前回からの変化
前回(2026-10-04)との比較。前回は10月3日分、本日は10月4日分(一部10月3日の発表を含む)である。
変わったこと(変化・新規)
- ラトビア総選挙の結果が固まった。前回は出口調査で首位という段階だったが、開票97パーセント時点で統一リストが得票率35.3パーセント、42議席と、独立回復後で単独政党として最多になった(Bloomberg)
- 中国商務部がEU産化学品のパラニトロトルエンについて反ダンピング調査を開始した。前回レポートに無かった新規の動きである(Euronews)
- ブラジル大統領選は投票が始まり、前回の「投票日を迎える」段階から開票速報の段階に進んだ(Latin Times)
- G7の備蓄放出の発表を受け、ブレント原油は1バレル100.8ドルへ下げたと伝えられた。前回は100ドル前後から102ドル台で不安定とされていた(CNBC)
昨日と同じこと(継続)
- G7が最大1億バレルを4か月かけて放出する枠組みは、実施段階で継続している(Al Jazeera)
- 中国の燃料輸出停止と米イランの対立は、本日の確認範囲では新たな変化はなく、継続中とみられる
- EU通商担当委員の訪中(10月8〜9日)は前回と同じ日程で、予定どおりである
要因の連続性
- 継続要因: 中東の地政学リスクが、前回に続き原油の供給不安として働いている
- 新規要因: 中国の反ダンピング調査が、EU・中国の通商摩擦を強める要因として加わった。G7の備蓄放出は価格を抑える材料として効き始めている
- 解消した要因: ラトビア選挙の結果待ちという不確実性は、与党勝利で後退した
今日の要点
| 地域 | 出来事 | 日本への影響 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 欧州 | ラトビア与党が過去最多42議席で勝利 | 対ロシア制裁の枠組みが維持される見通し | 開票97パーセント |
| 中国・欧州 | 中国がEU産化学品の反ダンピング調査を開始 | 欧中摩擦の余波で貿易の流れが変わりうる | 調査開始 |
| 中南米 | ブラジル大統領選の開票が進行 | 資源・食料の調達先との関係に影響 | 開票途中 |
| 国際機関 | G7の備蓄放出後、ブレントは100ドル前後 | 燃料価格の抑制材料 | 実施中 |
欧州
ラトビアは10月4日までに議会選挙の開票が進み、Bloombergによると、アンドリス・クルベルグス首相の中道会派「統一リスト」が100議席中42議席で、独立回復後の単独政党として最多となった。Euronewsは、ポピュリスト政党も議席を伸ばしたと伝える。開票97パーセント時点で、2位のポピュリスト政党「ラトビア第一」は13.1パーセントで17議席、親ロシア色の「主権の力」が11.7パーセントで14議席だった。投票率は51.8パーセントで、単独過半数には届かず、連立の形成が次の焦点となる。
欧州委員会と中国の通商関係も動いた。中国商務部は、EU産のパラニトロトルエン(染料や医薬品、農薬の原料となる化学品)について、12か月の反ダンピング調査を始めた。Euronewsは、欧州委員会のシェフチョビッチ通商担当委員の訪中の数日前という時期が注目されると伝える。ダンピング調査とは、不当に安い輸入品が国内産業を傷つけていないかを調べる手続きである。
日本への影響: ラトビアの与党が優位を保てば、欧州の対ロシア制裁とウクライナ支援の路線は続く見通しで、G7の一員の日本も同調を求められる場面が続くとみられる。欧中の通商摩擦が深まれば、中国からEUへ向かう過剰な製品が他地域へ流れる懸念があり、日本の輸出企業と国内市場も無縁ではない。
アジア・オセアニア
本日の確認範囲で、前回レポート以降の大きな新規の動きは、上記の中国の反ダンピング調査にとどまる。中国の燃料輸出停止が国慶節連休の明ける10月7日以降も続くかは、北京の通知待ちで、未確認である。
日本への影響: 輸出が再開されなければ、アジアの石油製品の需給は引き締まり、日本の調達価格に上振れ圧力がかかりうる。
中東・アフリカ・中南米
ブラジルでは10月4日に大統領選と議会選の第1回投票が行われた。Latin Timesの開票速報では、開票8.16パーセントの時点で、フラビオ・ボルソナーロ上院議員が50.64パーセント、ルラ大統領が40.97パーセントだった。開票の序盤は地域によって結果が偏るため、この数字は最終結果を示さない。過半数を得る候補がいなければ、上位2人による決選投票が10月25日に行われる。最終結果は確認できていない。
中東では、CNBCが、G7の発表を受けてブレント原油が1バレル100.8ドル、WTIが90.40ドルへ下げたと伝えた。サウジアラビアがフーシ派への攻撃を計画しているとの報道もあるが、出所は報道ベースで、確認はできていない。
日本への影響: ブラジルは鉄鉱石や大豆の主要な供給元で、日本企業の進出先でもある。決選投票に向けて対米・対中の通商姿勢が争点になれば、資源・食料の調達に中長期で響く。中東情勢は、ガソリンや電気料金の先行きに影響する。
国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き
G7は10月2日に、国際エネルギー機関(IEA)を通じて最大1億バレルの備蓄を4か月かけて放出することで合意し、ディーゼルを中心とする大口の放出は最初の20日以内に前倒しされる。Al Jazeeraは、この放出が価格をどこまで抑えるかを検証している。日本を名指しした新たな発言や決定は確認できていない。
日本への影響: 日本はG7とIEAの加盟国であり、協調放出への対応が焦点である。日本の放出量や時期は、本日確認できた範囲では示されていない。
今後数日の注目日程
- 10月5日: 高市首相の所信表明演説(臨時国会開会)
- 10月7日ごろ: 中国の国慶節連休が明け、燃料輸出再開の可否が焦点
- 10月8〜9日: EUのシェフチョビッチ通商担当委員が北京を訪問し、王文濤商務部長らと会談予定
- 10月25日: ブラジル大統領選の決選投票(過半数に届かない場合)
- 11月3日: 米中間選挙

