裂を受けて1日で3.37%急伸し、今回の急変動特集として取り上げる。
  • 銅はAI・データセンター向け需要と米関税観測を背景に史上最高値圏(1ポンドあたり6.60ドル前後)での高止まりが続いている。

※本日(8/17・月)早朝時点では8/15・16(土日)が休場のため、以下は直近取引日である8月14日(金)のクローズ時点のデータを中心にまとめている。

価格サマリー

商品 価格 備考(取得時点: 2026年8月14日)
金(ゴールド) 約4,375.50〜4,432.00ドル/トロイオンス 前日比 +0.60%程度
銀(シルバー) 約64.74〜65.33ドル/トロイオンス 前日比 +0.66%程度
WTI原油(9月限) 82.40ドル/バレル 前日比 +1.42%、週間 +5.4%
ブレント原油 88.52ドル/バレル 前日比 +1.67%、週間 +6.0%
天然ガス(Henry Hub) 約2.73〜2.78ドル/MMBtu 横ばい圏(前日比 +0.2%程度)
小麦(シカゴ9月限) 6.74¾ドル/ブッシェル(674.75セント) 前日比 +3.37%(+22セント)
トウモロコシ(9月限) 4.59ドル/ブッシェル 前日比 +11セント
大豆(9月限) 11.77¾ドル/ブッシェル 前日比 +11¾セント

出典: TradingEconomics(金)TradingEconomics(原油)KitcoThe Star(原油週間)TradingEconomics(小麦)Brownfield Ag News

商品別動向

金(ゴールド)・銀(シルバー)

金は8月14日、前日比0.60%高の4,375.50〜4,376.44ドルで取引を終え、先物は4,432ドル近辺まで上昇する場面もあった。7月の米小売売上高が予想外に0.6%減少したことを受け、9月のFRB利上げ観測が後退したことが追い風となった。銀も0.66%高の64.74〜65.33ドルで推移し、64ドルの節目を買い方が防衛する展開が続いている。8月16日時点の別の分析では、金は4,376.44ドル前後で「週明けはやや上値の重い展開」との見方も出ているが、8月15・16日は休場のため実際の値動きは確認できていない。出典: Kitco AM ReportKitco PM ReportLiteFinance

原油

WTI原油は8月14日に82.40ドル(前日比+1.42%)、ブレント原油は88.52ドル(前日比+1.67%)で取引を終え、週間ではそれぞれ5.4%、6.0%の上昇となった。イラン向けタンカーへの新たな攻撃と、ホルムズ海峡をめぐる米・イランの停戦交渉が停滞していることが材料視された。米国は経済制裁の強化とともに海軍による封鎖を無期限に維持し得るとの姿勢を示している。一方で、米原油在庫の大幅な積み増しが確認されたことに加え、OPECとIEA(国際エネルギー機関)がそろって需要見通しを下方修正しており、地政学プレミアムに対する弱気材料も同時に存在する状況。出典: The StarOilPrice.com

天然ガス

Henry Hub価格は2.73〜2.78ドル/MMBtuと横ばい圏で推移。猛暑による冷房需要の高まりとLNG輸出需要の増加が支援材料である一方、記録的な水準にある在庫と堅調な生産量が上値を抑えており、市場では当面3.00ドルを下回る水準での推移が続くとの見方が出ている。フリーポートLNGの定期メンテナンス(8月下旬完了予定、輸出能力日量20億立方フィート相当に影響)も需給要因として意識されている。出典: EIA短期エネルギー見通しTradingEconomics

農産物

シカゴ商品取引所の9月限で、小麦が6.74¾ドル(前日比+3.37%)、トウモロコシが4.59ドル(同+11セント)、大豆が11.77¾ドル(同+11¾セント)とそろって上昇して8月14日の取引を終えた。8月のUSDA需給報告(WASDE)が大豆の単収を1エーカーあたり53.0ブッシェルから52.7ブッシェルへ小幅下方修正するなど支援材料となったほか、ウクライナがロシアのバルト海沿岸港湾を攻撃したとの報道と、ロシア側が黒海の穀物輸出に関する停戦提案を拒否したことが、穀物の輸出停滞への懸念を再燃させた。生育面では、中西部の穀倉地帯で気温が落ち着き降雨も続いており、8月9日時点でトウモロコシの61%が「ドウ期」(実入りの最終段階)、大豆の74%が「莢形成期」に達するなど、収量を左右する最終局面の天候はおおむね良好とされる。出典: Brownfield Ag NewsTradingEconomics(小麦)agrolatam.com

急変動の特集

小麦: シカゴ商品取引所の小麦(9月限)は8月14日、前日比3.37%高の674.75セント(6.74¾ドル)/ブッシェルまで急伸した。ウクライナがロシアのバルト海沿岸の港湾施設を攻撃したと伝えられたことに加え、ロシア側が提案されていた黒海地域の停戦案を拒否したことが背景。両国は世界有数の小麦輸出国であり、輸出インフラへの攻撃や航路の不安定化は世界的な穀物供給網の混乱に直結しやすい。トウモロコシ・大豆も同日そろって上昇しており、地政学リスクが穀物市場全般に波及した形。小麦価格の高止まりが続けば、パンや麺類など小麦を原料とする食品の製造コストを通じて、消費者向け価格に段階的に波及する可能性がある。出典: TradingEconomicsBrownfield Ag News

