前回からの変化

変わったこと(変化・新規)

  • トランプ大統領は22日の国連演説で、イランとの合意に至らなければ「迅速かつ徹底的に壊滅させる」可能性に言及し、今後数週間の戦闘継続と発電所爆撃を改めて警告した。これを受け23日、イランのペゼシュキアン大統領は国連演説で米国・イスラエルを世界の不安定化の元凶と非難し、「自国を守るために誰の許可も求めない。頭を下げることはなく、生来の権利を放棄することもない」「核兵器は持たないが、平和目的の新たな原子力技術に制限は受け入れない」と反論した。米国代表団はペゼシュキアン氏の演説中に退席した。前日にイラン高官が示した「ホルムズ海峡を7日以内に開放する用意がある」という融和的な提案とは対照的に、ペゼシュキアン氏はホルムズ海峡への関与を維持する姿勢も示しており、イラン側の立場は流動的である(新規、CNN、CNBC、The Hill)。
  • ゼレンスキー大統領は23日の国連演説で、「誰かがロシアとの貿易でより多くの資金を渡せば、それだけ戦争が長引く」と述べ、ロシアの歳入を断つための貿易制限・制裁の継続を各国に訴えた。ウクライナ自身もロシアのエネルギー関連施設への攻撃を続け、戦費調達能力を断つ狙いがあると説明した。フランスのマクロン大統領はトランプ氏との会談後、ウクライナのエネルギー網への攻撃停止(モラトリアム)を推進すると表明した(新規、Ukrinform、CNBC)。
  • トランプ大統領は22日、国連総会が開かれているニューヨークでベネズエラのロドリゲス暫定大統領と会談した。今年1月の米軍によるベネズエラ軍事作戦後、初めての米・ベネズエラ首脳会談となった。ロドリゲス氏はSNSで「歴史的な会談」とし、二国間関係の強化やエネルギー・鉱業・安全保障分野での協力推進について協議したと明らかにした。ロドリゲス氏は暫定大統領就任後初の訪米で、エネルギー・鉱業・債務を巡り米政府高官や国際金融機関、企業とも協議する予定である(新規、時事通信、NHKニュース)。

昨日と同じこと(継続)

  • 24日に予定される米中首脳会談(トランプ大統領・習近平国家主席)への注目は前回から続いている。習近平氏は23日にワシントン入りし、トランプ大統領自らが出迎える異例の対応となった(詳細はchina_stockカテゴリ参照、継続)。
  • EUが22日に決定したロシア制裁延長(大富豪2人を除外)は、23日時点で新たな進展の確認情報はなかった(継続)。

要因の連続性

  • 継続要因: 米中首脳会談への関心、国連総会ハイレベルウィークにおける各国首脳の演説ラッシュ。
  • 新規要因: トランプ氏の対イラン強硬発言とペゼシュキアン氏の反論という米イラン関係の急速な悪化、ゼレンスキー氏のロシア歳入制裁継続の訴え、米・ベネズエラ首脳の初会談という新しい外交進展。
  • 解消した要因: 前回材料だった「イラン高官によるホルムズ海峡開放提案」という融和ムードは、トランプ氏の強硬発言とペゼシュキアン氏の反論により後退した。

1. 今日の要点

地域 出来事 日本への影響 段階
中東 イラン大統領がトランプ氏の「壊滅」発言に反論、米代表団が退席 ホルムズ海峡を巡る緊張再燃は原油調達コストに直結 演説・反応段階
欧州・ウクライナ ゼレンスキー氏がロシア歳入への制裁継続を訴え、マクロン氏はエネルギー網攻撃停止を推進表明 対ロ制裁の枠組みは日本の協調姿勢にも関わる 訴え・表明段階
中南米 トランプ氏とベネズエラ暫定大統領が初会談、エネルギー・鉱業協力を協議 中長期的な世界の原油供給構造の変化を通じ間接的に影響 会談実施
アジア 習近平氏がワシントン入り、24日の米中首脳会談へ 台湾・半導体サプライチェーンは日本の安全保障に直結 会談前日

(取得時点: 日本時間2026年9月23日〜24日早朝)

