前回からの変化
前回(2026-10-16、前日)との比較である。
変わったこと(変化・新規)
- 前回、Metaは非公開モデルのMuse Wonderを10月12日に出したと伝えた。今回は、重みを公開するMuse Spark Openが10月15日に加わった。同社の公式ブログとHugging Faceのモデルカードの両方で確認できた(Meta AI Research、Hugging Face)
- 前回に載っていなかったLiquid AI、OpenAI、xAIの更新が、モデル一覧の記載に加わった(Digital Applied)
昨日と同じこと(継続)
- Gemini 4 Argonの性能が自社評価中心で、第三者の検証が見当たらない状況は、今回の確認範囲では変わらない
- 新しい開発手法やトレンドの活用法で、特筆すべき話題は見つからなかった
要因の連続性
- 継続要因: 大手が「実際に使えるモデル」を相次いで出し、エージェント用途を前面に出す流れ。前回のGemini 4 Argonのタスクモードに続き、Muse Spark Openもコーディングとエージェント作業向けをうたう
- 新規要因: 数千億パラメータ級のモデルが、ローカルの高性能機でも動かせる形で重み公開された点
- 解消した要因: なし
本日のハイライト
Meta、Muse Spark Openを公開 816B規模のMoEで重みを配布
Metaの公式ブログによると、Muse Spark Openは10月15日に公開された。Hugging Faceのモデルカードでは、総パラメータ816B、1トークンあたりの有効パラメータ42BのMoE(Mixture of Experts。多数の専門家のうち一部だけを使って計算量を抑える構造)である。256の専門家から8つを使い、62層に加えて1.8Bの知覚エンコーダを持つ。入力はテキスト、画像、動画、音声で、出力はテキスト、100以上の言語に対応する。推論時の文脈長は1Mトークンである。
入手先はHugging Face、Amazon SageMaker AI、Google Cloud Model Garden、Microsoft Foundry Modelsで、API経由ではBaseten、Fireworks AI、Groq、Modal、Nebius、OpenRouter、Together AIから使える。ライセンスは独自の「Muse Model License」で、モデルのサービス提供で年間売上が2,000万ドルを超える事業者はMetaとの別契約が必要になる。一覧サイトのDigital Appliedは、製品での表示(アトリビューション)も求められると伝えている。
動かすには、モデルカードによると重みの形式がNVFP4で700GB以上、BF16で2TBのVRAMが必要である。公式ブログは、Apple M5 Ultra搭載のMac Studio 2台でMLXを使って動かせるとしている。推論エンジンはSGLang、vLLM、TensorRT-LLM、Transformers、llama.cpp、Unslothに対応するという。複雑な課題には、推論の強さ(reasoning_effort)をhighかxhighにするよう勧めている。
主要企業のリリース
Meta以外の大手では、モデル一覧のDigital Appliedに次の記載がある。いずれも公式発表は確認できておらず、一覧の記載として扱う。
- OpenAIは10月15日付で、ChatGPTの音声モデルGPT-Live-1.1とGPT-Live-1.1 Quipを更新した。6言語で自然な発音と新しい声が加わり、企業向けは1分あたり0.05ドルの従量課金とされる
- xAIは10月14日付で、Voice Agent API向けの音声対話モデルGrok Voice 3.0を出し、1分あたり0.08ドルの価格は据え置きとされる。比較対象はGPT-Live-1で、1.1ではない点に注意が必要である
新興AI・注目の新顔
Liquid AIの動きが一覧に載っている(Digital Applied)。
- LFM2.5-24B-A2B(10月13日付): 総24B、有効2Bのオープンウェイト(重みが公開されたモデル)のMoEで、文脈は131,072トークン。出力は推論過程のみの形式とされ、同社のLiquid Consoleでは入力100万トークンあたり0.10ドル、出力1.00ドルで使える
- d1-ultra(10月15日付): 「はい・いいえ」「選択」「採点」の問いに対して、文章を作らず確率を返す判断用のマルチモーダルモデル。APIのみで、入力100万トークンあたり0.042ドルとされる
いずれも一覧サイトの記載で、公式ブログやモデルカードでの確認はできていない。性能の数値は自社発表または一覧の記載であり、第三者の検証は確認できなかった。
AI開発手法
新しい開発手法の話題なし。
AIを使った新サービス
特筆すべき新サービスなし。
トレンドのAI活用法
特筆すべきトレンドなし。
LLM性能比較・得意分野
Muse Spark Openのモデルカードには、Metaの自社評価として次の値が載っている。GPQA Diamond 89.0、DeepSWE 60、Terminal-Bench 76.4、VideoMMEv2 61.5である。評価の条件や他モデルとの同一条件の比較は、今回確認した範囲では見つからず、第三者の検証もまだ確認できない。この値は「Metaがこの条件で測った結果」として読み、他社モデルとの優劣には使えない。新しい第三者の比較情報はなし。
研究・技術
Muse Spark Openの構成(256専門家のうち8を使うMoE、別立ての知覚エンコーダ、100万トークンの文脈)が、重みと一緒に公開された。数千億パラメータ級のMoEを手元で試せるようになったが、必要なVRAMは700GB以上で、個人の環境で動かすには複数台の高性能機が前提になる。近いうちに道具として使えるのは、クラウドやAPI経由の利用が中心になるとみられる。