参考: 銅(ニューヨーク先物)も1ポンドあたり6.60ドル前後と史上最高値圏(ロンドン金属取引所ベースで1トンあたり14,000ドル超)での高止まりが続いている。米国の輸入関税観測を背景に業者が米国向けに大量の在庫を積み増していることが要因とされ、直近数日の値動き自体は横ばい圏だが、AI関連のデータセンターや電力網投資向け需要と供給制約が重なった構造的な高値であり、動向を引き続き注視する必要がある。出典: MINING.COMKITCO

強気派 vs 弱気派

強気派(金)

  • Kitcoの分析によれば、金の強気派は当面4,430〜4,492ドルのレジスタンス帯を上抜け、4,500ドル、さらに4,600ドルを目指す展開を想定している。ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が公表した最新調査でも、2026年末時点で金は1オンス4,500ドルを挟んだ水準で取引されるとの見方が示された。出典: Kitco

弱気派(金)

  • 同じくKitcoの分析では、弱気派は4,360ドルを下抜けた場合、4,299ドル、さらに4,224ドルまでの調整を見込んでいる。9月のFRB利上げ観測はこの1週間で後退したものの、なお一定の確率が織り込まれており、金利の高止まりが金への資金流入の逆風になるとの指摘も残る。出典: Kitco

強気派(原油)

  • KCMトレードのチーフマーケットアナリスト、ティム・ウォーターラー氏は、米・イラン間の停戦交渉について「協議が長引き要求が複雑になるほど、早期合意への懐疑論が強まる」と指摘し、ホルムズ海峡をめぐる供給リスクプレミアムが当面維持されやすいとの見方を示した。米エネルギー情報局(EIA)も2026年通年のブレント原油の想定平均価格を1バレル82ドルから87ドルへ上方修正している。出典: OilPrice.com

弱気派(原油)

  • 一方で、米国の原油在庫が市場予想を上回る規模で積み増されたことに加え、OPECとIEAがそろって需要見通しを下方修正しており、弱気派はこれを「地政学プレミアムがついた相場に対する現実的な反証材料」として挙げている。出典: OilPrice.com

地政学・物価関連ニュース

  • ホルムズ海峡・中東情勢: イラン向けタンカーへの新たな攻撃と、米・イラン間の停戦交渉の停滞を受け、原油価格は週間で5〜6%の大幅高となった。米国は経済制裁の強化とともに海軍による封鎖を無期限に維持し得るとの姿勢を示している。専門家からは、原油そのものの価格上昇以上に、ディーゼルやガソリンといった精製品の価格上昇が消費者に直接影響しているとの指摘も出ている。出典: The Star
  • 黒海・ロシア/ウクライナ情勢: ウクライナによるロシア・バルト海沿岸港湾への攻撃と、ロシアによる黒海停戦案の拒否を受け、小麦を中心に穀物価格が急伸した。両国の輸出インフラの不安定化が続けば、世界的な穀物供給と食品価格に影響が及ぶ可能性がある。出典: TradingEconomics
  • 米関税・銅: 米国による輸入関税の発動観測を背景に、業者による米国向け銅の積み増しが続き、価格が史上最高値圏で高止まりしている。関税の具体的な内容が確定した場合、価格変動が拡大する可能性がある。出典: MINING.COM
  • 物価への波及: 原油高はディーゼル・ガソリン価格を通じて輸送・物流コストに波及しやすく、小麦高はパン・麺類など加工食品のコストに段階的に波及する可能性がある。日本のようにエネルギー・穀物の多くを輸入に頼る国では、これらの動きが物価全般への波及要因として意識されやすい。

テクニカル分析

8月14日時点で50日移動平均線を上抜けた状態を維持しているが、より長期の200日移動平均線が上値の壁として残っている。8月16日公表の分析では、金は4,376ドル前後で推移しており、週明けはやや上値の重い展開が想定されるとの見方も出ている(想定レンジはおよそ4,202〜4,510ドル)。ただし8/15・16は休場のため、実際の値動きは週明けの取引を待つ必要がある。出典: LiteFinance

64.00ドルのブレイクアウト水準を買い方が防衛しており、この水準からの反発が続けば70.00ドルを目指す強気構造が崩れていないとされる。一方、64.00ドルを終値で下回った場合は60.00ドルまでの調整リスクが指摘されている。出典: fxdailyreport.com

原油

85.00ドル水準で上値を抑えられる展開が続いており、この水準を終値で上抜けられるかが次の上昇トレンド入りを占う分かれ目とされている。直近は下降トレンドラインの近辺で方向感を探る展開。出典: fxdailyreport.com

投機筋のポジション・ドル指数

ドル指数(DXY)は8月14日に99.6360まで低下し、1週間ぶりの安値をつけた。7月の米小売売上高の予想外の減少と、直近のCPI・PPIの軟化を受けて9月の利上げ観測が後退したことがドル安要因となり、ドル建てである金・銀の相対的な支援材料となっている。CFTCの建玉明細(8月4日時点、直近公表分)によれば、銀の非商業部門(投機筋)は買い建玉36,454枚に対し売り建玉14,174枚とネットロングの構図が続いている。出典: oneuptraderCFTC

参考リンク