前回からの変化
変わったこと(変化・新規)
- オラクル株が9月14日(月)にさらに下落したことが新たに判明した。前週末9月11日(金)の終値150.28ドルから4.7%安の143.80ドル前後まで続落し、日中安値は141.01ドルを付けた。前回レポート時点(9月13日)の高値165.99ドル・安値147.30ドルという荒い値動きに続き、下方向への調整が継続した形となる(前回値150.28ドル→当日値143.80ドル、TradingKey、StocksToTrade)。
- オラクルのリストラ費用総額が拡大したことが新たに判明した。SEC提出の10-Qによれば、2026年リストラ計画の見積り総額は8月31日時点で21億ドルだったが、9月11日付の開示で7億ドルが積み増され、総額は28億ドルへ拡大した(前回レポートでは未言及、新規、SEC EDGAR 10-Q)。
- オラクルの資金調達の実行状況が新たに判明した。2027年度第1四半期(6〜8月)中に、最大200億ドル規模のATM(随時発行型)増資プログラムを通じて1億4,100万株を発行し、純調達額199億ドルを確保、プログラムを使い切ったことが10-Qで確認できた。前回レポートで触れた「400億ドル規模の負債・株式による資金調達計画」の株式部分が今回の四半期でほぼ全額実行されたことになる(新規、SEC EDGAR 10-Q)。
- ゼネラル・ミルズの次回決算発表日について、前回レポートで「9月16日朝発表予定」としていたのは誤りで、同社の公式発表(IRプレスリリース)によれば正しくは2027年度第1四半期決算を9月23日朝に発表する予定であることが判明した。本レポートで訂正する(新規・訂正、General Mills Investor Relations)。
- レナーの決算を前に、BofA証券が目標株価を引き下げたことが新たに判明した。9月14日付で目標株価を77ドルから70ドルへ引き下げ、投資判断「アンダーパフォーム」は維持した。予想PBR(12カ月先の有形自己資本倍率)を1.1倍から0.9倍へ引き下げ、粗利率16.4%という水準を背景に自己資本利益率への圧力が続いているとの見方を示した(新規、Investing.com)。
- クローガーについて、9月11日発表の決算を受けたアナリスト評価の続報が新たに判明した。テルジー・アドバイザリー・グループは9月14日付で目標株価を78ドルから75ドルへ引き下げつつ、投資判断「アウトパフォーム」は維持した(新規、Daily Political)。
昨日と同じこと(継続)
- レナーの2026年度第3四半期決算発表が9月16日(水)引け後に予定され、翌9月17日(水)午前11時(米東部時間)にカンファレンスコールが開催される日程は前回から変わっていない。同日はFRB(FOMC)の政策金利発表(米東部時間午後2時)とも重なる点も継続している。
- ダーデン・レストランツの決算発表が9月17日(木)朝に予定されている点、通期ガイダンス(調整後EPS11.10〜11.35ドル)は前回から変わっていない。
- レナーのコンセンサスEPS(前年同期比34.5%減の1.31ドル)については、今回新たに確認できた集計元でも大きな差は見られず、既報の水準からの変化はないとみられる。
要因の連続性
- 継続要因: オラクルの設備投資急拡大とキャッシュ燃焼への警戒は6月の前回決算・9月10日の今回決算から続いており、9月14日の続落でも主因の一つとみられる。
- 新規要因: リストラ費用の28億ドルへの拡大、および中東情勢の緊迫化や米長期金利上昇による利上げ観測の再燃といったマクロ要因が新たにオラクル株の重しに加わった。住宅・消費セクターでは、レナーへのBofAの目標株価引き下げが新たな弱気材料として加わった。
- 解消した要因: 9月12日のエリソン会長による自社株売却撤回という支援材料自体は解消していないが、9月14日はマクロ要因がそれを上回り株価は下落した。個別の懸念が明確に解消した事例は本日は確認できなかった。
1. 本日のハイライト
米国市場は決算閑散期が続いており、本日9月15日(火)に確認できた主要な新規決算発表はない。9月14日(月)のオラクル株続落、リストラ費用の拡大、ゼネラル・ミルズの決算日訂正、および来週の決算に向けた最新の観測材料を掘る。
| 銘柄 | トピック | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| オラクル(ORCL) | 株価続落 | 前週末終値150.28ドルから4.7%安の143.80ドル前後へ | TradingKey |
| オラクル(ORCL) | リストラ費用拡大 | 2026年リストラ計画の総額が21億ドルから28億ドルへ | SEC 10-Q |
| オラクル(ORCL) | 増資プログラム完了 | ATM増資で1億4,100万株・199億ドルを調達済み | SEC 10-Q |
| レナー(LEN) | BofAが目標株価引き下げ | 77ドル→70ドル、アンダーパフォーム維持 | Investing.com |
| ゼネラル・ミルズ(GIS) | 決算発表日を訂正 | 9月16日ではなく9月23日が正しいと公式発表で判明 | General Mills IR |
| クローガー(KR) | テルジーが目標株価引き下げ | 78ドル→75ドル、アウトパフォーム維持 | Daily Political |
2. 個別決算
オラクル(ORCL)のその後