2. 米国

トランプ大統領は22日の国連総会一般討論演説で、イランとの合意に至らなければ「迅速かつ徹底的に壊滅させる」可能性に言及し、今後数週間の戦闘継続とイランの発電所爆撃を改めて警告した。23日にはベネズエラのロドリゲス暫定大統領と会談し、エネルギー・鉱業・安全保障分野での協力推進について協議した(Yahoo!ニュース、時事通信)。

日本への影響: 対イラン強硬姿勢の再燃はホルムズ海峡を経由する原油輸送の安全性に直結し、日本のエネルギー調達コストに影響しうる(詳細はcommodityカテゴリ参照)。米・ベネズエラ関係の改善は、中長期的な世界の原油供給構造の変化を通じ、間接的に日本のエネルギー調達に影響しうる。

3. 欧州

フランスのマクロン大統領はトランプ氏との会談後、ウクライナのエネルギー網への攻撃停止(モラトリアム)を推進すると表明した。「正義なくして平和なし」とも述べている。EUが22日に決定したロシア制裁延長(大富豪2人を除外、前回既報)について、23日時点で新たな進展の確認情報はなかった(CNBC)。

日本への影響: 日本はG7の一員として対ロ制裁で欧州と歩調を合わせており、ウクライナのエネルギーインフラを巡る攻防の行方は、対ロ制裁の枠組み全体の持続可能性にも関わる。

4. アジア・オセアニア

習近平国家主席は23日にワシントン入りし、24日にトランプ大統領との首脳会談に臨む(詳細はchina_stockカテゴリ参照)。

日本への影響: 台湾を巡る米中の駆け引きは、日本の安全保障・半導体サプライチェーンに直結する重要な論点であり、24日の会談結果を注視する必要がある。

5. 中東・アフリカ・中南米

イランのペゼシュキアン大統領は23日、国連総会演説で米国・イスラエルを世界の不安定化の元凶と非難し、「頭を下げることはない」と反論した。米国代表団は演説中に退席した。前日にイラン高官が示した融和的な提案(ホルムズ海峡の7日以内開放)とは裏腹に、ペゼシュキアン氏はホルムズ海峡への関与維持の姿勢も示し、核兵器は持たないとしつつ平和目的の原子力技術には制限を受け入れないと明言した(CNN、CNBC)。

中南米では、トランプ大統領とベネズエラのロドリゲス暫定大統領が22日に会談し、エネルギー・鉱業・安全保障分野での協力を協議した(上記「2. 米国」参照)。パナマのムリノ大統領は国連総会で、中南米・カリブ地域の国連安全保障理事会常任理事国入りを求めた(CNBC)。

日本への影響: ホルムズ海峡を巡る緊張の再燃は、日本が輸入する原油の大半が経由する航路の安全性に直結し、エネルギー調達コストの上振れリスクとなる。米・イラン関係の悪化が続けば、原油価格の変動幅が拡大しやすくなる点にも注意が必要である。

6. 国際機関・多国間の動きと、日本を名指しした動き

国連総会ハイレベルウィークは23日も続き、気候変動・公正な移行に関するハイレベル会合、発展の権利宣言40周年に関する会合が開催された。130近い国・政府の首脳が演説の場に立っており、イラン・ウクライナのほか、フランス・パナマなど各国の立場表明が相次いだ。高市早苗首相も22日夜(日本時間23日朝)に就任後初の国連演説に臨み、国際裁判所・法の支配の重要性への一貫した支持や、地政学的対立の先鋭化への問題意識を示した(日本政府主体の外交の詳細はjp_gov_watchカテゴリの担当)。日本を名指しした特段の批判・要請は、本レポート作成時点で確認できなかった(CNBC)。

7. 今後数日の注目日程

  • 9月24日: トランプ大統領・習近平国家主席の米中首脳会談(ワシントン)。台湾・関税・AIなどが議題となる見通し(詳細はchina_stockカテゴリ参照)
  • 9月24日: 国連総会ハイレベルウィーク継続、各国首脳の一般討論演説
  • 9月28日: 国連総会一般討論演説の会期終了
  • イラン情勢: トランプ氏の強硬発言とペゼシュキアン氏の反論を受け、今後の軍事的・外交的な展開の有無(ホルムズ海峡の安全性に直結)