9月10日発表の2027年度第1四半期(6〜8月)決算は好調だったが、株価はその後も不安定な値動きが続いている。9月14日(月)の米国市場でオラクル株は前週末9月11日(金)の終値150.28ドルから4.7%安の143.80ドル前後まで続落し、日中は安値141.01ドル・高値145.40ドルの範囲で推移した。中東情勢の緊迫化に伴う原油高や米長期金利の上昇が利上げ観測を再燃させ、ハイテク株全般の重しになったことに加え、オラクル固有の材料としてリストラ費用の拡大が重なった(TradingKey、StocksToTrade)。
SEC提出の10-Q(会計四半期末2026年8月31日)によれば、2027年度第1四半期の設備投資(キャピタルエクスペンディチャー)は285億ドルと前年同期(85億ドル)から急増し、営業キャッシュフロー231億ドルを上回った結果、フリーキャッシュフローはマイナス54億ドルとなった(前年同期はマイナス4億ドル)。資金手当てとして、最大200億ドル規模のATM増資プログラムを四半期中に使い切り、1億4,100万株を発行して純調達額199億ドルを確保したことも確認できた。また、2026年リストラ計画の見積り総額は8月31日時点の21億ドルから、9月11日付の追加開示で7億ドルが積み増され、28億ドルへ拡大した(SEC EDGAR 10-Q)。
クローガー(KR)のその後
9月11日発表の2026年度第2四半期(会計期間は8月15日まで)決算は、調整後EPSが1.09ドルで市場予想(FactSet集計とみられる)の1.05ドルを上回り、総売上高は346億ドル(前年同期339億ドルから増加)だった。会社は通期の調整後EPSガイダンス(具体的なレンジは非開示だが従来水準を維持)を据え置く一方、通期の既存店売上高(燃料除く)見通しを従来の1.0〜2.0%から0.2〜0.8%へ下方修正した(PR Newswire: Kroger Reports Second Quarter 2026 Results)。この決算を受け、9月14日付でテルジー・アドバイザリー・グループが目標株価を78ドルから75ドルへ引き下げつつ投資判断「アウトパフォーム」を維持しており、既存店売上高見通しの下方修正にもかかわらず、収益性(粗利率改善やeコマースの黒字化)を評価する向きが続いている(Daily Political)。
3. 経営陣が語ったこと
クローガーは、既存店売上高見通しの下方修正について、処方薬事業への逆風(高齢者向け処方薬の自己負担軽減を含む制度変更の影響で薬局部門の売上高に約1.4ポイントの押し下げ要因が生じたとされる)を主因に挙げつつ、コスト削減・薬局マージン・eコマース収益性・広告事業(クローガー・プレシジョン・マーケティング)の成長を通じて通期の調整後EPSガイダンスは据え置けるとの見通しを説明した(PR Newswire)。数量の伸び鈍化を利益率の改善で補う構図は、来週決算を控えるレナー・ゼネラル・ミルズにも共通しうる論点として注目される。
4. 業界トレンド
- オラクルの設備投資急増とフリーキャッシュフローのマイナス転落は、AI関連投資を進める大手テック企業に共通するテーマである。好決算でも株価が上値を試せない展開が続いており、市場が「売上・利益の伸び」よりも「投資額とその資金調達方法(増資・社債)」を重視する局面が続いていることを裏付ける。
- 中東情勢の緊迫化に伴う原油高と米長期金利の上昇は、9月16日のFRB政策金利発表を控えた市場心理にも影響しており、ハイテク株だけでなく来週決算を控える住宅(レナー)・食品(ゼネラル・ミルズ)セクターにも金利動向が波及しうる構図が続いている。
- クローガーの既存店売上高見通し下方修正とテルジーによる目標株価引き下げは、利益率改善で数量鈍化を補うという小売・消費関連企業に共通する防御的な姿勢を示しており、来週のレナー・ゼネラル・ミルズの決算でも同様の構図になるかが焦点になる。
5. 決算シーズンの進捗
主要企業の決算発表は端境期が続いており、S&P500全体の決算シーズン進捗を示す確度の高い新規集計データは本日時点で確認できなかった。次の本格的な決算シーズンは10月中旬以降の第3四半期決算発表を待つことになる。
6. 次の注目決算
- レナー(Lennar, LEN): 米国時間9月16日(水)引け後に2026年度第3四半期決算発表予定、カンファレンスコールは翌9月17日(水)午前11時(米東部時間)。同日午後2時(米東部時間)にはFRBの政策金利発表も予定され、住宅建設株全体に影響しうる。BofA証券は9月14日付で目標株価を77ドルから70ドルへ引き下げ、投資判断「アンダーパフォーム」を維持した(StockTitan、Investing.com)。
- ゼネラル・ミルズ(General Mills, GIS): 発表日を訂正。前回レポートでは9月16日朝発表予定としていたが、公式IR発表によれば正しくは2027年度第1四半期決算を9月23日朝に発表する予定である(General Mills Investor Relations)。
- ダーデン・レストランツ(Darden Restaurants, DRI): 9月17日(木)朝発表予定。UBSは9月11日付で投資判断「買い」・目標株価240ドルを再表明し、ロングホーン・ステーキハウスの上振れがオリーブガーデンの既存店売上高鈍化への懸念を補うとの見方を示した。通期ガイダンス(調整後EPS11.10〜11.35ドル)を概ね維持できるとの見立てである(Investing.com)。

